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お寺も神社もプロモーションを求められる時代

人生がなんか上手くいかないとき、やっぱり神様の力を借りたくなる。
普段は神に祈るなんてやってないのに、都合の良いときだけ神に頼ろうとする。
私もそんな都合の良い人間のひとりだ。

京都に「鈴虫寺」と呼ばれる有名な寺がある。
その名前の通り、寺の中には大量の鈴虫が鳴いている。
恋愛成就・縁結び祈願・黄色いお守りで人気のお寺。
土日は行列必須。
一つだけ願いを叶えてくれる、わらじを履いたお地蔵さまがいる。
お茶・お菓子を食べながら、お寺の方の説法を聞くことができる。
この30分ぐらいの説法がとても面白い。
私が行った時は、ユーモアたっぷりで「高望みしない」「身の丈にあった幸せを」という話をしていたような記憶がある。
嫌味とか説教とかではなく、スッと自分の中に言葉が入ってくる不思議な感覚。
喋り方がとにかく上手い。
おそらく話術をものすごく訓練されている。

SNSで「鈴虫寺に行ったらこんな願いが叶いましたー!」という報告をよく見る。
その願いが叶った人はお礼に鈴虫寺に行く。
その情報をSNSで見た人も鈴虫寺に行く。
すごいビジネススタイルだなと毎回思う。
そんな話を鈴虫寺に1回だけ行ったことある人にしたら「そんなん考えていたらお願い事が叶いませんよ」と笑われた。
私も私みたいなやつの願いごとは叶えたくないと思う。
その人も「願いが叶う」ことよりも、鈴虫寺のビジネススタイルに驚いたらしい。
プロモーションとしては大成功だ。

そんなことを思いながらもお地蔵さまにすがりに行ってしまう私。
行ったらあの黄色いお守りも、ちゃっかり買っちゃう。
最後に行ったのは2年前ぐらいかな。
その時したお願い事は叶ったような、叶っていないような。
今がそれなりに充実しているので、叶ったかもしれない。

そんな鈴虫寺にお礼に行かないといけないという話をしたときに「遠くのパワースポットに行くのも大事だが、地元の神社とかを大事にした方が良い」と言われた。
私もあまり詳しくはないが、私たちが住んでいる場所を守っている神さまがいる神社を大切にしたほうが、もらえるパワーが強いのではないかという説。
その人は月一回、地元の神社に挨拶を欠かさず行っているらしい。
私から見るとその人はとても運が良い人に見える。
そんな日頃の行いがそうさせているのかもしれない。
私も真似して、1年前から地元の神社に月1ぐらいで通っている。
ご利益があるのかは分からないが、確かに地元の神様と結びつきは強くしといたほうが良い事がありそうな予感がする。
初詣ぐらいしか地元の神社に行かなかったのに、急な下心ありの心変わりである。

ここ1年ぐらいで地元の神社に変化があった。
SNS映えするスポットが神社の中にできた。
そんなことをする神社には見えなかったのに!!
でも、その撮影スポット、可愛いんだよ。
思わずスマホを向けて撮っちゃって、SNSにアップしたくなる可愛さなんだよ。
これを考えた人は「分かっている」人だと思う。
ウキウキと写真を撮りながら、神社も「映え」を求められる時代で大変だと思った。

ちなみに私はパワースポットに行っても特別なにも感じない。
感じる人は感じると言うが、私はなにも感じない。
そんな私が「伊勢神宮だけは空気が違いました」と言ったら「それは誰でも感じます」と言われた。
そんなもんか。



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