一休禅師に学ぶリーターの危機管理の心構え
はじめに
リーダーとして日々の業務をこなしていると、危機的な状況に直面することがあります。
そんな時、私たちはどのようにしてその困難を乗り越えるべきなのでしょうか?
室町時代の禅僧、一休さんの遺言には、そのヒントが隠されています。
一休さんは、京都の大徳寺の住職として、数々の知恵と洞察を残し、
一休さんのユーモアと実践的な教えは多くの人々に影響を与えました。
彼は「将来大変な危機が訪れた時にはこの箱を開けなさい」と言い残し亡くなりました。
後世、大徳寺が危機に瀕した時、いよいよその箱を開ける事になり、
多くの僧侶が息をのんでその箱を空けると、
小さな紙に「大丈夫、何とかなる!」という言葉が書かれていました。
このエピソードから、リーダーシップの本質について考えてみましょう。
危機管理のプロとしての自負
私は若い頃から、最悪の事態を想定して準備することが重要だと考えてきました。
鉄道の総務部長時代には、会社のBCP(事業継続計画)を策定し、危機管理や危機管理広報を学びました。
東京スカイツリー開業プロジェクトでも、危機管理広報を成功させ、「危機管理のプロ」としての自負がありました。
実際の危機と対峙した私の経験
半年前、精密検査の結果、すい臓に腫瘍が見つかりました。
大学病院で様々な検査を受ける中で、私は最悪の事態を想定し、遺書を書くほどの精神的な動揺を経験しました。
しかし、かなり詳細な検査が進んで行く中、最終的な検査結果は問題がない、というもので、全ての心配が「取り越し苦労」に終わりました。
この経験から学んだ教訓としては。
学んだ二つの教訓
泰然自若の重要性
私たちはいつか必ず死に直面します。その時にどれだけ泰然自若として対応できるかが、最高のリスク管理なのだと思います。
日頃からリーダーは心の積極化に取り組み、どんな事態にも動じない胆力を養う必要があります。
一休さんの「大丈夫、何とかなる!」という大確信の言葉は、まさにその象徴です。
一休さんの逸話には、彼がどんな困難にも動じずに対応したエピソードがたくさんあります。
ある時、弟子が「どうすれば恐れを克服できるか?」と尋ねた際、
一休さんは「恐れは心の作り出す幻影にすぎない」と答えました。
どんな状況でも心を静め、冷静に対処することの重要性を説いています。
心の積極化と取り越し苦労厳禁
良い事が長く続かないように、悪い事もそんなに長くは続きません。
そして結果は、どれだけ深刻に心配しようが、心配しまいが、
それほど大きくは変わりません。
しかし、心を消極的にしてしまうと、消極的な事柄に過剰に反応するようになります。
何かが起こった時こそ、リーダーは心を積極的に転換し、
哲学者・中村天風の教えの通り
「取り越し苦労厳禁」を実践することが重要です。
一休さんの「大丈夫、何とかなる!」という悟りの言葉も、心を積極化することの大切さを教えています。
具体的な行動指針
1.毎日の瞑想と心のトレーニング
リーダーとして、毎日数分でも瞑想を行い、心を静める時間を持ちましょう。
起こっている事が、どんなに困難でも、まずは冷静に対処できる心・胆力を養うことが先決です。
2.ポジティブな自己対話の実践
心が消極的になりそうな時こそ、「大丈夫、何とかなる!」と自分に言い聞かせる習慣を持ちましょう。
そのことで消極的な思考をいったん断ち切り、現実を冷静にフラットに見ることができ、正しい自己対話による解決策が生まれてくるように思います。
取り越し苦労を手放す
計画を立て、最善を尽くした後は、結果について過度に心配するのをやめましょう。
心配事が頭をよぎるたびに「取り越し苦労だ」と意識して手放す努力をしましょう。
まとめ
リーダーにはリスク管理も重要ですが、それ以上に胆力を養うことが大切です。
常に最悪の事態を想定することは必要ですが、それに囚われ過ぎず、心を積極的に保つことが求められます。
一休さんの「大丈夫、何とかなる!」という言葉は、困難に立ち向かうリーダーの姿勢を教えています。
この教訓を胸に、これからもリーダーとして成長して参りましょう。
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