知ってるだけで少し救われる【15歳からの社会保障】

SNSで見かけて気になったので「15歳からの社会保障---人生のピンチに備えて知っておこう!」を読んでみた。

「15歳からの社会保障---人生のピンチに備えて知っておこう!」

入院、生活費が足りなくなったとき、予想外の妊娠、障害を負ったとき、ヤングケアラー、介護、DV、こんな場合はどんな社会保障が利用できるか?というショートストーリーを例にして各社会保障を説明してくれるから分かりやすかった。
タイトル通り学校教育で取り入れてほしい1冊。
制度の詳細まで知らなくても「ちょっと知ってる」「なんか聞いたことあるなぁ」だけで、いざというときに救われる人が何人いることか。
たくさんの社会保障があるが、自分から調べて申請する能力がない人には適応されないのは、やっぱり理不尽さを感じる。
なんのための誰のための制度やねん。

「社会保障」は会社員のときはあまり気にしたことなかったが、会社員を辞めてからは自分なりに色々調べて、知る機会が増えた。
やっぱり「知っている」と「知らない」では大違い。

最近将来のことを漠然と考えたとき、妄想力と想像力には自信がある私だが、高齢になってまで働いているイメージが抱くことができない。
年金も貰えるのか、貰えても生活できるだけの金額なのかも分からない。
そうなると最終的には生活保護のお世話になるのではないか。
そんなことを考えてしまう、最近の私。
「15歳からの社会保障」でも生活保護の話は出てくる。
将来の可能性を考えて、生活保護について知ろうと思って、制度に関する本を数冊読んでみた。

どうしても「生活保護」と聞くと悪いイメージや、バッシングの対象になっている印象を抱くが、調べてみると制度としてはすごく良い。
生活保護を諸事情でずっと受け続ける人もいるが、しんどい時期から抜け出すために短期間だけ制度を利用してステップアップしていく人も多い。
市役所に行って申請したときに断られる可能性もある。
いわゆる水際作戦というもの。
その際は生活の支援をしている団体に連絡を取って、一緒に行ってもらうと通りやすいらしい。
国民の権利なのに断られるのも変な話だが、ここでも人を頼ることが大事になっていく。
「人に頼る」は割と歳を重ねる上で大事なキーワードでもあると私は思う。
なんでもひとりで解決しようとしない。
親や兄弟に「援助できませんか?」という扶養照会が厄介ではあるが、連絡を取ってほしくない人に連絡がいかないようにはできるらしい。
ただ、これは本によって書いていることが違ったので実際に窓口で聞いてみないと分からない。
そもそも扶養照会をしたとしても「じゃあ援助します」なんて回答はほとんどない気がする。
みんな自分たちの食い扶持だけで精一杯。
わざわざ連絡なんてしなくても…と思うが、建前は必要なのだろう。

本にも書いてあったが、生活保護を受けることはプライドや見栄で抵抗もある人がとても多い。
私も、もし実際に制度を受けるとなったら、複雑な気持ちを抱くような気がする。
それはおそらく、ネットなどで生活保護は良くないと煽られていたり、実際に制度を受けている人を叩くところを見てしまってるからだと思う。
自分が、批判される側に回ってしまうのか…と思ってしまうから抵抗を感じる。
だが、そんなことよりも、生きるか死ぬかの瀬戸際で、どうしてもこれ以上は無理だと思ったら、早めに申請した方が良い。
生活保護を批判している人も明日は我が身。
もしかしたら生活保護を受けなければならない状況が来るかもしれない。
自分で自分の首を締めないためにも、批判には加担しない。

どの本にも「国民の権利。困ったときは積極的に利用を検討してほしい」という旨が書かれていた。
私も生活保護については悪いイメージしかなかったが、制度としてはとても優秀で、衣食住の安心を確保してから次の一歩を踏み出す人が多いことも分かった。
自分がもしも制度を利用したときのことをシュミレーションできたことも、ちょっとだけ将来の安心感を抱けた。
できるだけ制度のお世話にならないように頑張る予定だが、どうしても無理なときは国の制度に頼ろうと思う。

生活保護についての本で一番読みやすくて分かりやすかった本は「学校では教えてくれない生活保護 (14歳の世渡り術)」だった。
死なないため、生きるためのノウハウがわかりやすく詰め込まれた本だった。
知らない、未知なことに対して私たちは不安を感じるが、少しでも知ることができたら不安は和らぐ。
いざというときのために普段から情報収集をすることは大事だし、実際にいざというときも、自分から調べにいく姿勢は大事だと思った。
日本もオワコンと色々言われているが、こういった制度を知ると、まだまだ良い国ではあると感じる。

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