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じいちゃんち が教えてくれた


雨水の染みも味わう模様としか影響しない石積塀

石の歴史に似合わない近代的なインターホンを押し門扉通り過ぐ

玄関まで30歩  幼少のころ大股で次の石までの距離を奮闘した


小学からマンション暮らしの自分は福岡のおじいちゃんち が大好物だ

いまも大好きだ

登記上は 叔父さんち と変わったが、呼称への愛着を叔父も赦してくれよう


たたき すぐ右隣に12畳の座敷

続きの8畳間との仕切りをはずせば20畳を超える空間だ

3歳児までは 誰もが走り回りたくなる運動場でもあった

い草 の薫りを家屋中に蔓延させるのも目的だ

むきになって制するそれぞれの大人をよそに ばぁちゃんは よかよか と微笑ましい

よかよか と言わせたくて仕方がなかったのです


指の跡ひとつないガラスから庭を見渡すものだから20畳をゆうに超える広さに誤認してしまうのだ

50年前から飴色だったよう記憶が塗り替えられた ぶっとい大黒柱

とうぜん自分のキズも刻まれる


♪ はしらのきずは おととしの~

いや45年前である


間接照明が 会 という一文字書を照らす床の間

欄間の繊細な手仕事は計算通りの光量をゆき来させ、鴨居にて植物が瑞々しく成長しているさまを刻む

そうか 木だものな、そりゃ植物も育つわな

敷居、畳のへり を踏んではいけない など言われなくとも踏んでいけないものであることは こんな空間の美しさで学ぶのであろう

自宅とは足の運びに対する注意力から異なる空間なのだ


いつでもピンと張り詰め うちのには入っていない透かし入りの障子

鳥の羽のような、厚手の和紙のような混入物のアクセントが美しい

そして動きの なんとスムーズなこと

うちも小奇麗にはしてあるのだが 障子が軽く動くことで屋内の空気が澄み渡るような錯覚に陥る


大人になってからは 視線を移すたびに溜め息が途切れない

どこへ視線がむこうが 待ち受けたような仕掛けが施してあるのだ

はて どうやったら こうなるのであろう

きっと美しいものだけを集めたら家が出来上がったのだろう


床の間 の綺麗な板に爪を立ててはいけない

それは桐だから

優先順位がそう高いとは思えないのだが、桐はステキで柔らかいという40数年前の会話は忘らることない


強く触れただけで傷が付く木種がある

キズを付けられて喜ぶ飴色の大黒柱もある


日本家屋  日本建築  寺社仏閣


あちらこちらに繊細な美が宿る

日本人がうっとりするような、外国の方まで すっかり魅了する伝統美

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最高峰の技術を習得するため名門 中村外二工務店、北村誠工務店での修行を経て、満を持して茨城県にて開業  

工匠常陸


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職人の誇りをかけ大工にしか描けない家物語を紡ぐ



大工人口の減少を憂い積極的に弟子の育成にも尽力

若く独立した棟梁 中島氏自身の次世代大工への金言には響くものがある



飴色にキズを喜ぶ大黒柱

つめ厳禁 、柔らかな桐の板

その間に様々な、多種多様な木という個性がある


木種それぞれの特長があるようヒトにも一つ一つの個性がある

じいちゃんち はそんなことを教えてくれたように思うのです



良い時間を過ごす

時間に価値をつける

戦うことなく時間に心地好さを求める



大工にしか描けない家物語

紡ぐのは そこに暮らす人々

子へ孫へと



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(=^・^=)(=^・^=)(=^・^=)(=^・^=)


みなさんとおなじように自分にも大好きなnoteがある

じかんの流れをゆったりと変える魔法のnote .

ねこするworld


ねこはいえに 、いぬはひとに 、なんて言葉おもいだします


ひと は どちらも選べてうらやましいですね


*このnoteは [共同マガジン]これが私のイチオシnoteだ!寄稿作品です。
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