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読まない書評家 ケンジントン公園について

と、いうのもありではなかろうか。いや、ねーし、というのは置いといて……。

私には好きな漫画があって、それはこの前に書いたのだが、『描かない漫画家』というえりちんの漫画である。

描かない漫画家、器根田刃先生はとにかく漫画を描かないが、ゆくゆくは少年ダンプで人気NO1の作家になり、作品はアニメ化、映画化とされる、そんな漫画王になる予定で、今日も今日とて、ブログに自分の活躍や、現在の漫画界を憂う記事をせっせと投稿している……のだが、この作品は、そんな先生を愛でる漫画である。

それに倣って、私も読まない書評家になろうかと……というのは冗談だが、まあ『ケンジントン公園』である。

この本は『本の雑誌』の書評コーナーに載っていて、すごく気になっていた。
小さな書店には置いていなくて、大型の書店でようやく見かけた。2冊ほど。心が踊るとはこのことだ。早速手に取り表紙を見ると、ああ、素敵なデザインだなぁと装丁の良さに惚れ惚れ、帯には『書くことは、きっとすごい冒険だぞ』と、名惹句。
無論、購入を考えたが、なんと価格は4620円税込也。うわ、高けぇな……。私は、古書で自分の欲しい焦がれた本が出現したのならば、十万、場合によっては百万だろうと金策は二の次でつぎ込む者である。然し、新刊にはめっぽう厳しくて、2000円が限度である……。そういえば昔、みすず書房から発売されたアラン・ムーアの『フロム・ヘル』上下巻を買った時も逡巡したものだ。2冊で8000円くらいしたのである。濃厚な本だし、それもいと仕方なしかと購入したが……。って今見たらAmazonで500円やて〜!?

てな感じで、今回も逡巡の挙げ句、購入を見送った。欲しい大物が控えているため、ここで戦力を使うのは得策ではない。モラウさんならば連戦でも行けるだろうが、あいにく私はモタリケなのである……。

さて、なので、せっかくSNSをやっているのだから、ここで書いておくのも良いかなと思い、読まない書評に臨んでいる。まぁ、書評というよりも本の紹介である。

アルゼンチンの作家ロドリゴ・フレサンの作品で、私は不勉強なのでこの作家のことは識らなかった。テーマは『永遠の少年』について。つまりはピーター・パン、ジェームズ・バリー卿を書いた本で、相当の蘊蓄が山のように紡がれた奇書のようである。うーん、読みたい、けれど、高い!

ピーター・パンと言えば、東京ディズニーシーに新エリアができるという。あの、世界で1番有名な永遠の少年はディズニーは人気だが、他の実写映画化では上手くいかないのは何故なのか…。
2004年くらいにも映画化されていた。あの頃は空前のファンタジー映画ブームだったが、2009年くらいにはバブルは完全に弾けていた。そして、2012年の『アベンジャーズ』の鬼ヒットに至る道程を、マーベルはこつこつと積み上げていたのである。

とにかく、こういう世間的に有名ではない文学者、それも海外文学は少部数で、なかなか大変である。単価も高くならざるを得ないが、然し、高くても出したいという役者、編集者、出版社を動かした本なのだろう。 私は、今は『ケンジントン公園』を買えないが……、ここで、こういう本が発売されているよ!と紹介したいのだ。何よりも、とても美しい本なので、書棚にほしいところだが……。
もし、財布に出かける予定のない樋口一葉が眠っている方は、起こして差し上げて、永遠の少年を一緒に買いに行くのはいかがか。

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