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株式会社リクルートホールディングスは、東京駅八重洲南口直結の 「グラントウキョウサウス…

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株式会社リクルートホールディングスは、東京駅八重洲南口直結の 「グラントウキョウサウスタワー」1階に 2023年9月、アートセンターを新しくオープンします。BUG Art Awardや、展覧会・イベントを開催します。

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  • 🐛スタッフによる不定期コラム🐛

    BUGのスタッフたちが仕事をするなかで気になった本や、日頃思っていること、仲間がつくった展覧会のピアレビューやレポートなど、つらつらと書き連ねる不定期連載シリーズ。

最近の記事

🍁スタッフ不定期コラム🍁 展覧会レビュー「Nerhol 水平線を捲る」

千葉市美術館で2024年9月6日(金)〜11月4日(月)まで開催中の「Nerhol 水平線を捲る」。本展覧会は、Nerholにとって初となる美術館での個展である。 Nerholは今年で結成17年目。グラフィックデザインを行う田中義久と、紙や文字を素材に彫刻をする飯田竜太によるアーティストデュオである。近年では「Beyond the Way」(レオノーラ・キャリントン美術館、メキシコ、2024 年)、「Tenjin, Mume, Nusa」(太宰府天満宮宝物殿、福岡、202

    • 🐜スタッフ不定期コラム🐜BUGを支えるスタッフのこと。

      2023年9月20日にオープンしたBUGは、無事に1年の節目を迎えることができた。東京駅八重洲南口徒歩3分の好立地とはいえ無名のアートセンターであったBUGに、1年で13,000人以上の方々に足を運んでいただけた。この結果は正直1年前には想定していなかった。当初の私の思惑は、閉館した銀座の2つのギャラリーに比較して立地は抜群、外堀通りの広い歩道沿いで外から中が良よく見えるビル1階にあるのだから、通りがかりの方々が「ちょっと気になって」と気軽に立ち寄っていただけるに違いないと思

      • 🐝スタッフ不定期コラム🐝 三島喜美代展レビュー「三島がまなざしたのはどのような社会だったのか」

          2024年5月19日から7月7日まで練馬区立美術館にて、「三島喜美代―未来への記憶」展が開催された。都内の美術館で三島(1932-2024)の個展を行うのは初めてということもあり、初期作から晩年に至るまでの70年を概観する内容であった。会場は4章で構成され、章ごとに作品のメディウムやモチーフ、サイズの変遷するさまが見て取れる。70点もの作品が展示された本展は見どころが多かったが、一方で、全体を貫くテーマや意図が見えにくい展覧会ではあった。   そこで今回は、三島の作品の変

        • 🍓スタッフ不定期コラム🍓展覧会レビュー「レイクサイドスペシフィック!—夏休みの美術館観察」

          昨年末、BUGで開催した展覧会「バグスクール:うごかしてみる!」の出展アーティストである光岡幸一さんと、今年の12月から開催する「バグスクール2024:野性の都市」出展アーティストのトモトシさんが展示をしている、「レイクサイドスペシフィック!—夏休みの美術館観察」を千葉県の市原湖畔美術館で鑑賞した。 2024年7月20日(土)〜9月23日(月・祝)に開催された「レイクサイドスペシフィック!—夏休みの美術館観察」は、建築空間・周辺環境から着想を得た作品や展開方法を「レイクサイ

        🍁スタッフ不定期コラム🍁 展覧会レビュー「Nerhol 水平線を捲る」

        • 🐜スタッフ不定期コラム🐜BUGを支えるスタッフのこと。

        • 🐝スタッフ不定期コラム🐝 三島喜美代展レビュー「三島がまなざしたのはどのような社会だったのか」

        • 🍓スタッフ不定期コラム🍓展覧会レビュー「レイクサイドスペシフィック!—夏休みの美術館観察」

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        • 🐛スタッフによる不定期コラム🐛
          18本

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          🐞スタッフ不定期コラム🐞「文字を打ち込むことについて 」

          BUGで働き始めてから、メンバー向けに二度文章の書き方についてのレクチャーを行った。このリレーコラムもライティングスキル向上のための一環であった。Noteのような自由に書ける場において、スキルと個性を切り分けて、スキルというもののみを測ることは難しいが、少なくとも、テキストを書くことに慣れたはずである。 誰もが文章を書くことができると思っている。本当はそんなことないはずだ。同じ日本語を使っていても、話すことと書くことは結構違う。けれども、それは文法が違うとか、方言を使わないと

