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【私的Disc Review-002】Brian Auger ‎– Here And Now

Brian Auger ‎– Here And Now
Label : Grudge Records ‎– GR 0958
Format : LP
Release : 1986
Genre :Jazz

ここ毎日雨が降ったり止んだり、また降ったと思ったらすごい豪雨だったり雨雲の切れ間に入ってピタリと止んで晴れ間が見えて真夏を思わせるような日差しがパアアっと当たったと思ったらすぐにまたまた嵐のような激しい風と雨。ハードパンチャー同士のボクシング試合のような天気。
幸い災害になるような降り方ではないがニュースで九州や山陰、熱海の豪雨被害を見ると非常に胸が痛む。

外出時は雨雲レーダーで雨雲を予測しつつ自転車で出かけるのだが必ず一発二発はくらってしまう。自転車だろうが歩きだろうがずぶ濡れ覚悟で外出しなくてはならず「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉も、傘をさしていても結果は同じ。弁当忘れても傘忘れても辛いかもね。

市の図書館に本を返却して新しく読みたい本を借りに行きたいのだが本を濡らしてしまいそうで躊躇している。そんなこんなで迷ってるうちに返却日が迫ってきている、、、。

最近読んでいるのは「グリコ・森永事件」関連の本ばかりで、未解決事件とかノンフィクションが好きな自分にとって、この事件は子供時代からずっと気になってた未解決事件だ。脅迫文、電話の子供の声、キツネ目の男。子供ながらにどんな犯人なのか?捕まった犯人の姿が見てみたくてしょうがなかった。この事件は時効を迎えてからもポツリポツリと新事実とか新説、事件を下敷きにした映画が作られたりいまだ話題になるところがすごいと思う。
それくらいインパクトが強かったのだろうが、、、。今現在もこの事件のインパクトを超える事件はまだ出てきていないだろう。

最近のここ1、2年で出てきた面白い新説があって「キツネ目の男=高槻の酒屋のおっさん」説。これは本になっているのだが自費出版で著作者はこのおっさんと商店会で顔を合わせていたという人物だ。それまでも「キツネ目の男=テッチャン」説、関西のアンタッチャブル連合説とかもうあげたらキリがない。
もうずっと永遠に謎で終わっていくのだろう、その説が当たってるとか的外れとかじゃなくその説に至る経緯が面白く、ノンフィクション好きなのにいつの間にかフィクション的な要素で盛り上がってしまっているという、、。
この事件を詳細に調べ上げている一般人もいるくらいでそういうのを読んで想像力を掻き立てられて不謹慎だが楽しませてもらっている。
この間も用事で金沢から高速で京都に行く途中、運転しながら「ああ。ここらあたりに犯人が白い布を結びつけたんだな」なんて思いながら通過した。

私的Disc Reviewの2枚目。
このアルバムには「The Hurricane」や「Call Me」などDJとしても踊れる曲が入っていてシングルカットもされている。A面3曲目の「 HAPPINESS IS JUST AROUND THE BEND」が一番好きでDJでよくかける。
1974年にリリースされた曲。THE MAIN INGREDIENT - HAPPINESS IS JUST AROUND THE BENDの12インチを持っていてこれも好きな曲の一つなのだが、THE MAIN INGREDIENTのカバーかな?と思いがちだがこれ作詞作曲がイギリスのミュージシャンBrian Augerである。


Brian AugerのバージョンはTHE MAIN INGREDIENTのバージョンから比べると完全にAORになっていてスムースでアーバンで「今日のパーティーはおしゃれな人多いな。」と言う時はこちらを、「今日のパーティーはハジケた人多いな」と言うときはTHE MAIN INGREDIENTの方をかける。

Backing Vocals – Betty Vittori, Naimy Hackett
Congas – George Aghedo
Drums – Alfredo Golino
Electric Bass – Julius Farmer
Engineer, Remix – Mario Carulli
Executive-Producer – Brian Auger, Dario Lagostina, Felice Piccarreda
Guitar – Giorgio Cocilovo
Producer, Arranged By – Brian Auger
Programmed By [Synthesizer] – Aldo Banfi, Pietro Pellegrini, William Marino
Vocals, Organ, Electric Piano, Grand Piano, Synthesizer – Brian Auger

同じ曲でも白人がやった場合と黒人がやった場合とで人種特有の差が出るのが好きだ。よく言われることだけどアメリカ南部の音楽で黒人がやるとSoulになり白人がやるとカントリーミュージックになるとか言われるけど、本当にそう思う。南部の音楽は本当に面白くて、マッスルショールズの映画で話にも出てくるけども、当時みんなレコードだけ聴いてたら黒人が演奏してるかと思ってたけど実際スタジオに行ってみたらスーパーマーケットにいそうなどこにでもいる白人の兄ちゃんだったという。その白人たちは子供の頃のベビーシッターが黒人でその人たちが家で黒人音楽を聴いていたこともあって幼少の頃から黒人音楽に慣れ親しんでたというのも、圧倒的な表現の前には人種や国籍の壁など存在しないことが実証されていると思う。
ちょっと前にMTVでDaryl Hall & John OatesのDarylの番組でゲストがOJay'sで一緒に"I Can't Go For That "演ってるんだけどこれがまたOJay'sが歌うと完全にSoulでDarylが歌うとAORに。こういう差がたまらなくいいし、いいセッションになっている。

Brian Auger ‎– Here And Now

このアルバムは中古盤屋でもよくみるし特別レアなアルバムとは言わないけど、THE MAIN INGREDIENT - HAPPINESS IS JUST AROUND THE BENDと一緒に持つことによって「人種の壁を超えたいい曲が入っているアルバム」という思いでいる。2枚ともこれからも大切に持ち続けていきたい。
このアルバム全体的に年代も年代だけにシンセの音がフューチャーされていて、いいオーディオで聴くとシンセ音が立体的に空間に現れる。このアルバムだけじゃないけどシンセ音って、いいオーディオとの親和性が高いというかほぼ高確率で立体音像として空間を彩るようにスピーカーが鳴る。去年の夏、金沢市郊外の山奥の野外パーティーでDJをやった時、夜が明けそうなシチュエーションで山の向こうの空が薄明るくなった頃にCool & The GangのSummer Madnnessをかけた。踊れる曲ではないので踊っている人はいなかったが薄明るくなった方向を見ながらみんな気持ちよさそうに体を揺らしていた。シンセの音が空間に立体音像となり現れシチュエーションとあいまりそれはそれは至高の音楽体験だった。
それくらいシンセの音っていうのは魂ごと持っていかれるような要素が強いのではないだろうか?現代の音楽ではかなりシンセは多用されているが自分的には生演奏の中に一つシンセが入っているものの方が好きだ。シンセの良さが一番引き立つと思うからだ。

A面:3曲目 HAPPINESS IS JUST AROUND THE BEND


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