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君へ

桜の花びらを拾いました君の机で
君の机に触れました
寝てる君に触れようとしました
触れることはできませんでした
君の髪が揺れていました
君は少しくすぐったそうにしました
私はそれを普通に 普通に見えるように払ってあげました


君が私に笑いかけました
私は君に言いかけそうになりました
何も言えませんでした
君は行ってしまいました 
私はいつまでもひとりぼっちになりました


君に恋していました
君には言えないけれど
私にも秘密にしていました
秘密にしようとしました
君が大好きでした
君は友達でした
今でも私の友達でした


何か言えたら変わっていたのでしょうか
何も変わらずにいられたのでしょうか
何かを変えることはできたのでしょうか

好きとわざと君に言いました
君は笑ってくれました
笑って誤魔化してくれました
私も好きだよと言ってくれました
それは私の好きとは違うようでした

君を愛したいと願うのは罪だったのでしょうか
愛されたいと願うのは罪だったのでしょうか
私は何か罰を受けなければいけないのでしょうか


夏の声が聞こえてきました
私は手に持っていたシャベルで夏を殺しました


遠くでセミが鳴いていました 
いつまでもこだましていました



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