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時にはシネフィルな夜「蛇の道」

年に複数回ある障害者枠雇用の求人にトライして4度目の不合格。へこたれるヒマもないので、次へと切り替えますが、それでも本音ではメンタルにダメージは来ています。

こんな時は映画に逃避。

しばらくこんなレビューが続いたら、コイツ、まだ落ち込んでヘタレてんだなと、生温かい視線と適度な距離感で見守っていただければ幸いです。

だからって、よりによってこんなエグい映画を観なくてもと、普通の人の感覚なら思うでしょうけど、オレは自分が追い込まれるほどに、頭の正気のネジが外れてグラグラしたり、根源的な恐怖心でヒリつきオシッコ漏らしそうになる作品を選んでしまいます。

「恐怖は、人間の最も古くて純粋な感情である」というラブクラフト信者だからね、オレ。

怖がってるうちは、まだオレは正常に生きています。

今回、フランスからオファーされた黒沢清監督がパリで撮影してセルフリメイクされた映画が来月公開ということで、四半世紀前のオリジナル映画が現在YouTubeで期間限定の無料で配信されています。

元の作品は、当時の哀川翔主演のレンタル市場のVシネ任侠映画の流れから作られていますが、脚本は「リング」の高橋洋だし、最狂演技の香川照之との共演で、黒沢清監督作となったら、これで普通のヤクザ映画になるわけがない。

下手なホラーより怖い。わけがわからない。ホームビデオ画像が効果的に使われていますが、逆に貞子が出てこない分、余計に不安になったり、粗い粒子画像が何かに見えてきます。

コレは誰にも薦められないな。

己の倫理観や正気が保たれているかを、あえて生理的にキツい刺激を食らって揺さぶることで確認してみたいという、オレのようなモノ好き、サイコパス寄りな方ならば、平気で観られると思いますが、ホラー免疫のない方には金輪際オススメできません。

個人的には、論理的なアプローチに見えつつ生理的な部分の恐怖をジワジワ煽ってくるこの脚本は好きです。フランス語メインで撮られたリメイク新作の主演は、オリジナルの哀川翔から柴咲コウにバトンタッチ。パリ在住の日本人精神科医の設定だそうです。オリジナルの哀川翔の数学塾教師もかなりイカれていましたが、さて彼女はどう演じるのでしょう? 機会があればぜひ新作も観てみましょう。

早い話がこの作品、扱っているテーマも含めて、あえて思い切り気持ち悪くとか、気分が悪くなったりしてみたいという奇特な人だけ観て下さい。ネットがつながれば、もうしばらく無料ですからね。

https://movies.kadokawa.co.jp/hebinomichi/


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