          🐞スタッフ不定期コラム🐞「文字を打ち込むことについて 」

          🍇スタッフ不定期コラム🍇第2回バグ展裏話&ファイナリスト紹介

          2024年9月25日(水)、BUGにて9つ目となる展覧会「第2回BUG Art Award ファイナリスト展」が開催となりました。展覧会の開催に向けては、私が以前noteに投稿したスタッフ不定期コラム”第2回バグ展 ファイナリスト決定から展覧会開催まで“をお読みいただければと思いますが、今回は、バグ展準備の裏側をもう少し深掘りした形でお届けします。 ファイナリスト決定後すぐに行われるファイナリスト同士での展示位置決めの話し合いは、バグ展の準備には欠かせないイベントです。単な

          🍇スタッフ不定期コラム🍇第2回バグ展裏話&ファイナリスト紹介

          🍊スタッフ不定期コラム🍊【見学レポート】〜オフセット印刷工場編〜

          BUGのスタッフたちが仕事をするなかで気になった本や、日頃思っていること、仲間がつくった展覧会のピアレビューやレポートなど、つらつらと書き連ねる不定期連載シリーズ。今回は石井貴子さんの執筆した【見学レポート】〜オフセット印刷工場編〜です! オフセット印刷は、短時間かつ高精細な印刷物を大量生産することが可能であり、商業印刷の中では最もポピュラーな印刷手法です。私たちが普段手にするチラシや書籍のほとんどはオフセット印刷が用いられています。 オフセット印刷は、印刷データに応じた

          🍊スタッフ不定期コラム🍊【見学レポート】〜オフセット印刷工場編〜

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「企画は続くよ、どこまでも―企画者であり続けるための仕事考」(講師:若林朋子)【後編】

          前編はこちらから! 企画を回し続けるために:予算のこと 企画を回し続けるために大事なのが予算。予算を考えるにあたっては、「誰に向けて企画するか」が鍵である。例えば「支援者に自分の活動を報告したい」のであれば、どのような支援者に何の目的で伝えたいのかと解像度を上げていく。不特定多数の支援者か、協賛企業か、活動のサポーターか、クラウドファンディングの寄付者か。助成金の申請書か、年会費の更新依頼のためなのか。助成申請であれば、公的支援と民間支援、さらに国と自治体、企業と市民に分

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「企画は続くよ、どこまでも―企画者であり続けるための仕事考」(講師:若林朋子)【後編】

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「企画は続くよ、どこまでも―企画者であり続けるための仕事考」(講師:若林朋子)【前編】

          若林さんは現在、主にフリーランスのプロジェクト・コーディネーターとして、さまざまな相談事に対応する仕事をしている。行政や文化機関、芸術関係者、アートNPOなどをつなぐ架け橋になることが目標だという。もう一つの顔として、社会人対応大学院である立教大学社会デザイン研究科の教員でもある。1999年から2013年までは、企業メセナ協議会に所属し、企業が行う文化活動の推進と芸術文化支援の環境整備に従事。在職中はトヨタのアートマネジメント総合情報サイト「ネットTAM」の立ち上げと運営にも

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「企画は続くよ、どこまでも―企画者であり続けるための仕事考」(講師:若林朋子)【前編】

          【キャラクター・マトリクス展関連イベント】出展アーティスト6名によるトーク

          アートセンターBUGにて、2024/8/30(金)~9/16(祝・月)に開催した「キャラクター・マトリクス」展の関連イベントとして、出展アーティスト6名によるトークイベントを行いました。今回はそのトークの内容をレポートでお届けします! スタッフ:本日はお集まりいただきありがとうございます。今回は、アーティストのみなさんに出展されている作品の紹介や、展示してみての感想をお伺いするトークにしていきます。まず、それぞれの自己紹介をそれぞれお願いします。 たかくら:よろしくお願い

          【キャラクター・マトリクス展関連イベント】出展アーティスト6名によるトーク

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「決める係、会うことの自由形」(講師:和田ながら)【後編】

