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属人化した営業組織から抜け出したい時に読むnote

なぜ私がこのテーマについて語るのか

なかなかに壮大なテーマなので、私が語るに値するような者なのかを先にお伝えします。

私はBuffという会社の代表で、簡潔に言うと営業版ライザップのようなことをしております。様々な組織規模、業界の企業様に入らせていただき、3ヶ月で1人あたりの売上が3倍になった事例もあります。

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これからこのnoteに書く内容は今まで支援したすべての企業でおこなったことであり、成果に繋がった中核となるような概念です。
少し長いですが無駄なく書いたつもりなので、ぜひ最後まで御覧ください。


属人化した営業組織とは?なぜ抜け出すべきなのか?

営業の能力が10段階だとすれば「10の人もいるけど、2や3の人もいる」という組織が一般的かと思います。これが属人化された組織です。10の人頼みになっている状態ですね。

一方、属人化から抜け出した「全員が売れる営業組織」というものも存在します。先程の能力分布でいうと「10の人はいなくても良いが、全員が6から9に収まっている」というイメージです。

一般的な商材では個々人の売上の差はついても2~3倍程度なので、1人が頑張るよりも全員の水準が上がる方が総売上は高くなるのと、経営的にも1人頼みでなくなりリスクが減るので、基本的には全員が売れる営業組織を目指す方が良いと思います。


「全員が売れる営業組織」のメカニズム

さっそく属人化している組織と全員が売れる組織では何が違うのかを現場で起きている会話から紐解いていこうと思います。

まず属人的な組織では以下のような会話が行われていることが多いです。

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一方、全員が売れる営業組織ではこんな会話が行われています。

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ご覧いただいたとおり、2つの組織の違いは「売れる理由の分解度合い」です。前者では「売上」を分解しないまま話していますが、後者では「上長率」という要素について話しています。

その結果、前者では何も新たなアクションが生まれませんでしたが、後者ではアクションが生まれ、Aさんの上長率はこれから改善していきそうです。

このような会話が日常的に行われ、組織の水準が上がることで、全員が売れる営業組織になっていきます。この会話を生み出せるかどうかが肝です。


「全員が売れる営業組織」を作るための3ステップ

この会話が日常的に行われている組織を作るには以下の3ステップが必要です。

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先にざっくりお伝えすると、
① 見るべき数値を決めて、
② その数値の勝ち負けを瞬時に把握できる状態にして、
③ 改善アクションを決めるサイクルを作る。
という3ステップです。

順に詳しく解説していきます。


① KPI設計

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、要はKGI(ゴール)を達成するために必要な要素のことです。

KPIはゴールを達成するためにも役に立つのですが、チームで同じKPIを持つことは「共通の尺度ができる」という意味も持ちます。共通の尺度が生まれればチームメンバーに自分の課題を伝えやすくなり、また他の人の良いところも見えやすくなります。

例えば売上(KGI)はこのように分解できます。

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こうやって細かく分解できていると、例えば自分が「受注数が上がらない」という悩みを持っていても、「他の人と比べると上長率が低いな」とボトルネックを特定でき、「一番上長率が高い◯◯さんに聞いてみよう」というアクションに繋がります。


② スコアボード作成

KPIを置いたら、各KPIの状況を把握できるスコアボードを作りましょう。
このスコアボードの作り方が重要で、我々は以下の条件を満たすものをスコアボードと呼んでいます。

1. シンプル
2. 全員がすぐに見れる
3. KGIとKPIを記載
4. 勝ち負けが一目(5秒以内)でわかる
(『戦略を、実行できる組織、実行できない組織。』より引用&一部編集)

特に4つ目の「勝ち負けが一目(5秒以内)でわかる」というのが重要です。スコアボードの最大の効果はメンバーに「勝ちたい気持ちを起こさせる」ことです。

遊び半分で楽しくストリートバスケをしているところに、スコアボードを入れた途端、試合は白熱し始めます。

バスケの場合、5秒どころか1秒も見ている余裕はありません。点数を把握するのに30秒もかかるスコアボードなら試合が白熱することはないでしょう。

営業も同じで、今の自分のペースで目標達成できるのかを常に把握している必要があります。「このままだとこのKPI未達!」と気付くと「KPI良い人に教えてもらおう!」というアクションに繋がります。

実はこれはデータでも示されており、弊社のクライアント先でスコアボードを見ている回数が多い人ほど達成する可能性が高いということがわかっています。ある意味当然ですが、それほどスコアボードの効果は大きいです。


では具体的にどんなスコアボードが良いのか、一例として弊社が使っているスコアボードを公開します。

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※KPIや数値は実際のものではありません

実は既存のCRMのダッシュボード機能やスプレッドシートで頑張って作ろうしたのですが先程の4条件を満たすものが作れず、弊社やクライアント先では自作したスコアボードを使ってもらっています。(もちろん4条件が満たせるものなら何でも良いです。)

このスコアボードではKGIとKPIが左から順に並んでおり、必要な数値だけをシンプルに「実績/目標」という形式で表示しています。加えて、達成率を元に計算し未達ペースだと赤色、達成ペースだと緑色になるため、ひと目で勝ち負けが分かるようになっています。

このスコアボードツールはクライアント先以外にも提供しているので、ご利用したいという方がいればこちらからお問い合わせください。


③ 宣言/報告の場設定

スコアボードで勝ち負けが把握できるようになったら、スコアを改善するための定期ミーティングを設定しましょう。

このミーティングでは、スコアボードを見て「スコア改善のためにやることの宣言」と「その宣言したことの報告」を行います。朝会で宣言し、夕会で報告するというのがやりやすいです。

「上長率が良くないので◯◯さんからもらったスクリプトで今日は電話をします。3件は上長同席のアポを取ります。」というような宣言イメージです。そしてその結果を夕会で報告します。宣言により必達意識が高まるのが良いのと、ここで「じゃあ私もスクリプトあるからよければ参考にしてみて」と他の人にもアドバイスをもらえる可能性もあります。

週次でも日次でも良いですが、こういった緊張感のある場を定期的に持つことにより、改善のリズムが生まれます。

また副次的な効果として、スコアボードの視聴率が高い瞬間があることで、「みんなに見られるなら目標達成しておきたいな」や「あの人には負けたくない」などの感情が湧くことも多いです。

ひとつ注意点としては「詰める場」ではない、ということです。緊張感はあるがあくまで「達成に向けた場」であることが重要だと思っています。

・宣言してたことを達成したら全員で喜ぶ
・未達の時はサムい空気は出していいけど詰める必要はない
・詰めるのではなく、どうすれば達成できるかを一緒に考える
・リーダーが一番率先垂範する

等などを意識していただければ良い場になるのではないかと思います。


まとめ

まとめるとこうです。

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最後に

過去クライアント先の営業マネージャの方が言っていて良いなと思った言葉を紹介します。

「目標は達成するために置くもの」

これを言った彼はその月の半ばにチーム目標の達成が見えたのでなんと目標の上方修正を宣言し、修正後の目標に対して数十円ギリギリ上回って達成しました。ちょっとバケモンですよね笑

これが出来たのは、まさに売上をKPIに分解し、科学出来ているが故に売上を読みやすい状態が作れていたからこそだと思っています。

強い組織を作りたい、という方はぜひこの方法を試してみてください!


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