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こどものいびきに潜む危険③(終) By さおり

NYは、だいぶコロナのワクチンが普及してきており周りでも一回めの摂取を受けてきたという知り合いや、摂取を受け終わったという友人も増えてきました。私自身も、先々週も第一回目の摂取してきました。有難いことに軽い腕の筋肉痛以外は、症状も出ずにすみました。1日も早く世界中の多くの人にワクチンの普及が滞りなく行き渡ればと願うばかりです。(下記ワクチン処方の広告「ワクチン摂取を誇れる瞬間がやってくる!」いかにもアメリカらしい。。。)

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さて、気づいたら、子どものいびきに潜む危険も3部作となってしまいました。今回で締めくくろうと思います。(長文お許しください。どうぞ最後までお付き合い願えればと思います。)今週、前述していた4歳の娘の睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)SAS手術が行なわれました。その手術の詳細と術後の経過について今日は書きたいと思います。

《《手術前》》
*10日前:
小児科にて身体的な健康診断(身長・体重・血圧・心拍数・口の中・耳の中)が行われました。
*4日前:
病院にてPCR検査を行い、コロナ陰性であることを証明。 
病院側に書類提出。
とにかく、手術の日を迎えるまで、娘の免疫が低下しないように、風邪などひかないように、本当に気をつけて過ごしました。
彼女が、1日でも早く手術を受けて呼吸が楽になって欲しかったからです。
(手術前に娘と行ったこと)
手術当日に向けて娘には、前から何度か手術についてはお話をしてきました。4歳半は、難しい言葉や詳細は理解できずとも、大人の表情や仕草で何か大きなことが自分に起きるということはわかりますし、パパとママがとてもそれについて心配したり、気にしているし、そのことで何回も病院に通っているということは容易に理解できます。
彼女には、順を追って、何回かにわけて、彼女が話しても大丈夫な時間を見つけては彼女の抱えている身体の問題と、これからどんな処置が行なわれるのかを話して一緒に頑張ることを約束しました。
ただ、不安な気持ちや心配な気持ちはあるのは当然なこと、それはママもパパも同じなこともお話して、それも一緒に分かち合おうともお話しました。家族だから一緒に支え合ってこの問題を解決しようねとも。
娘はこう笑顔で言いました。
「ママ、パパ、手術を頑張ったら、スパイダーマンみたいに強くなれるんだよ、きっと!」小さい子どもの無邪気な感受性は、本当に時に想像を超える言葉を発し、それは私たちの心に真っ直ぐ届きますね。救われます。

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《《手術当日》》
手術の当日、待合室で待っている間、受付の方からもらったシール貼りに夢中になったり、iPadで本を読んだり、家から持ってきたお気に入りのぬいぐるみとお話をしたりと娘と私はなるべく普通に過ごしました。
途中、担当する麻酔科医の先生、看護師さんがどのように処置を行うのかと説明に来てくださり、その後、もう一人、こどもに処置を説明してくれる先生が来てくださいました。

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(子どもにわかりやすく手術の処置を事前に教えてくれる看護師の存在)
娘に「今日は、どうしてここにきたかわかる?」と問い、娘が、鼻の手術にきたのと答えると、きちんとわかっていることを褒めてくれました。
そして、おもちゃのスパイダーマンと本物の医療器具をいくつか取り出し、「今日、手術で使う道具をここにいくつか持ってきたから紹介するね」微笑んでくれました。娘に本物の血圧計を握らせ、スパイダーマンに巻かせたり、脈拍数を測る器具をスパイダーマンの指にテープでつけさせてくれたりと、娘のテンションは大盛り上がり!
まるで本物のお医者さんになった気分。
その後も全身麻酔のために使うマスクを取り出して、娘に好きなシールを選ばせてくれて、好きなシールでマスクを飾り付けさせてくれました。
また、マスクの内側に好きな匂いをつけようねといって、匂いのスティックを選ばせてくれて、マスクの内側に塗り好きな匂いをつけることによって、全身麻酔のマスクをつけることに恐怖心を抱かせることを回避させるというとても素晴らしいアイディア!
そのマスクを持って、手術室に向かったのでした。

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(娘が自分で選んだシールでデザインした麻酔用のマスク。内側にはキャンディーの匂いがするピンクのリップスティックが塗ってある。)

