仕事をする意味についてサン=テグジュペリ「人間の土地」を読んで考えた
「星の王子さま」の作者として有名なフランス人作家サン=テグジュペリ(1900-1944)が、飛行機乗りの仕事を始めたのは26歳のときだった。第一次世界大戦後、大陸間で郵便物を送る郵便飛行サービスが誕生し、そのパイロットとして採用されたのだ。
当時、飛行機乗りは死と隣り合わせの職業だった。今と違ってGPSもないため、自分がいまどこを飛んでいるのかは勘と経験を頼りに推測するしかなかった。飛行機乗りたちは自分たちの操縦を惑わす雲や風や、不意に現れてくる高い山々を征服しようと戦って