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もう、騙されない。

本年、6月22日にPS5にて『FF16』が発売される。

私は、イマイチ、この『FF16』に期待を抱けないでいる。
と、いうのも、そもそもゲーム自体を苦痛に感じており、前作の『FF15』はクリアしたが、あれは紛うことなきクソゲーだったので、最早期待など抱けるはずがない。
そして、まず、私はPS5を持っていない。あれは誰が持っているんだ?

『FF13』が2009年に発売されたとき、私はなんだかんだで期待袋をパンパンに膨らませていた。そう、スクウェア・エニックス(スクウェア)はトレイラーを作るのが巧すぎるのである。

『FF13』のファイナルトレーラーは何度観てもいい。期待せざるを得ない。
美女や美少女、イケメンや美少年たちが様々な苦悩や胸の内を吐露し合って、結束した後運命に立ち向かうのである。
こんなの、JRPGで育った世代には期待せずとも無理、という話であるが、
冷静に考えると、陳腐な台詞の応酬であり、実際のプレイ画面は全然映されない。
然し、これはトレーラーを作る上で大変勉強になる予告編だ。

名曲『君がいるから』が良すぎて、何故かゲーム内容までいいものだと錯覚してしまう……。予告編の常套手段である。

冷静に考えると、物語とはいうのは類型があり、『FF』もその例に漏れない。
基本的には、まずは現状の問題を解決しながら物語を進めていき、その過程で仲間が集っていく。そうして、実は世界を滅ぼそうとかそういう野望を持つ黒幕がいて、それと闘うための過程において、主人公は大切な何かを失い、自暴自棄になったりする。初めは、主人公が仲間たちを助けるが、最後には助けられて、最後の決戦に赴くわけだ。

基本的に、『FF』のラスボスは自滅と言うか、破壊願望が強いので、世界を無にしたがるが、主人公たちはマイホームを壊されるとおかえり、ただいま、が出来なくなるので全力で闘うわけだ。
大体、中盤で1発、後半でもう1発、でかい出来事がパーティメンバーを襲うことになり、これを克服し、結束を高めて、なんか何人かはいい感じになっていたりする。

この、JRPGによくあるフォーマットは、私だって好きである。然し、最近はなんかその話運びが雑だったり、そっちに行って欲しくないんだけどなぁ……という方向性に舵を切り、残念仕切り。

ゲームではないが、横山秀夫氏の小説『クライマーズ・ハイ』の映画の予告編も、この『FF13』のトレーラーばりに私の期待袋をパンパンに膨らませたが、実際には、仕事はダブルチェックが大事やで!的な話であり、感動的なストーリーはそんなになかった。なんだい!これなら『沈まぬ太陽』の第3部の御巣鷹山編の方がよっぽど真摯でいい話だったよ!
然し、予告編では非常に感動的なヒューマンスペクタルを期待させるのである。
これ全て、歌曲の力である。
予告とは、歌曲の力で変わるもの也、ということである。
元ちとせさんの名曲『蛍星』を背景に流せば、大抵の映画は傑作に思わせられるのだ。


これは、先の『FF』のコンポーザーの植松伸夫氏も語っていたが、音楽は数分で感情をピークにまで持っていく媒体であると、映画には映画の、小説には小説の、俳句には俳句の、それぞれの媒体にはそれぞれの媒体に、感情をピークに持っていくまでに要する時間が必要である。
だからこそ、音楽と予告編は切っても切れない縁なのである。それぞれ、わずか数分間で観客の感情をピークに持っていかなければならない。

『FF16』は復讐の物語であるという。昨今、『FF』は召喚獣というものばかりが作品の核に埋め込まれてしまっていて、まずはそれを棄てたほうが良くないか?と思うこと頻りであるが、今作ではドミナントと呼ばれる人柱的なキャラクターが各国に一人いて、彼らが何かを犠牲にしながらその肉体を召喚獣に変えて闘うのだという。
これは、召喚獣が極めて作中と切り離せないワードになってしまっていて、不安である。
そして、かつて初心者用召喚獣だったイフリートが『FF15』でも偉そうになっていたが、今作でもキーパーソン的になっている。
かわゆいショタキャラのジョシュアという弟を殺された?兄の復讐劇だが、主人公はかっこいいが、各国の召喚獣、全員死刑に処す、ってな感じで殺しまくる話になるのかしら。

然し、この『FF16』も、昨年の『機動戦士ガンダム/ククルス・ドアンの島』の主題歌である、森口博子さんの歌を背景に流したら、絶対にまた私は騙されてしまうだろう。
なんか決意的なシーンからPVが始まって、色々なキャラクターが核心に近いことや葛藤を吐露してね、そして曲が盛り上がってきたら戦闘シーンバリバリ入れてね、最後にはピカーンってロゴが出るわけですよ。


予告編は騙すのが正義であり、お客の財布を開かせるのが仕事であるから。

吟遊詩人は、唄いながら物語を語る。音楽は物語である。で、あるから、予告編とは、歌のようなものなのである。

弟のジョシュアはフェニックスのドミナントだという。
なので、私の予想(妄想)では最終決戦にはこうなると見た!

最後の炎が柳っていうのがいいよねー。なんか構図も似ているし。

然し、なんだかんだで気になる存在なのだ、『FF』は。
復讐劇、というのは魂の救済が必要となるが、どのような物語になるのだろうか、国に利用されるドミナントという存在の運命の物語には、非常に興味があるが……。

いい意味で騙して欲しいー!







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