高橋正明

デザインジャーナリスト。インテリア、建築、アート、デザインの取材、記事執筆、翻訳などを…

高橋正明

デザインジャーナリスト。インテリア、建築、アート、デザインの取材、記事執筆、翻訳などをしています。キュレーターとしてDIESELの仕事も。著書に「建築プレゼンの掟」「建築プロフェッションの解法」「次世代の空間デザイン」等。翻訳には「ジェフリーバワ全仕事」など。

最近の記事

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ユニクロ銀座旗艦店のヴォイド

    • ユニクロ銀座旗艦店のヴォイド

      ユニクロ銀座旗艦店を先日見て来た。既存の建物の内部で大胆な改修の建築的提案をする場合、提案の選択肢は限られている。architecture in architectureにするか躯体を露出させるかくらいである。ヘルツォーク・ド・ムーロンは床をぶち抜き大きなヴォイドにした。建築家としてインテリアデザインはしていない。建築系の人はこの躯体しかみないと思うが、これだけのヴォイド周辺の対応にあたったVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)の仕事は大変だったろう。 この仕事はさ

      • なぜ銀座Johanでパンを買いたくなるか

        三越のデパ地下の定番 銀座に行くと三越の地下にあるJohan(ジョアン)でパンを買うことが多い。ジョアンは全国に展開するチェーンだが、私が利用するのはほとんどこの銀座店だけである。ここに来ると商品がどれも美味しそうに見えるので不思議だった。この店では普段他のパン店では手が伸びないような種類のものも美味しそうに見えて、買いたい気持ちを喚起させられる。例えば、シナモンロールなどは普段なら買いたいリストにはほとんど入ってこないパンなのだが、ここで見ると「たまには買ってみるか」とい

        • ウェビナーの演者としての初体験

          JCDトークラウンジ 「タカハシ ツキイチ」という設計者との対談イベントをほぼ毎月(コロナ初期に数回お休みがあったが)担当させていただいて28回目の先月6月、ウェビナー形式に変更されて色々と思うことがあった。 ウェビナーは会場でのリアルイベントと違って、提示する画面はパソコンからダイレクトに反映されるものなので、当然ながら画像は見やすいし、音声もクリアである。ライブ会場でスクリーンに投影される画像やマイクで拾われる音の頼りなさからは開放される。公開されるコンテンツのプレゼン

        ユニクロ銀座旗艦店のヴォイド

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          設計するだけが建築家ではない

          建築家、あるいは店舗内装などの設計者の現実的な職能や仕事の仕方を説明する本はこれまであまりありませんでしたが、なん冊かは出ていました。その中のある本に、「これからは建築家も物件を貸したり、何かを経営したり、定収入を保持していきながら設計のしごとをしていくのが良いだろう」というような意味のことが一行だけ書かれていました。その本が書かれた1990年代のはじめごろまで、建築家は別の仕事で何かを経営しながら本業の設計を続けるという生き方には反発を感じたでしょう。もちろん、今でもそう感

          設計するだけが建築家ではない

          CM動画をつくること・出演すること

          日本商環境デザイン協会の「シンポジウム クラマタを語る 04」(5月21日オンライン開催)で新興プラスチックスさんのCM動画が流されました。当日は放送事故で動画の音声ではなく、会場の音声に切り替わっていました。(会場におられた関係者にはハプニングに気づかれなかったと思いますが)。今回YouTubeにアップされたシンポジウムに入っているものはオリジナルの音声にちゃんと復元修正されています。以下のリンクで1時間02分26秒からスタートします。約5分間あります。よろしければ、まずご

          CM動画をつくること・出演すること

          今夜のJCD 連続シンポジウム 「クラマタを語る」に5分だけ登場します。

          日本の商業インテリアのパイオニア、倉俣史朗。その代表作の一つが透明なアクリルを素材に薔薇を封じ込めた椅子だ。「ミスブランチ」と名付けられたその透明な椅子はデザイン史に残る名作となった。倉俣はアクリルや金属を巧みに使って新しい冒険的な表現を試みた。それまでは意匠や装飾の延長と考えられていたインテリアにアートの要素を取り入れ、インテリアデザインというジャンルに高めたのである。透明度ではガラス以上の樹脂、アクリルはプラスチックの女王とも言われているが、万能の素材というわけではなく、

          今夜のJCD 連続シンポジウム 「クラマタを語る」に5分だけ登場します。

          いまさらだけど、「建築知識」の表紙はすごい!

          いつのころからか覚えていないが、2012年くらいからか、建築雑誌の老舗の一つである、「建築知識」の表紙のデザインが激変した。マンガやキャラっぽいイラストになってネットでも話題になったし、知っている人はとっくに知っていることだが、あらためて思うにすごいことだ。革命的だった。最初の頃は違和感も多少あったが、そのうちなじんだ。どういう経緯で変わったのか知りたい。建築雑誌、建築関係の書籍は大概地味めで保守的な傾向が強い。でも、実は、根っこのところで、それとは逆のベクトルで、というと格

          いまさらだけど、「建築知識」の表紙はすごい!