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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #28 【26日目】残り300kmを切る、都会レオンを離れてサン・マルティン・デル・カミーノへ

こんにちは、ナガイです。今日はレオンからサン・マルティン・デル・カミーノ(San Martín del Camino)へ向かいます。
前回の記事はこちら。

天気予報(サンタ・マリーナ・デル・レイ) 曇り 最高気温21℃ 最低気温9℃

6時半過ぎに起床。いつもより遅い時間に起きてしまったが、よく眠れたのでよしとしよう。昨日の真夜中のこと。突然同じ部屋の韓国人の男性に起こされ、「これを飲みなさい」と薬を渡されて言われるがままに飲んだ。その時はあまりに急なことで軽くパニックになり戸惑ったリアクションをしてしまったのだが、彼は自分が夜中に咳き込んでいる様子を見て薬をくれたようだ。今朝になってから改めて男性にお礼を伝えると、彼も少し前に風邪を引いていたそうで、その時に飲んでいた薬の余りをくれたのだそうだ。彼はマンシージャ・デ・ラス・ムラスでも同じアルベルゲに泊まっており、いつも穏やかで飄々とした様子なので気になっていた人だ。名前を聞きそびれたので次会った時に聞こう。

7時半前に出発。まずは朝のレオン大聖堂を拝む。

それから街中を巡礼路に従って歩いていると昨日レオナルドと最後に行ったバーの横を通り過ぎた。昨晩は初対面の人とはしごして飲み歩くなんて不思議な夜だったなぁと思いながら、巡礼に支障が出そうなのでお酒を飲むのはほどほどにしようと反省した。

巡礼路沿いには見たいと思っていたサン・イシドロ・デ・レオン教会やサン・マルコス教会もあった。どれか一つだけでも街のシンボルになるような立派な教会だ。いつもながら大きい街にはもう一泊してみたい気持ちもあり、後ろ髪を引かれる思いがあったのだが、それも何だか満たされたので先へ進もう。

8時過ぎにトロバホ・デル・カミーノ(Trobajo del Camino)の町を通過。この辺りは町が繋がっているので正直どこが境目なのかはよく分からない。

レオンの街を抜けてから、すれ違う巡礼者の顔ぶれが新しくなった感じがする。今日レオンで休養日を取る人達や、昨日までレオンで休養日を取っていて今日歩き始める人達もいるからだろう。

途中で飲食物も売っている休憩所があり、そこにサングラスをしていたので一瞬分からなかったがクリスティアーノがいた。彼は一時はブルゴスに3日間留まらなければいけなかったり、タクシーで移動したりしなければならないほど足を悪くしていたようだが、今日は自分でバックパックを背負い、自分の足で歩けているようだ。その立ち姿を見ているだけで、こちらも何だか嬉しくなる。

9時過ぎにラ・ビルヘン・デル・カミーノ(La Virgen del Camino)の町に到着。

バルで朝食を取ることにする。カスタードの入ったデニッシュがおいしそうだったので、それとアメリカーノを注文。4ユーロ。

9時半頃に再び出発。歩き始めてすぐにシヴとすれ違ったので挨拶を交わす。

町を抜けたところで巡礼路の分岐点がある。左に行くもう一つの道は、昨日レオナルドが距離は長いけどこっちの方がきれいだよ、と言っていたルートだ。一瞬もう一つの道に行きかけたが、十分な下調べをしておらず、ややリスキーだと感じたため、すぐに国道沿いのルートに引き返した。こういうルートの選択にも人それぞれの性格や価値観が出るのだろう。自分は職業柄ついロジカルに物事を考えてしまいがちで、ロジックのない直感での行動というのが苦手だ。一方で、自分の中でロジックが成り立ちさえすれば、周りからは突飛な行動と思えることでも実行できてしまう場合がある。例えば、この巡礼をすることだって、自分にとっては必然といえるほどの理屈があるが、側から見れば直感的で大胆な行動だと思う人もいるだろう。

ただし、何が良い悪いということではなく、まずは自分の性格や特性を認識し、それを踏まえて今後の人生をどう歩むのか、そのヒントをくれるのがこのカミーノなのだと思う。残り300.8kmの道標を通過する。

10時半前にバルベルデ・デ・ラ・ビルヘン(Valverde de la Virgen)の村を通過。ここの教会の上にも巣があり、コウノトリが二羽いるのが見える。

10時半過ぎにサン・ミゲル・デル・カミーノ(San Miguel del Camino)の町を通過。

町を抜けてからしばらくして、前を歩いていた女性が巡礼路のマークの柄の靴下を履いており、それがとてもかわいかったので追い抜きざまに「靴下いいですね!」と声をかけた。彼女は嬉しそうに笑って「ありがとう!」と答えてくれた。せっかくなら靴下の写真を撮らせてもらえばよかったが、彼女の足を止めるのが申し訳ないという日本人ならではの遠慮が出てしまった。

残り294kmの道標があった。いよいよ残り300kmを切った。

12時過ぎにビジャダンゴス・デル・パラモ(Villadangos del Paramo)の町を通過。商店があったのでリンゴとオレンジジュース(を買ったつもりが写真を見返すとリンゴジュースだった)を購入。1.20ユーロ。店の前にあるベンチで少し休憩する。

町を抜けてからは国道と小さい川に挟まれた真っ直ぐな道をひたすら歩く。

13時半前に今日の目的地サン・マルティン・デル・カミーノの村へ到着。村の入口付近にあるアルベルゲにチェックイン。ここは部屋が少し狭いが、設備が新しくてきれいだ。

溜まっていた洗濯物を一気に洗う。一昨日は悪天候で洗濯できず、昨日は市街地の中心にあるアルベルゲで洗濯物を干すスペースが狭かったため、必要最低限の洗濯しかしていなかった。巡礼においては洗濯が済むと一日の仕事を終えたような気持ちになるため、溜まった洗濯物をまとめて片付けると気分爽快だった。

15時過ぎに外へ出かける。この村の公営のアルベルゲの敷地内には謎のタワーが建っており、ネットで調べても何なのかよく分からなかった。村の教会を見てから、遅めのランチを食べることにした。

外観は少し怪しかったが、物は試しということで今日泊まっているのとは別のアルベルゲに併設されたバルに入り、ハムとチーズのボカディージョとコーラを注文。7ユーロ。今まで見たことのないスタイルの巨大なボカディージョだ。味は普通だったが楽しい昼食になった。

19時過ぎに泊まっているアルベルゲ併設のレストラン兼バルへ行く。昨日食べたばかりだがハンバーガーがおいしそうだったのでクリスピーチキンのハンバーガーとオレンジジュース、追加でコーラを注文。14.30ユーロ。このハンバーガーがとてもおいしかった。今のところスペインでのNo.1ハンバーガーだ。今日はここのアルベルゲにして大正解だった。

隅のテーブルで食べているとマノが話しかけに来てくれた。どうやら同じアルベルゲに泊まっているようで、体調はもう大丈夫?と聞いてくれた。一週間前にオンタナスであった時に体調が悪いという話をしたのを覚えてくれていたようだ。お互い明日はアストルガまで行く予定だったので、それじゃあまた明日、おやすみなさい、と言い合って別れた。
アニータとレオナルドに昨日撮った写真を送る。彼らは今日30km以上歩いて一つ先のオスピタル・デ・オルビゴ(Hospital de Órbigo)まで進んだそうだ。明日はアストルガでまた会えるかもしれない。0時過ぎに就寝。

歩いた距離
今日26.1km 合計494.8km 残り285.6km

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