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創作って何?#2

どうも、白髪ロン毛おやじです。

創作と聞いてイメージするものは、人によってかなり違います。
創作とはとても大きな概念で、その行為/行為の主体/行為の産物が
多岐にわたり、俯瞰的に捉えることが難しくて断片的な見方になって
しまいがちです。
そして多くの人にとって、創作をする人は特異な存在で自分には縁がない
もので、創作なんてよくわからないし考えたこともないというのが実際の
ところでしょう。

私自身、子供向けの創作クラブを運営していますが、保護者の方に理解してもらうのに苦労しています。
そして、創作というものを理解してもらうためには、
身近なものだと感じてもらうには、
創作の楽しさを知ってもらうには、
どうしたらいいのかを日々研究しています。
 
今回は、創作というもののアウトラインを押さえていきたいと思います。

創作の意味を辞書で調べてみる

Wikiで「創作」の意味を調べると、このように記述されています。

  1. それまでに無かったものを新たにつくり出すこと。

  2. 主体的創造力によって独創的作品をつくり出すこと。また、その作品。

  3. 事実でなく想像によってつくり出すこと。作り事。嘘。

多少解釈を加えると、
新しいものや独創的なものを作り出す行為は全て創作ということです。
また、創作している段階ではまだ世の中や目の前には無いものなので、
事実ではなく想像によって作り出すしかありません。
作り出したものが世間に広まるまでは、作り事、嘘という扱いになる
こともあります。
 
でもやっぱり漠然としていて、何のことやらよくわかりませんよね。

創作物にはどんなものがある?

創作という言葉からアプローチしても埒があかないので、
創作行為の産物である創作物という視点で考えてみます。
早速Wikiで調べると勝手に著作物のページに飛んでしまいました。
仕方ないので日本国語大辞典を見てみました。

  1. 創作されたもの。特に、創作された芸術作品。

  2. 人の知的労力による産物の総称。すなわち、著作物、発明品、実用新案、意匠、商標など。

2つめは掘り下げる余地がありそうなので、知的財産基本法/特許法/
実用新案法/意匠法/商標法/著作権法を調べました。
要するに、「人間が知的創造活動によって作ったもの」を知的財産として国が認定し、創作者の権利を保護する制度です。
知的財産の種類は次のように定義されています。

  1. 発明
    商品/サービス/製造方法などの技術的アイデア

  2. 意匠
    物品/建築物/画像のデザイン

  3. 商標
    ロゴマークやネーミング

  4. 著作物
    言語、音楽、舞踊、美術、建築、図形、映像、写真、
    二次創作、編集物、データベース

だいぶ具体的になってきましたが、ここで注目しておきたいのは、
創造的活動は頭の中で行われ、創造物も頭の中で生み出されます。
頭の中にあるだけだと誰にも内容がわかりませんが、
作品など何らかの形で表出された時点で保護の対象になります。
それでも、保護対象はあくまで作者の創造性という実体のないものであり、
創造性が投影された実体のある作品を保護するわけではありません。
量産品であろうが一品ものの芸術品であろうが、
ブツが破損した時は法的に同じ扱いになります。
作品が盗難にあっても、その創造性を利用しない限りは同じことです。
すなわち、その作品に表されている創造性こそが保護すべき対象であり、
創作物の本質的意味だということです。
ということは、創作という行為は自分の創造性を発揮すること、
自分の頭の中に生まれたものを作品に投影・表現するということです。

創作をしている人はどのくらいいる?

創作の主体はもちろん人間なのですが、実際にものを作っている人は、
どんな人たちで、どのくらいの人数いるのでしょうか。
創造物の具体例をみるとアート系、エンタメ系、実用系、学術系の
4つに大別できそうです。
創作人口というデータは無かったので、使えそうなデータを見繕いました。

国勢調査において職業欄に「著述家」「彫刻家・画家・工芸美術家」
「デザイナー」「写真家・映像撮影者」「音楽家」「舞踊家・俳優・
演出家・演芸家」のいずれかに該当すると記入した人、
いわゆる職業芸術家は全国で40万人程度いるそうです。
また、「映像・音声・文字情報制作業」に従事する、いわゆるエンタメ
産業の雇用者数は100万人ほどです。
そして、建設業や製造業や印刷業など実用的なものづくりに関わる産業
の雇用者数は1500万人ほどですが、全員がクリエイティブな業務に
携わっているというわけではないので、全体の一割くらいと仮定すると
150万人くらいになります。
その他、学術・開発研究機関の雇用者数が4万人弱です。
さらに、趣味でものを作っている人は、データが見当たらないので人数
が分かりませんが、仕事でものを作っている人と同数いると仮定します。
結果として、創作をしている人は日本国民の5%の600万人になります。
仕事でも趣味でもものを作っている人が多くいるので、重複を除くと
3〜4%の350〜500万人といったところでしょうか。

3%というとクラスに一人くらいの割合です。
マーケティング理論の視点で見るとイノベーターの比率が2.5%なので、
それより少し多いくらいであまり違和感はありません。
これを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思いますが、
それほど特殊な存在とは言えないでしょう。

データはありませんが、年齢によっても割合は変わります。
小学生の時はお絵描きや工作などの創造的な遊びが好きだったのに、
年齢を重ねるほどに創作をする余裕がなくなり、
リタイアすると庭いじりを始める、
という流れはイメージしやすいですよね。
心に余裕がある時に、人は創作をしたくなるのかもしれません。
簡単に何でも手に入るこの時代に、わざわざ自分で作ることは
贅沢なことなのかもしれません。
心を豊かにするためには、あえて創作をするのが良いかもしれませんね。

まとめ

  • 創作とは、自分の創造性を発揮し、作品に投影・表現すること。

  • 創作物とは、作った人の創造性そのものを意味し実体のないもの。
    創造性が投影された作品は創造性の宿主のようなもの。

  • 創作する人は、アート系、エンタメ系、実用系、学術系の4種類。
    創作を仕事にしている人と趣味で創作している人を合わせた、
    創作人口の比率は全体の3〜4%。クラスに一人はいる的な存在。


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