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ウェビナーの演者としての初体験

JCDトークラウンジ 「タカハシ ツキイチ」という設計者との対談イベントをほぼ毎月(コロナ初期に数回お休みがあったが)担当させていただいて28回目の先月6月、ウェビナー形式に変更されて色々と思うことがあった。

ウェビナーは会場でのリアルイベントと違って、提示する画面はパソコンからダイレクトに反映されるものなので、当然ながら画像は見やすいし、音声もクリアである。ライブ会場でスクリーンに投影される画像やマイクで拾われる音の頼りなさからは開放される。公開されるコンテンツのプレゼンテーションとしては何も心配することがない。

しかし、なんともいえないかたくるしさを感じた。それはたぶん、上に述べたウェビナーの長所から来ているものだと思う。つまり、画面にしっかりと向き合っての講座を必死にやっている受講生になったような感じがしたのである。演る方も見る方も画面をずっと見ていなくてはならないという思いから、少し息苦しい感じになってくるのだ。冗談を言うゆとりもなくなるというのか。人によっては、こういう状況でもリラックスでき、軽口を言うにも問題ない人もいるのかもしれない。あるいは自分も慣れてくれば、いずれそういうふうにできるのかもしれないが。

リアルなイベントなら目線を、あるいは身体の位置や向きを自由に変えることができるし、適宜に呼吸をととのえながら対談の相手なり、スクリーンの画像なりをみる。
おおげさに言えば、ウェビナーには人を拘束するような雰囲気があるように感じる。見る側であるオーディエンスも、全神経を常に集中するよりも、何かしながら見てもいいだろうし、その方が気楽に参加できるかもしれない。

気が付いた問題は目線である。「相手と自分がひとつの画面の中で写っているところ」を見られない、というのが自分にとってはいくぶんかフラストレーションを感じることだった。

ズームを介して自分の顔と相手の顔とビジュアル素材の画面の3点が別個にうつる形式ではなく、一つの画面に同時に3点が画面に出る形のウェビナー・アプリを誰か開発してくれないものだろうか。あるいは、そういうやり方もできるのに、私が知らないだけなのかもしれない。

最後に、バーチャルなイベントでは、会場での人的交流ができないのは言うまでもない。やはりイベントは基本的には、リアルで行い、それをバーチャルを介して広めるのが理想であるし、メリットも大きいのだとあらためて思った。コロナ禍の現在ウェビナーはありがたいアプリであるが、より効果的に行なうにはやり方に工夫がいる。そこをこれから自分なりに模索研究していきたい。




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