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美味しいものの話。

先日、とても美味しい豚カツを頂いた。

これがその豚カツ。定食。🐷💦
「あぁ、なんて美味しいのか」
と舌鼓を打っていると、
「ここらじゃ、これくらいの肉が普通やぞ」
と友人が言うものだから、なんて豊かで恵まれたことかと思った。
なんでも、ここで取れた肉はほとんどが都内に出荷されるらしい。なるほどとても良い肉だ。そしてそれ以外は地産地消というわけか。

これはつけ麺。おいしい。

美味しいものは上げればキリがない。
ところで、どうして人間は美味しいものを食べたくなるのだろうか。
生きていくためであるなら、ここまで種々様々なものを食べる必要はないんじゃないだろうか。
まして、料理ともなれば尚更訳がわからない。

つまるところ、人間は味覚という感覚、感性に重きを置く生きものということか。
これを食文化といいます🧐
なるほど。と一人で納得してしまう。

さらに食の好みは人それぞれというからこれがまた面白い。

これは台湾で食べたダチョウの肉。
加工写真。
友人が
「会社の先輩に教えてもらった最高の肉を食わせてくれる店があんだよ」
と言うので探しあてた店の1番人気。
味は忘れた。鴨に近かった気がする。
友達はひと口食べた瞬間大絶賛していた。
しかし、私は友人の気持ちを裏切るような言葉を吐いてしまった。
「昼に食べたチャーハンの方がおいしいなぁ」
「は?」
友人は本当に美味しそうに食べていたし、自分が紹介した店ということもあって自慢げにかつ自信たっぷりの表情でダチョウを食べていた。
それを適当な屋台のチャーハンに劣ると言われては機嫌が悪くなるのもしょうがない。ダチョウ肉とチャーハンを比べるのも如何なものか。私は悪いことをしたなと1人反省した。
宿までの帰り道、友人はヘソを曲げたままで一言も話してはくれなかった。
私は正直に自分の思ったことを言っただけだ。そこまで怒ることないじゃないか。と私もムキになっていた。

電車を乗り継ぎ、宿のある台北という町に戻ると、友人は宿の近くの公園にズカズカと踏み入っていく。踏まれた芝生にくっきりと足跡が残っている。
ベンチに腰を下ろすと友人はタバコに火をつけた。外灯の明かりが煙でかすむ。
私は友人の横で謝ったほうがいいのかと思い始めていた。
すると、友人は煙を私の顔に吹きかけた。
「なにすんねん」
私は目を閉じながら、吹きつけられた煙を手で払った。少し咳が出て喉が苦しくなる。
友人はニカッと笑いながら
「明日なに食いに行く?」
と言うので、私は思わず笑ってしまった。

食べものは人の機嫌を変えてしまう。
みんなが同じものを求めるわけではない。
しかし誰もがより美味しいものを追及する。

豚カツを食べながら、みんなご飯にうるさいなぁと思っていた話。

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