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long slow distance

コロナに罹った。これで2度目。

1度目のコロナ罹患は昨年の夏。その時は今流行しているオミクロン株よりも症状が重いデルタ株に罹患して、若者にしては運悪く中等症まで悪化した。当時の東京は病床が逼迫していたため、入院や人工呼吸器の装着が必要な病状であったにもかかわらず、僕は自宅療養を余儀なくされた。大げさではなく九死に一生を得た。

当時の苦しみや反省といった心中はこんな感じ↓でnoteに記してある。記事内では、自宅療養中のリアルな病状や治療過程、医者・保健所とのやり取りなんかもつぶさに書いてある。加えて「コロナこんなにつらくて後悔や反省したよ!みんなも気を付けようね!」といった危機意識の啓蒙といったニュアンスをも含んでいる。

さて。
その時さんざん反省したにもかかわらず今回またしてもコロナに罹患してしまった。これはもう擁護のしようがない。

こんな狼少年みたいなやつが再び危機意識を啓発したところでもう説得力がないし、啓発するつもりもない。それに、今回は幸い前回よりも症状は軽く、38度台の熱が1日半出て、それからはすぐに微熱に落ち着いて今に至る。これを書いている今でも微熱を引きずってはいるものの、前回よりだいぶラクだ。あ、ただ1点前回より悪いことがあって、前回罹患時にはほとんど味覚障害が無かったのに、今回はわりと食べ物の味がわからない()

正直、今回のコロナ罹患は運が悪かっただけだと思っている。前回は、自分がロクな感染対策もせずに外出しまくっていた結果罹患したという自業自得な背景があったが、それ以来今回の罹患に至るまでだいぶしっかり感染対策をして行動に気を付けていたからだ。

なので今回の記事は、反省というよりはただ自分の気持ち…心の状態と向き合うために、コロナというアクシデントを利用させてもらう。

今回コロナに罹ってしまった一因に、心身共に疲労していたというのがあるかもしれないと思っている。

今自分が就いている仕事は、約3年半も前に初めて志して、やっとの思いでこの4月に漕ぎ着けた仕事だ。そのために当時勤めていた会社も辞めたし、わざわざ大学院に進学するという遠回りもした。だからこそ、念願叶ったという想いで、4月5月6月は新しい会社でフルスロットルで頑張ってきた。少しでも早く戦力になりたくて、時には会社の飲み会を挟んで朝4時まで働いた日もあった。

この仕事に就いてから数か月間、よく部署の先輩や上司に「無理しすぎないでね」「キャリアは長いんだから今頑張りすぎてバーンアウト(燃え尽き)しないようにね」といった優しい言葉を投げかけてもらっていたことを思い出す。けど言われている時は耳になんか残っちゃいなかったのだろう。

全く新しい環境で無茶な働き方を続けていりゃそりゃ心身共に疲弊する。表面的には「念願の仕事!がんばるぞ!」と思っていても身体は、そして心の奥底は休みたいと思っていたのかもしれない。免疫も弱っていたのかも。人よりちょっとコロナに罹りやすい心身の状態になっていたのかもなあ。

何、大したことは無い。ただ体調の自己管理も出来ていなかった無能な社会人だっただけだ。

さっき挙げた、会社の先輩の「キャリアは長いんだから今頑張りすぎてバーンアウトしないようにね」という言葉は、要するに”long slow distance”という教えなのだろう。

人生は短距離走なんかじゃない。全力疾走してその後走れなくなったら意味がない。もちろんプロジェクトの佳境や繁忙期にはギアを上げる事も必要だが、長い目で見れば人生はマラソンではないか。一定のペースでほどほどに頑張り続けられる奴の方が強いと思う。

本当は、このことは大好きなアーティストがとっくの昔に教えてくれていたことだ。

Little Paradeというアーティストの楽曲に、まさにlong slow distanceという曲がある。

遠回りにも見えた あの道の先頭に立ち 情熱の節約を出来ぬ僕たちは今日も

long slow distance/Little Parade

教えてあげたかった 力を抜いた時こそ 君らしい本当の力が出せるんだよと

long slow distance/Little Parade

この曲は、ちょうど1年前の2021年7月23日に発表された曲で、7月23日は偶然ながら自分の誕生日である。去年、この曲を最高の誕生日プレゼントだなんてロマンチックな受け止り方をしたことを思い出す。当時は、会社を辞めて大学院に行くっていう遠回りをした自分に向けた曲だと思えた。今は、情熱の節約を出来ずに、力を入れすぎて体調を崩してしまった自分に向けた曲だとも思える。

また誕生日の季節がやってきた。あと1週間もすればもう27になる。

基本的に、会社というものは頑張ることを求めてくる。
それは当たり前だ。企業は営利組織であり、そこに属する人が頑張り、何かしらの価値を生み出すことで企業は利益を得るからだ。それに、要所要所で頑張らないと自分の職業能力も向上しない。
けど、頑張らない自分を肯定してあげられるのは自分だけだ。

まだつらいけれど、万全には程遠いけれど、だからこそ明日からは一旦、long slow distanceで過ごしてゆこうと思う。早く心身共に回復しますように。

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