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健康について


昨今
健康産業に携わる皆様は志高く「医療に関わる出費を減らす!」とか「フィットネス人口を増やす!」など宣言されております。

さて、とくに多く耳にすることが「日本はフィットネス人口が3%!(だったけな?)欧米に比べて遅れている!」と言うこと。
なぜ3%であることが問題なのか?と言うところです。
私個人的に、3%しかフィットネス参加率がないことに固執するのではなく
社会的な取り組みが必要だと考えております。
・ただ、「結果にコミット」する体づくりで良いのか?
・見栄えの良い表面上「ヘルシー」な情報を提供するだけで良いのか?
・薬や湿布だけ与えて対処療法的で一方的な処置で良いのか
・「病名」を患者に与えて「ラベリング」するだけで良いのか?
など。

なんちゃって心理士で精神分野もかじったのでその観点からも
個人の考えをぼちぼち書いていきたいと思います。

現代では、車での移動やネットスーパー、スマホなどのデジタルデバイスの使用率の増加など
身体を動かす機会が減る要素が増えております。特に獲物を狩らずともウーバーすれば食料が手に入る時代です。

また、「デジタルデバイス視聴」による発達への悪影 響や「体力の低下」など「社会環境の変化」が社会問題化されており、小学4 年生から中学1年生の児童生徒5483人を対象としてネット依存と ADHD との関連性を調べた研究では、2年間ネット依存の状態が継続したものは4 7%で高学年において高い傾向にあった。2年間の調査期間内に、新たにネッ ト依存になった者は11%。不注意特性がネット依存状態の継続や新規発生に 関連していた(Hirota et al., 2021)と言う報告もあります。

神経系は特にいらないものは筋肉と同様弱り切っていくもので
「まだ若いから大丈夫!」と言うものではありません。

スライドの通り、慢性的な不調によって仕事の効率が低下し経済状況にも影響しかねません。
腰が痛いから仕事休みます⇨営業できなければ・・・?といった感じで小さなところから問題が生じやすくなります。

これからは特に「健康」について考えていかなければならないでしょう。
「健康」=だせえ。ではなく
考え方を改める必要があると思います。


うろ覚えではありますが、放送大学の英語の授業で「教養で読む英語」という科目があり
ケネディー大統領教書の一文、精神疾患を持つ患者への包括的なケアについて書かれたものを訳していくといった内容がありました。(後で調べたらネットに掲載されてますね)
その内容は、精神病を患った患者本人へのケアだけでなく、その家族へのケアやその個人、家族や社会生活で関わる人々など社会復帰までの一連の流れを国家ぐるみで保証するといった内容でした。
このケネディー文書は今から50年?ぐらい前の内容ですが
この取り組みは現在もなお続けられており、精神疾患の病床数が増加する日本に対してアメリカは見事に減少させているようです。
っていうドヤっているのかイキっているのかわからん前書きですが・・・

「精神病床数」が世界一レベルに多い日本の異様 (東洋経済オンライン 2020/01/20より)
H30最近の精神保健医療福祉施策の動向について

包括的な視点から考えると(Markus & Kitayama, 1991)の比較文化研究から考察するに、東洋の文化では「集団」であることが特に重視され、欧米では「個」に対して重きをおく傾向があることからより「孤独感」が増して間接的な影響を与えているのではないかと考察しております。(後、SNSとかね。笑)

さて、孤独感に関してですが、人間は社会的な生き物であることを証明するものとして
サイバーボール課題という有名な心理学実験パラダイムがあります。
これは、PCを用いた仮想空間上で「ボール回し」を行うものですが「無視される」ことを経験する内容になっております。(多分現在もフリーソフトがあるっぽい)
(Williams 2003)はこの課題を用いて「社会的に排斥される苦痛は身体的な苦痛と関連した脳部位が働く」ことを検証しました。
この結果だけでモノを言うのは・・・って感じですが
果たして、この場合湿布や薬のみでは改善ができるものでしょうか?

答えはNOと考えております。もちろん、お薬が人の命を支えるものであることに変わりありません。
しかしながら、再発してしまえば本末転倒。薬をもらって⇨また一時的に良くなってなんて繰り返すことで医療費だけでなく保険適用しまくることで税金の無駄遣いにもつながりかねません。

また、子どもの体力低下が叫ばれて久しい世の中でもありますが
「遊び場」の観点も重要だと考えております。

仙田は「遊び場」に関する研究の視座から「地域コミュニティーの崩壊「テ
レビなどメディアの影響」、「遊びの基地の喪失」を問題点として挙げております。これは、子どもたちが単に外で遊びたがらないのではなく、「遊びの工
夫」や「遊びを創出」する事で、遊びの楽しさを「探索」し、子どものコミュ
ニティーを創る事で社会性が育まれていた時代から、公園など公共施設が整備
され、「探索する」環境が減少したことについて指摘しております。
また、同著者の2008年の小学生の子どもを持つ親を対象に行ったアンケー
ト調査では「今の公園は安全か」という問いに対し「子どもが犯罪や事故に遭
う場所」としての認識や「習い事のついでに利用する」と言った認識で公園を
利用しているようです。

