🪻スタッフ不定期コラム🪻第2回バグ展　ファイナリスト決定から展覧会開催まで

BUGのスタッフたちが仕事をするなかで気になった本や、日頃思っていること、仲間がつくった展覧会のピアレビューやレポートなど、つらつらと書き連ねる不定期連載シリーズ。今回は片野可那恵さんの執筆した「第2回バグ展　ファイナリスト決定から展覧会開催まで」です！

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BUGの定例企画のひとつであるBUG Art Award。2024年6月に実施した二次審査で、ファイナリスト6名が決定しました。6名は、9/25（水）から始まる「バグ展」（正式名称は「第2回BUG Art Award ファイナリスト展」ですが、長いので“バグ展”で覚えてくださいね。）でグループ展を行い、会期中の最終審査でグランプリ1名を決定します。

バグ展に向けてファイナリスト6名は、①オンラインガイダンス ②展示位置決めの話し合い ③展示・設営のシミュレーションを行いながら、最終の展示プランを決定し、展示の準備を進めていきます。今回は、ファイナリストがバグ展開催までの間、BUGのスタッフと一緒に準備していることを紹介します。これからアワードへの応募を考えている方や、バグ展を応援いただいている方に、ぜひ読んでいただきたいです。

オンラインガイダンス（6/14実施）
ファイナリスト決定から4日後、オンラインで初めての顔合わせを行いました。このミーティングの目的のひとつに、バグ展に向けての契約書の読み合わせがあります。展示に向けて、アーティストが実施すること、スケジュール、制作費の支払い方法やルールについて、展覧会のアーカイブや展示作品の著作権関係など、全員で書面の読み合わせを行い、内容の不明点や質問などを確認してから、契約の締結に至ります。
制作活動歴の短いアーティストにとって、契約書はあまり馴染みのないものかもしれません。バグ展を通して、今後のアーティスト活動においても重要となる契約書の取り交わしを経験していただきたいと思っています。

展示位置決めの話し合い（6/19実施）
ガイダンスで顔合わせをした5日後、今度はBUGに、ファイナリスト6名が集合しました。はじめは緊張の面持ちだった6名も次第に打ち解けていき、和気藹々と話し合いが進んでいきました。
位置決めでは、最初にファイナリストそれぞれから自身の展示プラン、大事にしたい要素やどんな風に見せたいか、希望の展示位置等を伝え、それを踏まえて、6名が主体となって展示位置の議論を進めていきます。
この日に初めてお互いの展示プランを聞いたファイナリストたちは、「周辺に作品があるグループ展ということを考えると、もう少し高さを取れる場所の方が良いかもしれない。」「お客さんの動線を考えると、こっちの配置の方が良いのでは？」などと会話を繰り広げながら、どのようにすれば6名全員の作品が一番良く見えるかを考え、最終審査に向けてだけではなく、グループ展としても良いものにしたいという気持ちが感じられる時間でした。
またこの日には、インストーラーの小滝タケルさん（square4代表）にも同席いただきました。美術作家でもある小滝さんは、アーティストの気持ちに寄り添って実現したいことを丁寧にヒアリングしながら、安全で実現可能な設営方法や設営時にできそうな工夫などをアドバイスしていただき、ファイナリストたちも熱心に質問をしていました。

展示・設営のシミュレーション（7/23実施）
BUGの展示入れ替え期間に、希望者に向けて、展示・設営のシミュレーションができる機会を作っています。この日は3名のファイナリストがシミュレーションに参加しました。
実際に展示で使用予定のプロジェクターを持参して明るさや投影距離を確認したり、展示予定の作品の状態をBUGの広い空間で確認したり、展示予定の原寸サイズの作品に合わせた紙や木材を広げてみたりと、展示に向けての不安要素の解決に、シミュレーションの場を活用していました。
また、会期中10/8（火）に実施する最終審査に向けて、BUGスタッフによるプレゼンテーションのレクチャーも実施しました。「自分の言葉で、制作活動や作品について他者に伝えられるようになってほしい。今後も展示や助成金などの機会を得るために、言葉で相手を動かさなければいけない状況が発生する。そのための経験を積む場にしてほしい。」と、最終審査にプレゼンテーションを組み込んでいる理由をお伝えし、プレゼンへの備え方や緊張への対処方法など、プレゼンテーションに慣れていないアーティストたちに向けてのアドバイスを行いました。

BUG Art Awardでは、審査過程においてもアーティストが成長するためのサポートを行っています。今現在も、ファイナリストたちはバグ展に向けて、最高の展示となるように準備を重ねていただいています。9/25（水）からはじまるバグ展、みなさまのご来場をお待ちしています！

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このコラムを執筆したのは・・・・

片野可那恵（かたの かなえ）
北海道生。2019年、リクルートアートセンターに配属し、クリエイションギャラリーG8、ガーディアン・ガーデンでの展覧会運営やイベント企画、バックヤード管理業務等を担う。アートセンターBUGでの主な仕事には「BUG Art Award ファイナリスト展」（通称：バグ展）の運営など。3匹のチワワとほのぼの暮らしています🐶