何気ない一言で救われることってあるよね
以前書いたと思いますが、私は料理は嫌いではないけど得意でもありません。
どちらかと言うと、それより美味しいお店を探して友達と食べ歩くほうが好き。または、お菓子やパンを焼くほうが好き。
一方で妹は元料理講師。料理好きは中学くらいから。管理栄養士の免許もあります。
母もスーパーの惣菜コーナーで長年働いていました。
叔母(叔父の奥さん)も管理栄養士。
父も料理は好きなほう。うちのおせちは父が主導で作ります。
母方の祖父も調理師免許を持っていたらしい。
つまり、うちは一族の料理レベルがちょっと高いんです。
周りからは「ご飯が豪華で羨ましい!」と言われて、それはそれで間違い無いんですが、
そんな妹や身内を持つと凡人女は苦労します。
だって、基本的なご飯を作ったとしてもそこが底辺だから。
魚を焼いて、卵焼きを作って、お味噌汁も作って、煮物も用意してくらいだと周りも「うん、そうだね。じゃあ次は…」とか「こうするほうが美味しくなるよ」というコメント。
妹は同じ時間で魚は煮付けに変わり、煮物も一手間加えたものにするし、味噌汁も出汁から取る。何ならもう一品くらい増えてる。そして周りは「あーやっぱり〇〇は上手だね」。そして「knkはしないの?」。
ひねくれ者の私は「料理好きと比べるな!」と思っていました。
おかげで、私は家族に料理を振る舞うのがなによりも嫌いでした。今も1番苦手な対象。
一時期は本当にその気持ちがピークに来ていて、「私はこの家族の前では金輪際台所には立たない」と宣言していたほど。実際、数年間本当に家族の前で料理をしませんでした。1人の時にいろいろ工夫してこっそり作っていました。
今はそこまでではありませんが、それでも自分は料理のレパートリーは少ないと思っています。
でも、ある一言で救われたことがあります。
甥っ子のお食い初めのとき。
普通なら両親、祖父母くらいまでの集まりでしょうが、伯母である私も招待されました。
初めて食べ物を口にするお祝いですから、いつも以上に妹は腕によりをかけて作りました。
そこには義弟のきょうだいも同席。
義弟はお姉さんと妹さんがいるのですが、
その2人、超料理オンチなのだとか。
またまたーと思ったら、本当に結構ヤバい武勇伝をお持ちでした。苦笑
そして、2人が
「でもお姉さん(私)もできるんですよね?海外で暮らしていたとも聞きますし。」
と言うので、「またか」と思いながら
「いえ、私はそんなに。〇〇(妹)は鉄人ですけど」
と正直に述べたら、2人揃って
「あははは!〇〇ちゃんと比べたらダメですよー!あれは普通のレベルじゃないもん!でも、比べられちゃうから辛いですね!私なら心折れちゃう」
と。
目が覚めた。
…そーだよね!?みんながみんなお店開けるレベルじゃないよね!?
人間、ご飯とお味噌汁とメイン一品作れたら死なないよね!?(それもどうかと思うが)
たとえば、
私が外で美味しいお店を見つけて、そこに連れて行くと「これ、家で作れそう」といって材料を分析したり(母と父)、
「今日ご飯どうしようか、、買い物行きたくないし、強力粉あるからパスタ手打ちしちゃおうか。適当な野菜でソース作って」と言って買い物よりパスタ手打ちを選ぶ人ばかりじゃないよね!?(妹)
お弁当のおかずに冷凍食品は一切使わなかったり、鍋はつみれやスープも全て自家製の人ばかりじゃないよね!?(叔母)
ですよね、世の中!?
ごくごく当たり前のことだけど、お二人がこう言ってくれなければ、私はずーっと料理から目を背けていたかもしれない。
義務感からでしか料理なんかしなかったかもしれない。
何気ない一言で目の前が晴れることってある出来事を、豚の生姜焼きを市販のタレを使って作りながら思い出した週末でした。
とりあえず日本人の食事は酒とみりんと醤油と砂糖があればどうにかなると思ってるんですが、甘い?あ、味噌も欲しいか。
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