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腑に落ちなかった「君たちはどう生きるか」

スタジオジブリの最新作「君たちはどう生きるか」を観に行ってきた。
観に行った感想を正直に一言で言うと「よく分からん」だった。
アニメーションとしては凄いし、映像の美しさや音の凄さに圧倒されるし、流石ジブリという感じだが、観終わった後にスッキリとした気分にはならない映画だった。
おそらく、そんなに私の好みではなかったのだと思う。

家に帰ってから色々な人の感想や考察の呟きやnote記事を読んだ。
みなさん、そんな細かい所まで分析して観てるのか…すげぇ…という気持ちだ。
その考察が映画の正しい答えなのかは置いといて、あの場面にそんな意味があったのかと思ったり、全く私が気付かなかった視点を貰った。
考察や感想を読んでいると、映画から何かを読み取ろうとする読解力が本当に凄いと思う。
私はそんな細かい所まで考えられない。
自分の感覚的に好きか嫌いか普通かしか判断できない。
直感で思った事をちょこっとだけ書いてみる。

映画を観た感想は、自分の中では「現実を受け入れて、地に足つけて生きていこう」という事なのかなとは思った。
大筋のストーリーは主人公の男の子が不思議な世界に失踪した母親(義理の母)を助けに行くという話。
主人公の実の母は物語の最初で亡くなっている。
物語の導入時点で私は引っかかった部分がある。
主人公の父親が妻が亡くなって、あまり間を空けず、妻の妹と結婚して子どもを妊娠している事だ。
え?早くね?しかも義理の妹と結婚??
あの時代的にはよくあることらしい。
主人公の男の子の義母の存在についての複雑な気持ちは映画を観ていたら伝わってくる。
父親も義理の母も主人公の息子を愛しているのは伝わってくるが、あまり関係性も築けてない会ったばかりの中で、失踪した義理の母親を主人公の男の子が命懸けで連れ戻しに(助けに)いくか?みたいな疑問を私は抱いてしまった。
一応物語の中で「お父さんが母(義母)の事を好きだから連れ戻すんだ」的な事は言っていたが、危険な目に合いながら前に突き進む姿にしっくりこなかった。
不思議な世界で主人公を助けてくれる人達に出会いながら、実母の死や義母の存在を受け入れて、空想の世界では生きるのではなく、現実の世界に帰ってくる。
まるくは収まっているが、「父親の再婚が早すぎないか」という点で引っかかってしまい、私は腑に落ちなかった。
少し気持ち悪いと思ってしまった。
時代的にはよくある事なのかもしれないが。
私が主人公の立場だったら、相当気まずいぞ。

登場するキャラクターは全員魅力的だった。
主人公を助けてくれる人達も勿論素敵だったが、個人的にはおばあちゃん達が可愛かった。
個性豊かなおばあちゃん達が可愛くて、映画に登場したおばあちゃん達のまるっとした置物が私も欲しいと思った。
枕元に飾りたい。
私も結界で守ってほしい。
名前が分からないが丸っこいワラワラしてた白い生物も可愛かった。
鳥はちょっと気持ち悪かったが。
主人公の男の子も好きだ。
不思議な現象に巻き込まれながら、これで良いのか迷いながらも、真っ直ぐ突き進む姿がとてもかっこ良かった。

観た感想を率直に描いてみたが、映画自体は面白かったと思う。
この映画から得られるものは?宮崎駿監督からのメッセージ性は?などを深く考えると難しく感じるが、軽い気持ちで観に行っても楽しめると思う。
ファンタジーな圧倒的な雰囲気や世界観は、やっぱりジブリだなと思った。
過去作のオマージュとかも入っているように見えるし、ジブリが好きなら観に行っても損はない。
宮崎監督も高齢になられても、あれだけ全力全開な作品を作れる事がとにかく凄い。
創作エネルギーに溢れすぎている。
やっぱり宮崎駿監督の最後の作品になるかもしれないという事実は映画館に観に行く理由のひとつとして大きい。
子どもの頃からジブリで育ってきたようなものなので、あの独特な世界観を大きなスクリーンと良い音響設備のある映画館で浴びる事ができたのは多分良かったと思う。

でも2回目リピートしたいかと聞かれたら私は「ノー」と答える。
何回か観て自分なりに理解を深めていける映画だと思うが、私はもういいや。
1回で満足、お腹いっぱい。
またいつか金曜ロードショーで放送された時に楽しみたい。

ここからは、映画に行くきっかけを作ってくれたYouTuberさんの話をしようと思う。
映画の感想に関係ないけど、ただ自分が好きなYouTubeチャンネルをおすすめしたいだけ!!
正直今回のジブリ映画は観に行くか迷った。
私は説教臭い映画などが苦手で、ジブリが前宣伝なしで映画を公開するという方針で全く映画の内容が見えず、どうしようか迷った。
公開日初日を迎えて、観に行った人の感想をTwitterで検索してみるが、大喜利ネタしか流れてこない(それはそれで面白い)
どうしようかなぁと思っていたら女優の太田唯さんが映画についてのネタバレなし感想をYouTubeにアップした。

太田唯さんはジブリを心の底から愛している女優さんだ。
ジブリ愛がハンパなく、動画でもジブリへの愛を爆発させている。
ジブリについて熱く語る太田唯さんが好きで私も動画を視聴している。
太田唯さんは前に公開された「耳をすませば」の実写版についての考えもオタク的な視点からどう付き合えば良いのかを語っていた。
実写映画はアニメーション映画「耳をすませば」の10年後の世界を描いている。
私も10年後かよ!とか設定を勝手に変えてるやん!実写化の意味は何!?とか色々と思ったが、太田唯さんの意見を聞いて、まぁそう考えると実写化もアリかもしれないと納得してしまった。
とにかくジブリにおいて、私は太田唯さんの意見を信頼している。
太田さんはこの動画で今回のジブリ映画は「人生観を話し合うことに近い」と言われていた。
もしそうなら、私も人生観を確かめたいと思ったので行くことにした。
勿論世間的にジブリが盛り上がっているので、お祭りに参加したいというミーハーな気持ちもある。
むしろこっちの気持ちの方が大きい。
大きな世間のお祭りに参加できて良かった。
人生観を話し合う…所まで私は深く読み取れなかったが、確かに色々と考えてしまう映画だった。

※2023年8月5日追記
「君たちはどう生きるか」で、とてもしっくりくる考察があった。

宮崎監督の幼少期から振り返り、インタビュー記事などを照らし合わせながら作中に出てきた家族を考察していた。
私が映画を観ていた時に感じていた違和感が全て言葉にされていた。
思わず読み終わったあとに「そうかぁ。そういうことか。」と納得してしまった。
正しいのかは分からないが、私はこの方の文章を読んで、腑に落ちてしまった。
今もう一度映画を観たら、面白いかもしれない。

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