お洒落を「学ぶ」｜#エッセイ

BRILLIANT_S

2024年7月3日 14:53

幾つになっても、「お洒落」な人でいたい。ずっとそう思っている。

「お洒落」って何だろう？

ブランドもので固めるのがお洒落だろうか。
自分らしいお洒落を目指すには、どうすれば良い？

これまでお洒落について、試行錯誤しながら「学んできた」ことについて、頭の整理も兼ねて思いつくまま書いてみようと思う。

🌿アパレル業界の内部事情

アパレル業界にいた頃は【お洒落＝トレンド（流行）】だった。

シーズン毎ごとに「次、何が流行るか」を、グループ本社のファッション図書館にある資料や雑誌などで研究したものだ。

１２月末〜１月初めには春物にすべて衣替えし、7月中〜末には秋物を着ていた。ちょうどセールの終盤、店頭に次のシーズンものが並び始めるタイミングだった（今はもっと前倒しになっているかもしれない）。

当時は、衣替えして風邪をひこうと、大汗を掻こうと平気だった。
自分たちが率先してトレンドを着て出歩かないと！という気概があった。
社内ではモノトーンコーディネートが多くて、自分もそんな服を多く持っていた。

🌿「お洒落な人」とは

一方、街なかに出ていて素敵な着こなしのマダム／ムッシュウとすれ違ったり、三都市（パリ、ミラノ、東京）のストリートスナップを載せた雑誌で着こなしを見たりするうち、

「お洒落に見える着こなしは、必ずしもトレンドと直結するとは限らない」

ということが分かってきた。（飽くまでも自分の目に及ぶ範疇だが）。

「私自身が」憧れるような素敵な人たちは、何か共通する揺るぎないポリシーを持っているように見えた。

そこで、探求心が目覚めてきたのだ。

洋服の本場で、普遍的に「良い」とされるスタイルって何？――と。

🌿『フランス上流階級ＢＣＢＧ』

洋服の本場、パリで出版され、1990年代にフランスで35万部を売った大ベストセラー。

男女のファッションだけでなく、ライフスタイル全般に筆が及んでいて、大変興味深い。

パリのBCBGとは？
ベー‐セー‐ベー‐ジェー【B.C.B.G. 】［bon chic bon genre］

パリの上流階級的な、シックで趣味の良いファッションやライフスタイル。

コトバンク

基本はトラディショナル（伝統的）でコンサバティブ（保守的）な着こなし。

「ＢＣＢＧ」の著者ティエリ・マントゥによると、以下の定義がなされている。

流行とＢＣＢＧベーセーベージェーはお互いに相容れないもの。
流行は通過するもので、ＢＣＢＧ族とそのスタイルは永遠に残るものだからです。

「フランス上流階級ＢＣＢＧ」

お金持ちは、「なる、、もの」、ＢＣＢＧは「である、、、もの」です。

ＢＣＢＧ族は「大切なこと」を知っているし、持ち合わせています。ニューリッチ族（引用者註：成金族）が見せびらかさなければいけないのに対し、ＢＣＢＧ族は何も見せびらかす必要はありません。ゆとりがあるからです。

ＢＣＢＧ族には独特の「ルック」があります。

「フランス上流階級ＢＣＢＧ」

このファッションイメージを表現すると、女性なら手塚治虫の漫画の母親が着ているような服（マニアック過ぎるか？）。時代で言うと1970年代前半くらいまでの昭和レトロ。

きちんとしていて、派手でなく、好感度の高い服装。母親が授業参観で着ているような・・・

この本を読んで、「私の目指しているのはこれだ！！」と思った。