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手軽にできる!街なか自然観察自由研究のススメ

梅雨が明け、いよいよ待ちに待った夏がやってきました。
でも、「夏休みの自由研究、どうしよう……」とお困りのお子さんがいらっしゃるご家庭も多いのではないでしょうか。
筆者は夏休みの宿題を最後まで放置しておくタイプだったので、小学生のときには毎年夏休み最終日に泣きながら宿題をやっていました……(笑)

そこで今回は、ブンイチ編集部が、夏休みの自由研究に役立つ本と小社Webマガジン「BuNa」の記事を紹介します!

書籍

『森の小さな生きもの紀行』シリーズ

① きれいで ふしぎな 粘菌

表紙のキラキラと輝くきれいなつぶつぶは「粘菌」といいます。粘菌は菌ではなくアメーバの仲間で、体の形を変えて胞子を飛ばす不思議な生きもの。森の奥深くでないと見つけられないと思いきや、じつは落ち葉や枯れ木などを注意深く探せば、街中の公園や街路樹でも見つけられるんです。

『森の小さな生きもの紀行』シリーズのおすすめポイントは、なんといっても探しかた、観察のしかたが写真つきで載っているところ。

『きれいで ふしぎな 粘菌』p38-39をチラ見せ。

こんな自由研究におすすめ
・身近な公園や街路樹で粘菌を観察してみよう
・粘菌を育てて、どんなものを食べるのか調べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・ルーペ(10〜20倍程度)
・ライト
・ピンセット
・撮影用のカメラ
・標本を作るなら:適当な大きさの箱
・育ててみるなら:タッパー、キッチンペーパー、オートミール、米粒、麩、キノコなど

もっと粘菌(変形菌)について知りたくなったらこちらもおすすめ。


② いつでも どこでも きのこ

食べものとしても身近なきのこ。野生のきのこは湿り気のある日陰や枯れ木などをよく探せば、街中の公園でも見つけられます。また、市販のきのこを用いても胞子の色や、胞子を飛ばす様子を観察することができます。
この本にも胞子の観察のしかたが写真つきで載っています。

市販のきのこでもいろいろな観察ができるんです

こんな自由研究におすすめ
・市販のきのこを使って胞子が飛ぶ様子を観察してみよう
・いろいろなきのこの胞子紋の形を比べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・胞子が飛ぶ様子を観察する:ビン、割りばし、つまようじ、ライト
・胞子紋を見る:黒い画用紙、コップ

もっときのこについて知りたくなったらこちらもおすすめです。

③ あなたの あしもと コケの森

コケも私たちの身近に暮らす生きもので、道ばたのコンクリートのすき間などでも見られます。街中、森の中、水辺など、環境によって生えるコケの種類が異なるため、場所ごとにコケを見比べてみるのもおすすめです。
この本にもコケの観察のしかたや、身近な25種が写真つきで載っています。

コケの特徴から名前を調べられる

こんな自由研究におすすめ
・公園や道ばた、家の庭など、身近な場所でコケを探してみよう
・場所ごとに生えるコケの種類を調べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・ルーペ(10〜15倍程度)
・ペンとノート(記録用)
・ピンセット
・撮影用のカメラ
・霧吹き

コケについてもっと知りたいときにはこちらもおすすめです。


手すりの虫観察ガイド  

身近な公園や緑地の「手すり」でよく見られる虫に着目した観察ガイド。この本のおすすめポイントは、拡大写真がついていて、識別しやすいところ。
また、季節ごとに見られる虫が載っているため、夏休み以外の虫の観察にも大活躍です。

虫の特徴もわかりやすい

こんな自由研究におすすめ
・公園や庭など場所を一つ決め、その場所で見られる虫の種類や数を調べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・ルーペ(10倍〜)
・スマホかカメラ(写真撮影用)
・虫を入れる透明のプラケース

昆虫の食草・食樹ハンドブック

主にチョウやガの仲間・甲虫の仲間などが食べる植物の探しかた・見分けかたがわかるハンドブック。この本のおすすめポイントは、これ一冊で昆虫の見分けと植物の見分けの両方ができ、しかも見開きで昆虫とその食草・食樹(昆虫が主に幼虫期にえさとして食べる植物のこと)が載っていてとてもわかりやすいところ。

