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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #21 【19日目】メセタの大地を行く、城壁のある丘の村カストロへリスへ

こんにちはナガイです。今日はタルダホスからカストロへリス(Castrojeriz)へ向かいます。
前回の記事はこちら。

天気予報(カストロへリス) 晴れ 最高気温19℃ 最低気温3℃

7時前に起床。まだ唾を飲み込むと喉が痛い。今日は体調を見つつ、当初の計画では昨日の目的地だった10km先のオルミージョス・デル・カミーノ(Hornillos del Camino)か、21.2km先のオンタナス(Hontanas)まで進むことにする。

7時過ぎにアルベルゲ併設のバルで朝食を取る。クロワッサン、アメリカーノ、オレンジジュースを注文。5ユーロ。クロワッサンの優しい甘味が体に染み渡る。

7時半過ぎに出発。咳もまだ少し出る。今は筋肉痛やマメなどの問題が何も起きていないだけにフルパワーを発揮できないのがもどかしい。

朝日が山や木々をオレンジ色に照らしている。やはり朝に歩くのは気持ちいい。川に入って釣りをしている人がいる。

8時にラベ・デ・ラス・カルサダス(Rabé de las Calzadas)の村を通過。

きれいで上品さを感じる建物が多く、教会も立派だ。村の出口付近にも小さくて可愛らしい教会があった。

この辺りから向こう一週間以上はメセタ(高原)という標高がおよそ800〜900mの大地を歩くことになる。標高が高いため、朝は寒く、日差しが強い。
しばらく変わり映えのしない風景を見ながら、比較的なだらかな道をひたすら歩く。

もともと歩くのは比較的速い方だが、体調が悪くても歩くスピードはそこまで変わる訳ではないようだ。先にタルダホスを出発していたエノラ達を追い抜いて先へ行く。

道が急な下り坂に入ると遠くにオルミージョス・デル・カミーノの村が見えてきた。

9時半にオルミージョス・デル・カミーノへ到着。さすがにアルベルゲのチェックイン時間には早過ぎるし、体力的にはまだまだ歩けそうだ。このままオンタナスへ向かうことにしよう。

この辺りは視界を遮る山がなく、見渡す限り延々と草原が広がっている。身体に吹きつける風が冷たく、みるみるうちに体力が奪われていく。

10時半頃に十字架のある場所を通過する。今日は何箇所かこうした十字架の立つポイントがある。

11時を過ぎると気温が上がってくる。暖かくなると筋肉がほぐれて歩きやすい。

11時半過ぎにオンタナスの村へ到着。

村に入ってすぐのところにバルがあったので休憩を取ることにする。
するとちょうどバルから出発するところだったマノと出会った。今日は二人の女友達と一緒に三人で歩いているようだ。彼女は今日もう一つ先のカストロへリスまで行くらしい。当初の計画では今日の目的地だった場所だ。
マノを見送った後、テーブルにクリスティアーノが座っているのを見つけた。彼の方も気付き、いつもどおりお互い笑顔で再会を喜ぶ。クリスティアーノのテーブルに同席させてもらうことにし、パン、リンゴ、カフェコンレチェを注文。4.35ユーロ。これまたいつもどおりGoogle翻訳で会話をする。彼は今足の調子が悪いようでオンタナスまでタクシーで来たらしく、今日はそのままここに泊まる予定だそうだ。

顔馴染みと話して元気が出てきた。よし、決めた。カストロへリスまで歩こう。クリスティアーノに別れを告げ、12時過ぎに再び出発する。

この村の教会では中で修復作業が行われていた。これはこれで貴重な光景だったので見られてよかった。

村を抜け、いざカストロへリスへ!と勢いよく歩き始めたはいいものの、早速道を間違えた。後ろを歩いていた男女二人組が「こっちだよ!」と教えてくれた。

ここからは山が増え、オンタナスの手前までとはガラリと風景が変わる。

しばらく歩くと左手に車道を挟んでキャノーラの花畑が広がっている。それを見ながらまたしばらく歩く。

13時半前に何やら遺跡のような場所に行き当たる。どうやらここはかつて修道院だったそうだ。裏手には寄付制のコーヒーやスタンプが置いてある休憩場所があった。喉がカラカラだったので日陰で休憩し、ガブガブと水を飲む。 

再び出発するとすぐに今日の目的地カストロへリスの村が見えてきた。丘の上に何やら建物があるのが見える。城壁のようだ。

目的地が見えて気が緩んでしまったのか、ここからの残り2,3kmの道がとても長く、辛く感じた。最後はフラフラになりながら歩き、14時前にカストロへリスへ到着。

カストロへリスにはアルベルゲがいくつかあるようだが、町の中をしばらく歩いたところにある公営のアルベルゲに泊まることにした。宿泊代は7ユーロ。

今日はさすがに無理をしてしまった。シャワーと洗濯を済ませたら、あとは休養に専念しよう。今まではシャワーと洗濯の後は町を散策したりnoteを書いたりと、時間を余すことなく有効活用しようと忙しなく活動していたが、もっと脳と体を休ませるようにした方がよさそうだ。少なくとも体調が戻るまでは可能な限りベッドの上で横になって回復に努めよう。

今日はカストロへリスまで歩いたことで早いうちに当初の計画に軌道修正することができた。これで遅れを気にせずに済むので精神的にはよかったかもしれないが、肉体的には問題があったかもしれない。仕事でもそうだったが、いつも少し無理をしてしまうところがある。多少ダメージを負ったとしても、その日に出来るベストを尽くさないと気が済まない性格なのだ。そんな性格は巡礼における行動にも表れるようだ。

18時過ぎになってから買い物と夕食に出た。スペインは地域や時期にもよるかもしれないが、17時、18時辺りに気温が最も高くなる。この時間だと日もまだ高い。日本と比べて気温のピークや日の入りが数時間遅れるイメージだ。

スーパーでグミ、のど飴、ビタミンジュース、水を購入。3.78ユーロ。

夕食は事前に目をつけていたピザ屋に行く。

チミチュリ(アルゼンチン発祥のソースらしい)のピザとコーラを注文。15.20ユーロ。とても大きく、本格的なピザだ。

今日は昼前にバルで軽く食べてから何も口にしていなかったのでペロリと平らげる。店員のお兄さんもタトゥーが入った外見とは裏腹にとても優しくホスピタリティのある人だった。
どれだけ大変なことがあっても最後には「いい一日だったなぁ」という気持ちで終わらせてくれるスペインの食べ物と人が改めて好きだと思った。

22時半就寝。

歩いた距離
今日30.5km 合計328.3km 残り452.1km

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