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DUNE2、それはどじょう掬い

『DUNE/砂の惑星 part2』を鑑賞。

来週3/15から公開だが、昨日テレビを観ているとCMが流れていて、先行上映決定!の文字が目に入り、なぁにぃ!とばかりに私は急いで先行上映の情報を調べた。
すると、なんと全国11館の映画館、その中に京都のTOHOシネマズ二条の名が!私はすぐさま座席を取り、本日、行ってきたのだ。
レイトショーで1,500円、IMAX料金が加わり2,100円である。

IMAX。無論、IMAXで観なければならない。何故ならば、『DUNE』はそのようにサウンド、画面レイアウトのデザインが施されているからであり、お家の小さい画面やPCモニターではそれは堪能できない。在り来りの貴種流離譚物語、神話がDUNEであり、原作も古いので、最早現代的ではないが、然し、その世界に没頭できるのなら話は別である。
これは映画館で、劇場で観るべき作品であり、まぁ、よく、映画館で観ると、60点くらいの映画でも75点くらいの満足度になるが、DUNEの場合は基本60点でも、劇場なら75点、IMAXなら85点くらいの満足度になるので、やはりこれはもう、劇場で観るべきだ。
今回、入りは4割ほどだったが、外国人の方が多い印象を受けた。

で、もう普通にネタバレをしていくが、今作は第2部なので、完全に前作の続きから始まるのだが、前作は2時間半くらいあって、今作も2時間45分くらいある。まぁ、長過ぎるわけで、最近観た『ボーはおそれている』も3時間あったし、観たかった『落下の解剖学』も2時間半くらいあって、時間が合わずに観られなかった。
映画は長ければいいってもんじゃないのよ。
で、今作、ヴィルヌーヴ、またまた端正に映画を撮ってる。非常に整理された物語運び、なんだけれども、所々編集が雑、いや、繋ぎ方が雑なような気がして、今何をしているのか、こいつらの位置関係や行動原理がわかりにくいねん、となること屡々であった。予言が今作の鍵、キーとなるのだが、その予言が小出しに展開ごとに出されるので、唐突さもあり、うーん、演出が上手くいっていないような。
然し、これがヴィルヌーヴじゃなければ、もっと見辛いことになっていただろう。
やはりヴィルヌーヴは世界観を立体的に描くのに長けているし、今作はレイアウトがいちいち決まっていて美しいし、然し、背景の星星の使い方など少し狙いすぎていて、そこが鼻につく。
相変わらずアクション演出が下手なヴィルヌーヴ。これは、同様にクリストファー・ノーランも下手だが、然し、巨大宇宙船やガジェットにより大破壊のシーンは見ごたえがある。それもこれもIMAXのお陰だよ、まじで。

今作、中盤でジョシュ・ブローリン演じるガーニィの再登場、変な楽器を弾きながら落ちぶれた感じで登場する歴戦の勇士、やっぱりブローリンはいいなぁ、いいなぁ。なんか妙に髪が脂ぎっててぺたっとしていてね。もうブローリンが観られただけで十分。

前作はハルコンネン家に滅ぼされるアトレイデス家という完全にヤラレ役であったが、今作は反撃編である。なので、最後は面白いくらいにオラオラ〜!ポールが通るぞ!ってな感じでデストラクション、デストラクション、またデストラクション。そんな感じで、最終的には皇帝陛下を跪かせるわけで、これはもう、そういうスカッとジャパン的な展開が好きな人は大好きなんじゃないカナ。

まぁ、ぶっちゃけポール側よりもハルコンネン家界隈の方が観ていておもしろいんだよね。そのハルコンネン家の次期男爵と目されるオースティン・バトラー演じるフェイド=ラウサがその残虐性を見せるシーン、彼のお誕生日会で行われる東京ドームばりに聴衆満員で行われるコロシアムでの決闘で、アトレイデス家の捕虜の戦士3人を相手取る!なんだけど、ここでそのうちの1人の人がめちゃくちゃ強くて、多分弱ってなかったら1番強いだろってくらい強いので、なんかフェイド=ラウサもいきなりケチ付いたなぁ、と思っていたら、今度は『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』でも脱ぎ散らかしていたレア・セドゥの色仕掛けにまんまとハマるわ、小物臭が凄い。

今回はポールもサンドワームを乗りこなしたり、フェイド=ラウサとのデュエルをしたりと、頑張っていたが、1作目では美しかったレベッカ・ファーガソンが毒親感満載で、すごい嫌な感じ。ベネ・ゲセリット同士の醜い女の覇権争いみたいで、いやぁな感じになっちゃって。

フローレンス・ピュー演じる皇帝の娘イルーラン姫は良かった。衣装も1番良かったね。アラキスの衣装が基本中東系で美しいのだけれど、皇帝家のデザインはまた違った感じでよかったなぁ。セットもキレイだったしね。なんか白とか銀とか緑の色合いでね。フローレンス・ピューの冷たい瞳も良かったなぁ。ああいう目、好きだなぁ。

そんなこんなの『DUNE』だが、まぁ、第2部なので、まだまだ続くぞって感じで終了するのだが、ヴィルヌーヴは3作目まではやる気満々であり、先週末に8000万ドル稼いだわけで、間違いなくPART3は制作にGOが出るだろう。ただ、まだ脚本を書いている途中らしく、確かヴィルヌーヴはアーサー・C・クラークの『宇宙のランデヴー』は撮るはずなので、早くても2026年末とか2027年くらいじゃなかろうか。

間違いなく映画館で観なければならない映画だが、まぁ、ぶっちゃけると、個人的にはそこまで良い映画ではなかったかな……。なんというか、貴種流離譚物語っていうのは、基本フォーマットも決まっているし、そこに新鮮味はないわけで、やはりデザインされた音と画面を楽しむ、体感を楽しむ為の映画といえるだろうが、それにしてはやはり長いし、体感も長すぎるとダレてくる。

作中、1番面白かったのは、実はミニサンドワームを捕まえて生命の水を取るどじょう掬いシーン、これはねぇ、なんか映像的、美的、演技的快楽に溢れていたなぁ。

あ、そういえば、ポールの妹役がアニャ・テイラー=ジョイだったんだな、『フュリオサ』が楽しみだ。

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