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入社して3ケ月で潰れた会社での出来事

以前入社して3ヶ月で潰れた会社があった。
世の中にたくさん存在している会社からハズレを引いた自分の運が凄いと思ったが、潰れてしまったものは仕方がない。
あまり思い出したくもない会社だが、自分のその後の人生に影響を受けた出来事を体験した。

親会社のシステム部が独立した会社で、社員5人ぐらいの小さな会社だった。
面接時は1年ぐらいかけて開発したシステムがリリースされ、今後開発案件が増える為、人を募集していると説明を受けた。
面接対応をしてくれた上司になる予定の人も良い人そうだし、会社の事業にもとても興味があったので入社を決めた。

入社して1ヶ月は普通だったと思う。
既存のシステムの改修作業を主に私は担当していた。
上司も面倒見の良い人だったし、他の先輩たちも優しい人たちで、不満はなかった。
それが、少しずつ社内に不穏な空気が漂ってくるようになる。
私が入社前に開発してたシステムがリリースになり、納品先の会社がそのシステムを使い、仕事をしていた。
そのシステムが何故か次々と不具合報告が挙がってきた。
勿論開発サイドに挙がってきた問題は精査して、適宜修正はしていく事になるが、明らかに数がおかしかった。
これはおかしいのではないかと、会社側が開発者にヒアリングした所、あまりテストを実施せず、リリースしたらしい。
当然、納品先からはクレームの嵐。
即そのシステムは使用を停止された。
責任問題として色々と精査された結果、入社した会社は解散する事になった。
親会社が存在していたので、給料の未払などはなかったし、親会社への残留の話も頂けたが、会社に対しての信用はゼロになっていたので断った。

自分が入社した会社がなくなったことは勿論ショックだったし、入社前に聞いていた話と違うので、物凄く腹は立った。
それ以上にショックだったのが、納品先のお客様がバグだらけのシステムで仕事をし、社外・社内問わずに問い合わせやクレームの嵐で、その対応に疲れてしまい、体調不良で仕事を休む事になったらしい。
私は問題のシステムの開発に携わってはいなかったが、開発したシステムが他人の人生を変えてしまう可能性がある事に驚いてしまった。
何かしらの作業を便利に行う為にシステムは存在しているはずなのに、人を追い詰める道具になっていた。
勿論ちゃんとテストを実行せずにリリースした会社側に責任はあるが、中途半端な知識や技術で開発をする事はとても危険な事だと感じた。
その体調不良になってしまった社員さんがその後どうなったかは知らないが、回復している事を願う。

その後、開発業務を自分がやっている時に、この件は頻繁に思い出した。
自分が作っている物で不具合を出したらどうしようと不安がこみ上げてくる事が多くなった。
勿論チームで開発している事が多いので、ひとりが全ての責任を負っている訳ではない。
この辺から自分のメンタルと体調が悪くなっていった気がする。
自分のメンタル・体調不良がどこから来ているのか考えたとき、この件の影響は少なからずあると思った。
復帰しようと思った時も、どうしてもこの件が自分の足を引っ張っているように思える。
今まで向き合う事を避けていた出来事だったが、文章にして少しでも気持ちを消化したいと考えて書いてみた。
過去のことなんで今更どうしようもないが、自分の中では今でも引っかかっている大きな出来事だった。

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