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飲食店のリソースを奪うグルメ媒体のメニュー更新

自分とフードテック業界の接点

すこし前になるが、フードテックの事業部にいたこともあり、飲食店の課題についてはアンテナを高く持っていた。
IT企業にありがちな話だが、現場を知らないから、当然業界の課題を深く知らない。
だからどうしても仮説から入り、デプスインタビューに時間がかかって挙句森に迷ってしまう。

上層部が納得できる収支計画に理解が得られて、開発部隊を動かせる承認を得る。
そこからPoCにこぎつけるまでも一苦労だし、プロトタイプが仕上がってからパイロットユーザーに使ってもらい、フィードバックをもらいながらチューニングをかけていく。
フィードバックが的はずれだとずぶずぶと沼に落ちていく。
当時、すでに先行プレイヤーの耕した市場で差別化要素を見出し戦おうと、競合他社の情報を必死に集めていた。
市場開拓するのも、なかなか困難を強いられるが、業界を知らない後発プレイヤーが入っていける隙間などなかなかあろうはずもない。
あえなく、その事業はクローズしてしまい我々企画営業は自らの力不足に涙をのんだ。
事業はしぼんでしまったが、当時の企画の組み立てやクリエイティビティを買われ、マーケ部門でコンテンツサイトの立ち上げに任命され今に至るわけだが・・・

そんなフードテック事業時代の恩恵は、飲食業界のコネクションができたことだと思っている。
今でも、飲食関係の企画やコンテンツができた折にはレビューさせてもらうメンター的な澤山さんからは今も多くを学ばせてもらっている。

超多忙な飲食業界の情シスにいながら牙を研ぐことを忘れない野心家なのだが、彼からでてきた飲食業界の課題はいつも血が通っている。
現場に立ち続ける彼の弁だから疑いようもないが今日は、その中からひとつ紹介したい。

グルメサービスは真っ赤通り越してもはや血の海

ご存知の通り、グルメサイトの集客力は飲食の世界においてかなり強大である。
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメの三強に、RETTYや一休、OZmallが続く。
これらのほかにも独自性を打ち出すサービスはどんどん出てくるしインフルエンサーマーケティングや新興アプリなどプレイヤーは生まれては消えていく最も競争力の過激な真っ赤か過ぎる海だ。
ここにきてGoogleMapが存在感を強めているし、デジタル台帳サービスの先駆者TORETAもGoogleマイビジネス対策支援事業に乗り出していくことを表明している。
長く続いたグルメサイトの天下に陰りが見え始めているのは確かだが没落にはまだまだ時間がかかるだろう。
現実に、グルメサイトに集客依存している飲食店は多く従量課金に苦しめられながら不満を口にしつつも手を切れないでいるのだ。

グルメサイトと上手に付き合えるか

じつは、このグルメサイトと飲食店が上手に付き合うには苦労も伴う。
というかコツもいる。
例えば、飲食店はグルメサイトの更新作業に手間を取られる。
本部と現場でしっかり役割が分担されているならばその苦労は店舗にはのしかからないかもしれないが多くの飲食店はそうではなかったりする。
グルメサイトの更新作業はどのようなものがあるのだろうか。
①在庫席数
②季節メニューの更新

「在庫席数」とは、一般の方は聞きなじみがないかもしれないが例えるならばホテル予約サイトにおける部屋の数である。
予約サイトでは空室以上の数が予約可能になることはない。
10室しか空いていないのに、12室分の予約が入ってしまったらダブルブッキング、オーバーブッキングという事態を招いてしまうからだ。
部屋数が足りない。
これは事故以外のなにものでもない。
このようなバッティングが起きないように飲食店でもキャパに見合った席数以上を予約に割り当てるという危険は冒せない。
さらには、飲食店は回転を考えなければならないし、ウォークイン(予約なしの当日客)の来店のためにも席を用意しておかねばならないので最適化を目指してもなかなかうまくいかない。

在庫席数に関しては、サイトコントローラーという機能が徐々に浸透しつつあるのでここで大きく取り上げることはしないが、本日フォーカスしたいのは②の季節メニューの更新である。

澤山さんから熱心に説明を受けるまで何のことかまったく理解できなかったがこういうことだ。
グルメサイト上では、コースメニューを定期的に更新する必要がある。

なぜなら、ずっと変わらないコースメニューばかりだと飽きられてしまうしグルメサイト上の上位表示という観点からも不利に働く。

更新おろそかリスク

わかりやすく言うと、2月になっているのに忘年会飲み放題コースがドーンと乗っていたら、なんかずさんなお店だなという印象はぬぐえない。
旬の魚を売りにしているお店なのに、旬のサンマ食い放題コース。
おいおいもう春だぞ!って突っ込み入りますわな。

そんながっかりを避けるために、定期的なメニュー更新はお店の努力すべきポイントらしいのだ。
だが、このメニュー更新がくせもので、項目にしてなんと30もあるという。

ただし、全部を刷新するわけではなく必要な箇所だけちょいちょいと直してしまえばいいのだが抜け漏れがよくよく起こるというから笑い事じゃない。
「仕事なんだからちゃんとやれよ。」
ですむはずなのに、これが珍しくない。
読みながらうんうん言ってる店長の顔が目に浮かぶようだ。

画像1

店舗数×コース数×変更項目×媒体数
つまり、5店舗あり、コースが8個あり、変更項目が5個あり食べログ、ぐるなび、ホットペッパーの3媒体を運用していた場合

なんと、600箇所の変更が発生する。
これ、なかなかの作業不可ですよね。
RPA使って自動更新かけてしまいましょうよって言いたいところだが飲食店にそれはなかなかハードルが高い。
(コスト的にも、運用も)
そのため、まあまあの規模の飲食店は媒体更新の代理店に委託している。

更新ポイントnote

まあ、間違いくらいするよ人間だもの。
と笑って済ませてくれるような人たちばかりなら課題として取り上げていない。
実際はこんな状況。

予約シーン

支払いシーン

まとめ:こんな不毛なやり取りをなくしたい飲食店はどうすればよいか

長くなってしまったが、見かねた澤山さんはここを解決しようと思い立ち自動更新プログラムを書いてしまった。
これはもう、情シスの鑑。
拡販したいとかより先にお店の利益保全を第一に考えてプライベートタイムを削り完成させた。

媒体更新のセミオートシステムがあれば手元で簡単に更新ができ、工数の大幅圧縮になる。
※RPAでも解決できるが、飲食店にとって大掛かりすぎるため運用はハードルが高い
彼は、せっかく作ったので苦しんでるお店に使ってほしいと言っているので紹介すると行う作業は
<更新プログラムの作業内容>
①現状の表記をスクレイピングし取得する
②変更箇所を作業者が変更する(手作業)
③対象ページ(グルメサイト)に一斉に更新をかける
ご興味あれば、お声がけくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。

BOSYUも利用してみました→https://bosyu.me/b/x84QxyA366I
澤山さんに直接話しかけてみても喜ぶと思います。→https://note.com/ts08191982/n/nc75dab63c14f



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