環境が変われば人も変わるし行動も変わる。。ですよね。



健康問題は多種多様ですが、問題を局所的に、権威的に捉えるだけでは「群盲像を評す」状態。
私は特に以下の画像のように個人の健康に対して包括的に支えられ、情報提供できる循環的なシステムが必要だと考えております。



そして、以下の画像の通り「生涯を通じて自分自身の身体に関してリテラシーを高める」といった身体にまつわる評価法や健康づくりのための取り組みを行っている組織もあり、このコンセプトはなんか刺さるものがありました

そこでphysical literacy の考え方からの引用ですが
ただ体操を教えるのではなく、自分の身体について関心を持ち人生を通じて自己の身体を「楽しみながら」大事にケアをする。と言う考え方も苦悶式の一つ。


結局のところ、ただ一方的に「教える」のではなく自己への認知
メタ認知ならぬ「メタボディー」の観点から
運動指導者は「楽しさ」だけでなく身体に関する気づきや「自分の身体である」感覚(Sense of Ownershipに近い?)をクライアントに認知させ、教育することで「コンディション」する文化を作り上げる個とができると信じております(裏切られるかもしれんけどねw)



長々と堅苦しいインキャ構文で書き綴りましたが・・・
運動は大事!と言うことを最終的にお伝えしたいのですが
いかんせんコイツは習慣づけの中でめちゃくちゃ難しいもの。
いわゆる強敵です。。。

「痩せるために」とか「身体の不調をどうにかしたい」とか「リフレッシュしたい」など様々な動機があると思います。
ぶっちゃけ、私自身はピラティスを教えることがありますが場合によっては別の手段も提案します。
(この細かい認知行動療法の理論のところは後々。。。ここまで書いてて疲れてきました)


上記のスライドは現在の私のトレーニングのフィロソフィー(苦悶式と呼んでおります)でございます。

と、いった感じでいわゆる「衝撃を推進力に変える!」と言うことが大事ですね。
認知の側面においても同じ。「認知再構成法」のようなもの。




おまけ


「筋力」や「正しいフォーム」に執着することではなく
コーチが環境設定を行なってその場に適した自分なりの動作を獲得します。

このリンボーダンスみたいなエクササイズを行うことによって

股関節周りの柔軟性や体重移動、バランス能力を向上🏭🥺

エクササイズを行う際にお伝えることは1つ
「このハードルを破壊しないように動いてみてください」です。
クライアントは、与えられたタスクに対して動きを調節し自分の身体のサイズ感や位置関係をもとに「環境に対して」適切な動作を行います。

極論になりますが、今回載せたステファン・カーリーの動画から環境に対して探索する力は大事であることがわかります。
かなり整備された体育館の環境ですが、カーリーはドリブルをした際に違和感に気づき「ボールがバウンドしない」コートの位置を特定することができました。

これがゲーム中に起こったらどのように影響するでしょうか?
また、「型」だけのドリブルであればコートの異変にすぐに気づきパフォーマンスの修正することもできないでしょう。

そのような環境に対して柔軟に動くための
「避ける」、「移動する」など認知の要素も含まれます

また、
ピラティスのようなマットワークだけでなく、立った状態での重心移動のでエクササイズもやっちょるよ


だらだら書いて疲れたので終わる。笑

Batouli, S. A. H., & Saba, V. (2017). At least eighty percent of brain grey matter is modifiable by physical activity: A review study. Behavioural brain research, 332, 204–217. https://doi.org/10.1016/j.bbr.2017.06.002

Eisenberger, N. I., Lieberman, M. D., & Williams, K. D. (2003). Does rejection hurt? An fMRI study of social exclusion. Science, 302(5643), 290-292.

Hirota, T., Takahashi, M., Adachi, M., Sakamoto, Y., & Nakamura, K. (2021). Neurodevelopmental traits and longitudinal transition patterns in internet addiction: A 2-year prospective study. Journal of autism and developmental disorders, 51, 1365-1374.

仙田 満(2009).こどものあそび環境 81-87,214-216,330-333

Markus, H. R., & Kitayama, S. (1991). Culture and the self: Implications for cognition, emotion, and motivation. Psychological Review, 98(2), 224–253.

Williams, K. D., & Jarvis, B. (2006). Cyberball: A program for use in research on interpersonal ostracism and acceptance. Behavior research methods, 38, 174-180.

https://www.asahi.com/articles/ASMBB5Q7GMBBPLBJ00D.html?fbclid=IwAR2GmVDZ_jCJl2J1zvnnZ-MVHJKuKIGgzMDlvInGKTnK8jLF1wOy6eOF_qc

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000462293.pdf
https://toyokeizai.net/articles/-/325075

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