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【徒然草 現代語訳】第八十一段

神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。


原文

屏風、障子などの絵も文字も、かたくななる筆やうしてかきたるが見にくきよりも、宿のあるじのつたなく覚ゆるなり。
大方も持てる調度にても、心おとりせらるることはありぬべし。さのみよき物を持つべしとにもあらず。損ぜざらんためとて品なくみにくきさまにしなし、めづらしからむとて用なきことどもしそへ、わづらはしく好みなせるをいふなり。古めかしきやうにて、いたくことごとしからず、費もなくて、物がらのよきがよきなり。

翻訳

屏風や障子の絵や文字が下手くそなのは、みっともないばかりでなく、持ち主自身が審美眼の欠片も持ち合わせていないのが丸わかりになる。
大体において所有している調度品を見ただけで、一目瞭然、ああこいつセンスねぇなと思うことがままあるんじゃなかろうか。だからと云って、なにも一級品を持っていなくちゃならんというわけでもない。破損を怖れるあまり、下品で仰々しい仕立てにしたり、珍品というだけで無用な飾り付けをしたり、要するにトゥマッチな趣向を凝らしている、そこが問題であると云いたい。古色があり、さほど大袈裟なものでなしに、手頃で品のいいのが望ましい。

註釈



お客さんの悪口云いたくないんですが、骨董好きの方の中にはこのタイプの方が多いですね。

追記

犬に犬種自慢の方が多いのに比して、猫の方は少ないように思えます(贔屓目)。

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