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駄菓子屋が教えてくれたこと

ふと思い出した話をします。ただの思い出話です。

小学校の時の話。

地元は茨城県守谷市。大井沢小学校に通ってました。市内の中でも比較的新しい学校。

そんな学校に通っていた私たかし。学校が終わったら勉強も宿題もすることなく、友達と遊びに行くような鼻水たらしたアホガキでした。

小学校4年生くらいの時。学校が終わって遊ぶ場所決まっていました。

駄菓子屋です。

そこの駄菓子屋は同級生のおばあちゃんがやっているお店で、昔ながらの駄菓子が並んでると共に、ゲームセンターとかにあるゲームができる筐体が置いてありました。今思えばめちゃくちゃ貴重な場所。

そこに毎日のように友達で集まり、ギリギリのお小遣いの100円を握りしめて、ゲームをするか、駄菓子を買うか、駄菓子でもいいもの一つ買うか小さいのを一つ買うか、きな粉餅を無限に当てること目指すか。お金がないゆえに色々な選択肢を模索したものです。

一人毎回500円持ってくる同級生がいて「金持ち」と呼ばれてました。遊びに行ってくるというとおじいちゃんが毎回くれるらしいのです。500円で何いってんねんですが、子供の頃の500円は駄菓子も買える、ゲームもできる魔法のコインでした。

対してお金を持っていない私はそいつにお金をせびって緑色の液体をすする毎日でした。このころから末っ子気質盗人魂は健在だったようです。

この駄菓子屋には自分らの代はもちろん少し上のお兄さんがたも遊びに来ます。

ちょうど二つ上のお兄さんは兄貴の代です。そんなお兄さんの中に下地先輩という方がいます。

同じ小学校で、兄貴とはサッカークラブで、小学生で彼女がいて、高校生に喧嘩で勝ったいう伝説の小学生です。なんやそれ。

下地先輩が駄菓子屋に遊びに来ていたある日。一緒に駄菓子屋で買った水風船で遊んでいました。ビシャビシャになりながら遊んでいると、地面に大きく叩きつけられた水風船が割れ、勢いよく飛び出した水がたまたま通りかかったおばさんにかかりそうになります。

かかりそうになっただけ。なっただけだけどおばちゃんは大激怒します。

「気をつけないさいよ!!かかったらどうするのよ!!!!!」

水怖いのかな。子供ながらにそう思いましたが多分違います。怒るのも無理ないけど小学生からしたら楽しく遊んでたのにそれこれ水を差された気分です。下地先輩はちっちゃな声でつぶやきます。

「うっせぇなばばあ」

しっかりババアの耳に届きます

「今うっせぇっていったね!!!!!あんた小学校どこよ!!!」

『お前どこ小だよ』ヤンキーババアが鬼の形相で詰めてきます。怖い。

そんな姿にも全く動じない下地先輩。

「松前台小学校です」

平気で隣の小学校の名前をいいます。大嘘つきやん。

「松前台?松前台はいい子しかいないけどね〜」

ヤンキーババアは松前台に謎の信頼を置いているらしい。

「まあいいわ、名前教えなさい。松前台小学校には知り合いがいるわ。あんた学校に電話するから覚悟しなさい、さあ名前を」

「一ノ瀬悠太です」

かっこよ、偽名かっこよ。なんでそんなかっこいい自分に全く関係ない名前すぐ出てくんの。

「何年何組」

「5年2組」

6年生だろがあんた。全てかわしてるやん。

覚悟しなさい!。ヤンキーババアはそう行って去って行きました。その後ろ姿に水風船を投げた一ノ瀬悠太の姿が今でも目に焼き付いています。

500円の重みとピンチの切り抜け方を教えてくれた駄菓子屋。

忘れがたい思い出の場所です。

おやすみなさいってらっしゃい🙇‍♀️

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