          前編はこちらから! 「決める」≒「演出家」≒「企画者」 演出家=決める係、として話してきました。しかし、「決める」という機能はどこかに必要ですが、それが演出家でなければならない、ということではない。演劇にとって俳優は欠かすことのできない存在ですが、演出家は居なくても演劇はできると思います。だから「決める係」を他の職能、例えば俳優が担ってもいいのです。演出家がいなければ別の人がやる。あるいは個人が担うのではなく、コレクティブが決める行為を行う可能性もあり得る。演劇のスタンダ

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「決める係、会うことの自由形」(講師:和田ながら)【後編】

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「決める係、会うことの自由形」(講師:和田ながら)【前編】

          「演出家」とは「決める係」なのかもしれない、という思いから付けられた「決める係、会うことの自由形」というレクチャータイトル。「決める」をキーワードにして「企画者」とはどのようなものかを探る。 和田ながらさんのこれまでの活動 和田さんの演出家活動の特徴のひとつは、舞台芸術以外の分野を専門にしているアーティストらと、共同作業をして演劇作品を作るというプロジェクトに多く取り組んできたこと。専門にしている分野で、作品を作る方法論は違ってくる。その感覚を探り合いながら制作することは

          🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「決める係、会うことの自由形」(講師:和田ながら)【前編】

          🍉スタッフ不定期コラム🍉【社内勉強会レポート】ゲスト百瀬文さん「イスラエルによるジェノサイドに対してのアクションについて」

           BUGのスタッフは、企画力の向上と多様な知識の獲得を目的に、もちまわりで社内勉強会を主催している。5月は私がアーティストの百瀬文さんをお招きし、パレスチナでおこっているジェノサイドに関してまなびを深めた。 百瀬さんへの依頼理由   私がイスラエルによるジェノサイドをきちんと認識したのは、恥ずかしながら10.7以降である。そこから、書籍や映画を通じて学びを深め、デモに参加したり、パブコメの投稿や募金を行いはじめた。そうして日々情報を集めるなかで、百瀬さんの活動や発信がよく

          🍉スタッフ不定期コラム🍉【社内勉強会レポート】ゲスト百瀬文さん「イスラエルによるジェノサイドに対してのアクションについて」

          🪻スタッフ不定期コラム🪻第2回バグ展 ファイナリスト決定から展覧会開催まで

          BUGの定例企画のひとつであるBUG Art Award。2024年6月に実施した二次審査で、ファイナリスト6名が決定しました。6名は、9/25(水)から始まる「バグ展」(正式名称は「第2回BUG Art Award ファイナリスト展」ですが、長いので“バグ展”で覚えてくださいね。)でグループ展を行い、会期中の最終審査でグランプリ1名を決定します。 バグ展に向けてファイナリスト6名は、①オンラインガイダンス ②展示位置決めの話し合い ③展示・設営のシミュレーションを行いなが

          🪻スタッフ不定期コラム🪻第2回バグ展 ファイナリスト決定から展覧会開催まで

          イベントレポート「借りた言葉を演じてみる」筒|tsu tsu×小林颯 ワークショップ

          アートセンターBUGで2024年6月28日から7月21日に開催した小林颯個展「ポリパロール」の関連イベントとして、実在の人物を取材して、演じる「ドキュメンタリーアクティング*」という手法で制作をする筒|tsu-tsuさんをお招きし、ワークショップを開催しました。   「よそ者(他者)」と「言葉」に関心を持つ小林颯さんは、自身の作品の中で、映像や詩、パフォーマンスといった手法を通して、どうしたら他者らしさが現れるか、日々挑戦されています。そこで、自分以外の人と、おしゃべりし演じ

          イベントレポート「借りた言葉を演じてみる」筒|tsu tsu×小林颯 ワークショップ

          🐞スタッフ不定期コラム🐞「岡野八代『ケアの倫理──フェミニズムの政治思想』を読んで 」

           仕事も、生きることも、理不尽なことが多くって「じゃあ、私の気持ちはどうなっちゃうの?」と思わされることが度々あるし、きっと、その気持ちを私に向けてきた人たちもいることだろう。ずっと小さいときから、人と人は支え合って生きていこうと言われてきたけれど、合理化のためなのか、道徳のためなのかはうやむやにされてきたような、「道徳の時間」にそういうことは言われてきたけれど、結局、合理的にものごとを成していくための合言葉になってしまったような気がしている。  そういったうやむやにされてき

          🐞スタッフ不定期コラム🐞「岡野八代『ケアの倫理──フェミニズムの政治思想』を読んで 」