スタバのガムシロップより、ドトールのガムシロップのほうが好きだった。
合法的なトビ方を心得ていた時期があった。
大学院生の頃だ。もちろん薬でもなく、当時はサウナも知らなかった。
俺にとって、最高のブツは、ガムシロップだった。
きっかけは、仲が良い友人がバイト中で疲れたけど休む暇がないときに、ガムシロップをぐいってやってるという話を聞いたことだ。
エナジードリンクなどを飲んで元気になる原理のひとつに、糖分を急にとることでグッ!ってなるのがあるんだと思う。
それに則れば、ガムシロップを単体で一気すれば、効率よく元気になれるというのは道理に合っていそうであった。
大学院生のころ、深夜まで研究したり、学会にでたり、就活に真面目に取り組んだり、元カノに追い込まれたり、バイトしたりと、まぁまぁ忙しい日々を送っていた。
なにより、どんなときでも近くにいる人に面白がってもらいたい気持ちが強かった。
疲労回復&突飛な行動で笑ってもらう、には、いきなりガムシロップを摂取して合法的にトブのは、うってつけだった。
研究室に同期と深夜2時くらいまで残って作業をしているとき、唐突にポケットからガムシロップを一気するムーブをして、同期を笑わせた。
バイト中、接客の合間をみてガムシロップを一気するムーブをして、社員や料理長を驚かせたりした。
インターンで同じ班になったとき、深夜までワークをしてるときに、ガムシロップを一気するムーブをして、「なにやってんのww」を巻き起こした。
常にコートのポケットにガムシロップが4個以上ある状態だった。
ガムシロップがポケットの中で破裂して、ベタベタになることがよくあった。最悪の気分になった。
ガムシロップは、まとめ買いすることもあれば、喫茶店などでもらったガムシロップをコーヒーに入れずに持ち帰ることもあった。
スタバのガムシロップより、ドトールのガムシロップのほうが好きだった。
現在、糖質を気にして米をなるべく我慢している俺の姿をみたら、当時の俺はなんていうんだろうか。
多分、ガムシロップをやめるきっかけくらいにはなるだろう。
健康が一番だ。
でも、いまでもガムシロップをみると、あの日の馬鹿な自分を懐かしんでしまう。
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