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「GO」 映画の話。

GWに映画を観た。
人から、金城一紀のGOが面白いと聞いて。

恥ずかしながら、作者の名前すら知らなかった。
在り来りな題名に思えて迷ったけど、小説を読見始めると、めちゃくちゃ面白くて一気読みしてしまったのだった。
映画も面白いと聞いて、その日のうちに視聴。

痺れた…。

「僕は、コリアンジャパニーズだーーー。」

テーマは在日という、生まれ持っての不安定な称号に翻弄される高校生の主人公。

そして、思いがけない差別や偏見に晒されるのは日常的。その鬱憤を晴らすために、暴力に明け暮れる日々。

一応言っておくが、この破天荒な主人公が日本人の女の子に恋をするものがたりである。

どうしようもならない生い立ちの主人公とそこへ立ちはだかる悲劇と運命、

親友との死別、恋人との別れ。
主人公をズタズタにまで傷つける。
それでも、向かってくるのが追い風であろうと
刃が降ってこようと、迫り来る特急電車であろうと、強大な目に見えない正体不明の相手であろうと、めちゃくちゃ強い主人公の父ちゃんにも、

持ち前のパワフルさで立ち向かった。

主人公のタフさといい、
穿った眼差しで社会を見ていて、八つ当たりしているように見えるが、物事の核心をついているのだ。

だから、GOなんだろうか。

自分が好きなのは、

作中での親友のジョンイルとの掛け合うシーン。

なんでもないんだけど、この2人めちゃくちゃ居心地いいんだろうなっていうのが画面越しから、小説からも伝わった。

その死んでしまう親友のジョンイルが主人公へと、
電話で最後に言ったすげえことってなんなんだろうなって。

実際に会って喋ったら
「なんだそんなことかよ、つまんねーの女の話じゃねえのかよ」

って杉原(主人公)とジョンイルの
くだらない話でゲラゲラ笑ってるなんでもない2人の時間があったんだろうと思ったら泣いた。

あと、主人公の家族、父母の存在も主人公にとって、視聴者にとっても、心強かったりする。

この作品からは差別が問題がどうのって話より、

主人公の、彼の真っ直ぐさと、誰かを愛する心が、人や国境、世界を変えてしまうんじゃないか。

そう錯覚させてくれる、自分の頼りない背中を後押ししてくれる礎になるんだと思えた。

窪塚洋介と柴咲コウもすごいいい演技してます。

気になった方は、是非とも観て観てください。

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