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信長・光秀平等に 延暦寺で焼き討ち450回忌

 ※文化時報2020年9月19日号の掲載記事です。

 天台宗の総本山比叡山延暦寺は12日、織田信長が比叡山を焼き討ちした「元亀の兵乱」の450回忌をしのぶ鎮魂塚供養法要を営んだ。今出川行戒延暦寺参拝部長を導師に、中山玄童法務部長ら延暦寺の僧侶が出仕。鎮魂塚の周囲をめぐり、「怨親平等」の思いを新たにした。

 比叡山の焼き討ちは、元亀2(1571)年9月12日に行われ、坂本の町や日吉大社、根本中堂など延暦寺の堂塔や僧房を3日3晩かけて焼き尽くしたとされる。

 延暦寺は犠牲となった2千人以上の僧俗をまつる鎮魂塚を1992(平成4)年に造立。焼き討ちから約10年後に自らも本能寺で炎に焼かれた信長の供養を含め、犠牲となったすべての人を対象とする「怨親平等」の精神で、毎年法要を勤めている。

 特に今年は、450回忌や、NHKの大河ドラマで明智光秀が描かれたことなどを記念し、織田家と明智家の末裔を招く「元亀の兵乱慰霊法要とシンポジウム」や、延暦寺国宝殿で行う「戦国と比叡」展などを計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で中止。兵火を免れた西塔・瑠璃堂の特別公開のみ行う見込みで、来年の伝教大師1200年大遠忌と重なる「焼き討ち450年」に向けて、諸行事の実施を目指すという。

 今出川部長は「結果として信長も非業の死を遂げ、誰も勝者にならなかった。仏教の教えを確認しながら、これからも心からの供養を勤めたい」と語った。

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