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人事領域の言葉のアヤ3選

言葉は巧みに使われている。そこには発信者の意図がある。良い意図だけとも限らないので、操られないようにしたい。困難な状況においては言葉を巧みに使ってくぐり抜けたいものです。

良くも悪くも、言葉のアヤってある。組織やグループ内でのバズワードにはもっと広まればいいなって思う言葉もあれば、そうでない言葉も多い。そんな言葉の印象をここに置いてみる。こんな言葉はどんな印象ですか?など頂けると嬉しい。

言葉の綾(読み)ことばのあや
ことばを飾って巧みに言い表わすこと。ことばの巧みな言いまわし。現代では、いく通りにも解釈できるような複雑な表現をいう。

コトバンク

人事領域では色んなカタカナを見聞きする。主にHR Techなどのサービスのマーケティングで便利だから使われているだけだと思うが、専門外の我々は簡単に取り込んでしまう。人事や組織論などの研究っぽい文脈で使われていると尚更に。マーケティングで使われている言葉は実に巧みに着飾っている。

カルチャーフィット

採用などで人の属性の話題になった時によく聞く言葉。
「文系の人はウチにはカルチャーフィットが難しいんですよね」など
マネジメントできる気がしない、自身の無さの表れのように感じる。
多様性と真逆な印象を持ってしまう。このような言葉で、人のポテンシャルから目を逸らすのはもったいない。カルチャー云々より、逆にどんな化学反応起こるかなとかの視点を持って、実際に一緒に働いてみることの方が大事

エンゲージメント

言葉のアヤ、ここに極まりの代表例。人事が従業員に対して、もしくは従業員がいる場で、「エンゲージメントが〜〜」とか言い出したらちょっとキツい。一方でこの言葉を使ったサービスはたくさんある。

従業員のエンゲージメントといった時に、従業員のどの状態を指すのかはめちゃくちゃ幅広く、何の話をしているのか全くわからなくなる。
例えば、ブラックでもブラックだからこそ燃えるように働く人間はたくさんいる。一方でスターバックスのようなイキイキと働ける会社もあるらしい。なんとなく働くという状態にしかならない会社もたくさんある。

このようにエンゲージメントといっても、ただの研究上、従業員の状態を観測するためのワーディングであって、一般社会ではほとんど役に立たない。
研究上においても、業界間の比較などと適用出来る範囲や制限があるはず。素人が研究っぽく社内サーベイで従業員エンゲージメントの測定とか負担があるだけでほぼ意味ない。やるなら、もっと絞り込んだ仮説を立ててからやるべきだし、その先に解決方法が見えていないなら、そんな測定(診断)はいらない。

1on1

これは実態ともなっているから、どんどん広まったらいいと思う。1on1が持つイメージは、スポーツっぽくアクティブな感じでいい。これを硬直しがちな対人関係に持ち込んだのはすごい。尊敬する。

1on1というのはコミュニケーションの中身については何の制約もなく、柔軟なので、組織の状態などに合わせて各々が工夫していくべき。会社などで実施する場合は、この工夫しないといけないことを忘れないことが重要。やればいいんだけど、やってみての工夫を組織としてどう溜め込むのか、どうコミュニケーションの取り方を切り替えていくのかは超重要。

1on1だけ導入すればいいと思っている人は多い。会社などでやらされている人は「コミュニケーションの工夫ってどこに溜め込んでいるんですか?参加にしたいです」と聞いてみると、会社の状態がわかるかと。

働きにくいなと感じた人へ
組織内で、言葉のアヤを感じる時は、そこに未熟のサインがある。そして、あなたはそこに気がつけた人と言える。
観察し状態を掘り下げて、アクションを起こしてみると、色んな立場の人の悩みが見えてくる。聞きまわるだけの情報収集でいいから日頃からやってみるべし。気晴らし程度にね。
他の会社ではどうなのかなど、探究心を持ってみると視点が変わるので、働きにくくても、ちょっと気が軽くなるよ。

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