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No eyesに支配されてはいけない。ーSIX HACK感想ー

日記:5/29 (注:テレビ番組「SIX HACK」の内容を含みます。

 毎週木曜の深夜1時に、テレビ東京で「SIX HACK」という番組が放送されている。この番組は「偉くなるためのハック」を紹介する全6回のビジネス番組で、現在第2回まで放送されている(YouTube、TVer等でも配信中)。
 同じサークルの後輩が大森時生さんというプロデューサーが好きで、その人が携わっている新番組が始まったということでお勧めされた。過去に放送された、同じ人がプロデュースしている「Aマッソのがんばれ奥様ッソ!」という番組が面白かったので、じゃあこれも見てみるかとなった次第である。

 「偉くなる」という1つのテーマを軸に、第1回では「会議」、第2回では「SNS」で勝つためのテクニックを紹介している。

 観ればわかると思うが、この番組、非常に胡散臭い。出演者も後ろのエキストラも番組の内容に対して全肯定であり、紹介しているテクニックも「偉くなる」というよりは「偉く見せる」ためのモノであり、大したことのないテクニックでも、英語で名前付けをしたり難しそうな定説を引用することで良く見せている。

 正直、第1回の内容は「こんなんで偉くなれるのか?」といった感じであまりピンとこなかったが、第2回の内容は「確かにこういう人いるよね」といった感じで面白かった。SNSを見て「この人胡散臭いな」と思っていたことの理由が言語化されていて、「偉くなるために見る番組」という印象から「偉ぶっている偽物を見分けるための番組」という印象に変わった。とするとやはり、第1回の内容も「偽物を見分けるテクニック」を紹介していたのだろう。そう考えて見直してみると、自分の中で納得がいく内容だった。

 つまりこの番組は、偉くなるためのテクニックを紹介している風に見せて、現代社会での取捨選択の参考となる情報を暗に紹介しているのだろう。

 

 ではここで、タイトルにもある「No eyes」に触れていく。

 「SIX HACK」では番組の終わりに毎回、不可解な映像が流れる。「魔人探偵脳嚙ネウロ」という漫画に出てくる、電人HALが駆使する電子ドラッグのような映像であるが、洗脳されることはないので安心してほしい。

 この映像を制作しているのは「MADドラえもん」でおなじみのFranz K Endoである。僕の1番好きな動画は中華版アンパンマンなのだが、今探したら削除されていた(悲しい)。
 上の二つの動画はトレーラーであり、SIX HACKのエンディング映像とは異なる。そのため、番組の最後に流れる映像の方を見てほしい。

二つの動画では「No eyes」という言葉が出てくる(主に第二回のトレーラー)。どうやら「No eyes」というのは私たちの行動や考えを支配している、貪欲でふしだらな醜い存在らしい。第1回の動画にも「No eyes kill them all」という一文が隠されている。

 No eyesの支配から逃れるためには「偉くなる」ことが必要なのだという。そしてこの番組は、汚染された私たちの脳をアップデートするための慈善的存在であるのだという。

 すなわちこの番組は「No eyes」の支配から逃れ、偉くなるための番組である。では、SIX HACKという番組をもう一回観直してみよう。
 番組でハックを紹介するときに映像が流れるのだが、そこでは「吉田」という落ち着いた声の男性が語り手となっている。身なりは普通のスーツ姿なのだが、顔のパーツは目だけがなく、声も相まって不気味である。

 私たちを支配するのは「No eyes」、つまり目がない者たちである。
 No eyesの支配から脱却するために偉くならなければならない、そのためのハックを紹介する番組であるが、そのハックを教えている者の正体はいったい何なのだろうか。果たしてこのハックで人は偉くなれるのか。

 

 今、情報の取捨選択能力が、必要とされています。


ではまた。

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