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ユーザーインタビューで学んだ大事なこと

UXデザイナーとして仕事をしていたのでユーザーインタビューをする機会が多くありました。当時は初心者だったため、参考になる本をたくさん読みながら経験を元に学んだことをまとめてみたいと思います。あくまで個人の経験によるものなのでご了承くださいmm

インタビューとは、「人と人との会話」である

当たり前のことですが、そもそもインタビューとは人と人とのコミュニケーションです。そのため、仕事といえど「人への興味」と「会話を楽しむこと」の2つを忘れてはいけません。これらがあることで相手も心をひらいてくれて、思いがけない話を自分から快くしてくれることが多いと感じました。一対一の会話は繊細で、ふとした仕草で疑心暗鬼を持たれてしまいます。相手に不信感を持たせないためにも会話に集中をして、ちゃんと話を聞いて誠意を見せることが重要です。

インタビュー前のアイスブレイクでは、お互いのことを話し合って相手への興味を持つきっかけ作りにしていました。そうすることで自分も自然と相手への興味から聞きたいことが出てきますし、相手も自分から進んで話しかけれくれるようになるので良いインタビューになることが多かったです。
仲がいい友達との会話は楽しくて、聞かれていない自分のことを思わず話してしまいますよね?インタビューでも一緒で、いかに心を開いてもらえるかが勝負です。また、自分はインタビューをするとき笑顔と「あなたの意見が大事」という気持ちを忘れない、先入観を持たずにまっさらな気持ちで聞くことを意識しています。

聞き上手になる

そして相手が「この人と話したい」と思ってもらうことが大切です。聞き手は少しでも話が面白いと思ったら表情や言葉に出してみる、ニコニコ楽しそうに会話に一言挟んでいく。そうすると自分の話をちゃんと聞いてくれます。また、反応してくれるとわかれば相手は話してくれる内容は変わってきます。

仮説検証型と探索型を使い分ける

インタビューには仮説検証型と探索型の2種類があります。
前者の場合、ステークホルダーやデータ分析からユーザーの課題は何か仮説を立てて検証するためにインタビューを行います。(最近話題のMixed Researchのメリットはここの精度がより上がることが考えられます)
後者の場合、製品を利用しようと思ったきっかけ〜利用までの流れを聞き、コンテキストを明確化するためにインタビューを行います。また、人の行動とは、コンテキストによる影響→モチベーションの発生→目的の認識(目的はIdeal,Be goal,Do goalの3つのレイヤーに分かれます)→Jobを雇用する→課題が発生する⇆Jobを再雇用する、という順番で決まるので、始めのコンテキストを理解することが大切です。

質問内容は決めすぎない

事前調査は最低限にして知らない知識の余白を残しておくと、会話の中で自分自身が興味を持って聞くことができます。相手が注力していることに関心を向けることで、相手の心は開いていってくれます。

そのため、事前テーマには固執しないことを意識しています。相手を観察して気持ちに寄り添い、相槌を打ちながら話を引き出す、段取りを完全に決めず、会話の中で面白く重要だと思ったことを深堀りすることを大切にしています。

また、聞きたいテーマを3つくらいに絞り、質問は1つだけ用意しておきます。自分は探索型の場合、「製品を使おうを思ったきっかけを教えてください」のみ用意しています。そこから、頭の中で短編映画が描いていくために5W1Hの質問を繰り返してストーリーを作っていきコンテキストを明確化していきます。質問への答えに対して何か疑問を持って次の質問をする、それを繰り返す。このチェーンのようなやり取りをすることが大事です。

反対に、質問数を多く用意すると返答内容への深堀が出来ないのでどうしても浅いインタビューになってしまうパターンが多いです。仮説検証型でも探索型でも、質問数を最小限に絞ってインタビューを行うことで質の良い示唆を得ることができます。

会話の最低限のマナーを理解する

先ほど記載したように、インタビューとは人と人とのコミュニケーションであり心の距離感を縮めることが重要です。そのため、初対面の人への近づき方に気を付ける、相手の目の高さを合わせて目を見て話をきく、安易に「わかります」とは言わない、知ったかぶりをしない、相手の会話のテンポを大事にする、相手に合わせて服を選ぶ、など最低限のマナーは理解しておくことがおすすめです。

相手に本音を語ってもらうコツ

相手に本音を語ってもらうには、最初の趣旨説明のときにどのように話してほしいのか説明すると、相手も本音で話そうと思ってくれます。ちなみに自分は所々で相手に下記を伝えるようにしています。

・理路騒然としていなくても大丈夫です、普段通りの言葉を知りたいです。
・わからないときはわからないとか、ピンとこないとか言ってくださいね。それも大事な情報なので。
・一般的には、とか普通は、とかよりも、〇〇さん自身が感じている個人的な意見を聞かせてください。
・あえて悪いことを言わなきゃとか、良いことを積極的に言おうとか、考えなくても大丈夫ですよ
・思ったまま、頭に浮かんだまま喋ってください

本音を聞き出すポイント

上記と合わせて、下記を意識しながら質問をするとスムーズにコミュニケーションをすることができ本音に迫る質問をすることができます。

相槌と頷きをする
相手からの質問は容易に答えない

質問されたら「といいますと?」と言って会話を引き出す
語尾が濁っていたら追求する
「…なんですけど、なんですか?」「…とおっしゃいますと?」など
仮説と異なる答えが返ってきて疑わしいとき
「〇〇という人がいたのですがあなたはどうですか?」と聞くと、インタビューの意図を知られずに本音を答えてもらえる

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