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未完の超大作

この世には、未完成の超大作というものが多数存在する。

それは企画段階で頓挫したり、撮影途中で中断したりと様々である。例えば、私はスティーブン・スピルバーグの『ロボポカリプス』に大期待をしていたが、これは完全に凍結しているし、ニール・ブロムカンプの『エイリアン5』も『ロボコップ』のリブートのリブートも頓挫している。無論、『ホドロフスキーのDUNE』とかもあるし、それは、下記の本を読めば色々わかるので、興味のある方は読んでいただきたい。


そして、そのうちの1本がパイロット版は公開された『KUMAGUSU』であるが、これは山本政志監督の未完の超大作である。

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山本政志監督は、『てなもんやコネクション』や『闇のカーニバル』、『ロビンソンの庭』などで名を馳せた監督だが、『KUMAGUSU』は今から30年ほど前に撮影はされたが、資金難などで凍結している。然し、これはまだ凍結状態であり、解凍する予定だという。
主演は町田康。若かりし頃の町田康は熊楠に似ている。

南方熊楠は菌類に関することで有名だが、彼は凄まじい巨人として君臨している。そして、彼は同性愛の人である。

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彼は、28歳の時にお坊さんに対して、「私はまだ女と性交渉を持ったことがございません。」といい、大層驚かれている。
彼はその方面にも詳しく、まぁ、なんというか三島由紀夫や江戸川乱歩もそうであるが、同性愛の人は美しい耽美的な作品を書くものである。そして、童貞であることも重要である。童貞の想像力は半端ないということだ。童貞ではないヤリチンで美しい作品を書く人間はいない(のか?)
何故ならば、同性愛であっても、異性愛であっても手に入れることが困難な対象であるからこそ、空想は現実を超えていくのであって、すぐとそれが手に入れば(或いはそれに苦悩が伴わなければ)、ただの日常に堕ちるからである。

私は、この『KUMAGUSU』は観てはいないのだが、撮影はとても美しく、既に数億円かけていると聞き、観たくてたまらない。
そういう、観たくてたまらない映画、というのはこの世界にはたくさんある。例えば、『ガキ帝国/悪たれ戦争』とかも非常に観たいのだが、これは既にフィルムがジャンクされていたりとかで、観ることは不可能(然し、最近上映のための動きなども活発である)であったり、松井良彦監督の『錆びた缶空』とかも観たい。


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秘められた映画というのは兎角気になるものなのである…。

『KUMAGUSU』が完成するかは不明だが、山本監督の冒険心、挑戦心というものはいい。


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