こんな自由研究におすすめ
・庭や公園などで好きな植物を選び、どのような虫が何種類集まるか調べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・ペンとノート(記録用)
・スマートフォンかカメラ(写真撮影用)


番外編〜ちょっと上級者向けの自然観察〜

ここからは少し難易度の高い自然観察をご紹介します。川などの危ないところでの観察や、顕微鏡などの高価な設備が必要な観察は、大人の人の指導のもとで行いましょう。

新訂 水生生物ハンドブック

河川で観察できる約75種の水生生物を紹介するハンドブック。生息している水生生物から川の水質がわかる12段階のスケールがついているため、すんでいる昆虫をもとに川の水質を調べる研究におすすめです。

花粉ハンドブック

野菜や果物、身近な野草などの植物186種の花粉を紹介するハンドブック。
一般的な観察で用いられる生物顕微鏡で見える写真を掲載しているため、学校などでも使いやすいのが特徴です。
生物顕微鏡を使うことができれば、身近な植物の花粉を観察する研究におすすめです。


Webマガジン「BuNa」の記事

続いては、小社Webマガジン「BuNa」より、夏休みの自由研究に役立つ記事を紹介します。

Vol.1 身近なクモの巣を探してみよう|クモの巣ウォッチングのすすめ

家の周りや公園、フェンスなど、クモは人間の生活場所の近くでよく見られる生きものです。クモの巣といえば、おなじみの円網状のものを思い浮かべるかたが多いかもしれません。ですが、じつはクモの巣には色々な形があるんです。

こんな自由研究におすすめ
・公園やフェンスなどのクモの巣がどのクモのものか調べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・ペンとノート(記録用)
・スマートフォンかカメラ(写真撮影用)
・ピンセット

もっとクモの巣について知りたくなったらこちらもおすすめ。

家から半径100mでたのしむ!そこらへんの植物観察のすすめ

暑い夏。熱中症のリスクもあり、外に出づらいというお子さんも多いかもしれません。そんなお子さんにもおすすめしたいのが、「そこらへんの植物観察」。家の周りで、コンクリートのすき間や排水口から生える「ど根性野草」たちを観察してみませんか?「ハート形の葉」、「小さな花が集まっている植物」など、テーマを決めて植物を記録してみるのもおすすめです。

こんな自由研究におすすめ
・家の庭やベランダに生える野草の種類を調べてみよう
・植物の「かたち」や「特徴」に注目して、花や葉、実を観察してみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・ルーペ(10倍〜)
・ペンとノート(記録用)
・スマートフォンかカメラ(写真撮影用)

街中の野草についてもっと知りたくなったらこちらもおすすめ。


第3回 セミの羽化をみてみたい!|あるある昆虫相談室 おしえて!虫のおじさん

夏の夜は、地中から出てきて羽化するセミを観察するのに絶好のチャンス。
木や土があり、セミが好む環境であれば、街中の公園でも観察できます。
ふだんは見られない、羽化したばかりの美しい羽の姿のセミを見てみましょう!

こんな自由研究におすすめ
・セミの羽化を観察してみよう
・時期によって羽化するセミの種類に違いはあるか調べてみよう

観察に必要なもの・あるとよいもの
・懐中電灯
・ペンとノート(記録用)
・スマートフォンかカメラ(写真撮影用)

セミのぬけがらの見分け、鳴き声の聞き分けなど、セミについてもっと知りたい方はこちらの記事もおすすめ。


観察するときの注意事項
・観察するために捕まえた昆虫などは必ず元いた場所に戻そう
・羽化中の昆虫にはさわらない(羽化不全を起こしてしまうため)
・熱中症に気をつけよう(水分・塩分補給をこまめに)
・夜の観察または山や川に入るときは、大人の人と一緒に、できれば複数人で行動しよう
・ハチやマダニなど、危険な生きものに気をつけよう
・倒木や土砂崩れ、落石など、フィールドにひそむ危険にも気をつけよう



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