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終わりある既来(きらい)へと

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コロナ禍が重度のストレス社会をつくっている現代を生きるすべての疲れを癒したい。そんな想いで日芸時代の傑作小説を公開!
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3️⃣【JK目線で書いたコロナ禍の青春小説】『終わりある既来へと』

3️⃣【JK目線で書いたコロナ禍の青春小説】『終わりある既来へと』

前回🔻

 コロナウイルスは、進化する人工のウイルスなのかもしれない。

 死者の少ない日本のコロナウイルスと、死者の絶えないアメリカのコロナウイルスは別物におもえる。

 たとえば、そう遠くない未来に地球環境が壊滅するとして、月と火星に移住する日が来るとしたら、地球上の人口を減らして、生き残った全員が移り住めるようにしなければならなくなる。

 そのための人類削減計画が秘密裏に進行しているのだ

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2️⃣【JK目線で書いたコロナ禍の青春小説】『終わりある既来へと』

2️⃣【JK目線で書いたコロナ禍の青春小説】『終わりある既来へと』

🔻未読の方は1️⃣から!

 高校の合格通知をみせた途端に、突きつけられたのは、高校からは義務教育じゃないんだから、学費は自分で賄いなさいよ、という母親からの残酷な言葉だった。

 どうやって賄うの、と投げかけた私の質問に、母親は、アルバイトでも始めたら、と他人事のようにつぶやいた。

 それから私が何も言い返せなくなって自分の部屋に退くまで、母は溜まったものを一気に吐きだしてきた。

 あんた

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1️⃣【JK目線で書いたコロナ禍の青春小説】『終わりある既来へと』

1️⃣【JK目線で書いたコロナ禍の青春小説】『終わりある既来へと』

 炭酸水のペットボトルが、スーパーの飲料売り場に落ちていた。

 現役の高校生である私に、年配の目撃者が止めるスキなどなく、細ながい指で、ボトルの腹をつまみ、後悔した。

 ゆるまったキャップが銃声をあげて吹っとび、ペットボトルキャップの弾丸は、私のあばら骨をかすめた。

 ひんやりとした気泡が右手の指紋をくすぐっていて、耐え切れずに溢した私の悲鳴を遠巻きにお客様が聴いていた。

 乾いた音が背後

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