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おそらく閉店間際の値引きを狙いに来た者達だ、面構えが違う。

午後7時42分。どう考えても自分が参加している意味を感じられないオンライン会議から無音で立ち去る。

着替えてから外出する準備をするまで約3分かかる。
朝からキンキンに冷やした部屋からでることへの戸惑いは、もうすぐ20時とは思えない夜の明るさと心地よく吹く風のおかげで、完全に無になった。

駅ビル1Fのスーパーまで部屋から徒歩で7分。
間に合う。閉店の20時に間に合う。

閉店間際だっていうのに、めちゃくちゃ人がいる。
某漫画のセリフを引用するとしたら、
「おそらく閉店間際の値引きを狙いに来た者達だ、面構えが違う。」
って感じだった。

店員のお兄さんが海鮮売り場の商品にシールを貼っている。
狙いはつけている。ライバルは多い。

100円引きか?200円引きか?30%引きか?まさか50円引きとか言わないよね?それとも半額か?

みんな無言で、視線は商品棚の値引きシールへと注がれている。
逃げちゃだめだ。気持ちで負けちゃだめだ。

いける。店員のお兄さんが動き出したらそれが合図だ。ほら。

豚の生姜焼き(仮)

半額だった。

本日3回目の値引きだろう。お前もよく頑張ったな。
レジに持っていってはじめて、レディースの文字に気づいた。
寿司に持ち込まれる性別の概念はよくわからない。
まぁ、なんか、メンズが食べてもいいよな、半額だし、みたいな気持ちでレジを通した。

冷房が効きまくっている聖地へと足早に戻った僕は、そそくさとレディース寿司を食べて、またお仕事に戻ったよ。

部屋にタバコの自販機が欲しいね。
Taspo持ってないから、何も買えないけど。


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