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(手術室で)
手術室のドアが開かれて中に入った時、独特の無機質な雰囲気と4人もの手術着を着ている先生に迎えられてやっぱり緊張感は大人の私でも感じました。
「好きな音楽をかけるから何でも言ってごらん」と言われ、娘に聞いてみるけれど娘は、「・・・・・」うつむき加減で無言なので、覗き込んで聞いてみると「かけなくてもいい。」という絞り出すような声。
緊張しているな・・・。手術台に上るように言われて、手助けするが、上って横たわった途端に、3人の先生があれよあれよ手を伸ばし始めて、娘の上半身にぺたぺたと器具を付け始める。
途端に娘の顔が強ばり始め、目にうっすら涙が浮かぶの見えて、その姿を見てたまらなくなってしまい、それを遮るように私は大声で叫びました。
「ママは、ここだよ!」
「ママだけをみてね!、ママだけをみよう!ママだけ。大丈夫。」

彼女の不安をとにかく消し去りたかった。ぬぐいたかった。
何とか彼女の注意を私にだけむけたかった。その一心でした。
全身麻酔のマスクをつけられて、呼吸をしていく中で、少しずつ意識が遠のいていく彼女を見ながら、そうだよね、事前に説明はされてはいたとしても、手術着を着た見知らぬ大人が数人で、自分の体に何かよくわからないものをつけられたら不安になるし、この子はよく泣き喚かずに逃げ出そうともせずに頑張ろうとしていたんだなって本当に心底褒めてあげたいとそう思いました。

《《手術後》》
(術後の様子で気をつけること)
*痛みどめ(TylenolやIbuprofen)必要に応じてあげる
*38°前後の熱が2、3日続くことがよくあり熱も上がり下がりする。それ以上長引くことがあれば医者に連絡する必要あり。
*耳の痛み
*鼻血
*1週間の運動を避ける
*2週間の間飛行機の搭乗を避ける
*喉の痛み 1週間は、固い食べ物や、乾物、喉を通りにくいものは避けること、また柑橘系の飲み物・食べ物も避けること。

娘の場合、手術の直後は、全身麻酔から覚めた後、自分の身がどこに置かれているかがわからぬ混乱と鼻の奥・喉の痛みで咳き込み続け、しばらくの間大泣きでした。
すぐさま側についていてくれていた看護師が痛み止めのTylenolを処方してくれてお水を持ってきてくれてしばらく落ち着かせるよう抱き抱えたり、トントンしたり、撫でてあげたりしながら、ようやく薬が聞いてきた頃にまた寝落ち。術後3時間は病院で様子をみなければ行けなかったので、そのような様子を繰り返しながら過ごしました。

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自宅へ戻ってからも、痛み止めは必須でTylenolとMotrinを交互に飲ませて飲み、飲めば初日から比較的食欲はありスープや果物は口にできました。
彼女の場合、耳の痛みはなかったようですが、鼻血は何度か出たのと熱は幾度か術後数日の間に出ました。
また夜の間に、悪夢にうなされるということもありました。
もしかしたら、手術台に乗った時の不安感の影響もあるかも?しれませんが、それは何とも言えませんね。

(手術をして彼女の様子で変わったこと)
*朝の寝起きが劇的によくなった。
(ぱちっと目を開ける目覚め。ものすごい変化!!今ままでは、起こしても起こしても地蔵のように動かなかった娘が、起こしたら、自分で起きてきてハグしてくれるようになった。)
*いびきは皆無!寝息が静かにスースーになりました。
*鼻から息がしやすくなった 娘自身がコメント「手術ってすごいんだね!」と。
*椅子から立つことなく食事するようになった。
*これまでのハイパーさが消え、落ち着きさが増えた。今までは、ほんの少しのことで興奮したり、身体を大振りに動かし始めたりしていた仕草が減った。
術後5日間にしてこれだけの変化。それによって親の怒る回数が減り、お互いのストレス度が軽減しました。

最後に
最後の最後まで、読んでくださった皆様本当にありがとうございました。この彼女のいびきや行動について原因追求に至るまで本当に紆余曲折があり、時間がかかってしまいましたが結果的には、発見することができて本当によかったと思っています。今回のことをこうやって詳細に綴ることで、どなたかの助けや何かの気づきになればとも思いますし、子どものいびきに隠れた危険信号と捉えてくだされば幸いです。

では、朗らかな1週間をお過ごしください。

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