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実はよく知られていない手術室看護師の仕事〜外回り看護師〜


こんにちは。
手術室看護師のnanaです。

前回は器械出し看護師に焦点を当てたので、今回は外回り看護師の役割と重要性について焦点を当てたいと思います。

手術室外回り看護師とは?


手術室外回り看護師は、手術室に入る前後の患者さんのケアを専門的に担当する看護師のことを指します。手術の前、患者さんとのコミュニケーションをとり、手術中や手術後の状態をモニタリングし、患者さんの安全と快適さを確保します。



1.患者さんとの最初の接点


手術室外回り看護師は、患者さんと最初に接する医療プロフェッショナルです。手術前、患者さんは緊張や不安に包まれています。外回り看護師はその不安を和らげ、患者さんに寄り添います。患者さんがリラックスし、手術に備えるためには、信頼性のある看護師の存在が欠かせません。

2.アセスメントと看護計画


外回り看護師は患者さんのアセスメントを行い、それに基づいて個別の看護計画を立てます。これには患者さんの健康状態、既往歴、アレルギー、疼痛の有無などが含まれます。手術室内ではこの情報が欠かせず、適切なケアを提供するための基盤となります。

3.手術室との連携


手術室外回り看護師は手術室内のスタッフと連携し、手術に備えます。患者さんのアセスメントや看護計画を手術室のスタッフと共有し、手術のスムーズな進行をサポートします。同じ手術でも、患者さんの個別性や医師の要望により、体位や医療機器の配置が変わることがあります。外回り看護師はこの調整を行う役割を果たします。

4.アレルギーとの向き合い方


アレルギーは手術室での重大なリスク要因の一つです。患者さんのアレルギー情報はカルテに記載されていることがありますが、直接患者さんと対話することで新たな情報が明らかになることもあります。例えば、カルテには記録されていないが、「実はくだものを食べると痒くなる」といった情報が患者さんから得られるかもしれません。アレルギーに関する情報共有と対策は、手術の安全性を高める要素として非常に重要です。

5.手術中のモニタリングと対応

手術室外回り看護師は手術中も積極的に関与し、患者の安全を確保します。手術中には多くの薬剤が使用され、アレルギー反応のリスクが高まります。外回り看護師は麻酔科医と連携し、迅速にアレルギー反応に対応できるように患者の状態をモニタリングし、直接確認します。また、手術中に手術以外での身体損傷を防ぐためにも、患者の体位や周囲の状態を確認し、適切な対応を行います。

6.手術室外回り看護師の役割の総括


手術室外回り看護師として、手術室の患者さんに対する第一の看護提供者としての役割を果たします。患者さんとのコミュニケーション、アセスメントと看護計画、手術室との連携、アレルギー対策、手術中のモニタリングと対応、そして手術後のケア、これらの要素が手術室看護師としての仕事に含まれます。その役割を尊重し、専門的なスキルを磨くことが、患者のケアの向上につながります。



手術室外回り看護師のトレーニングとスキル


手術室外回り看護師としてのトレーニングは、看護学校での基本的な看護教育の一部として提供されますが、実務経験と継続的な学習が重要です。以下は、手術室外回り看護師が必要とするスキルとトレーニングについての詳細です。

1.コミュニケーションスキル


手術室外回り看護師は患者さんと直接対話し、不安や疑問に対応する必要があります。コミュニケーションスキルは、患者さんの信頼を築くために不可欠です。また、手術室内での情報共有や連携もスムーズに行うために重要です。

2.アセスメントと看護計画


患者さんの健康状態を正確に評価し、適切な看護計画を立てる能力は、手術室外回り看護師の基本的なスキルです。これにはアレルギーや既往歴の確認、疼痛の評価、心肺機能のモニタリングなどが含まれます。

3.医療知識


手術室外回り看護師は、手術の種類や手術に使用される医療機器に関する深い知識を持っている必要があります。また、患者さんが持つ可能性のある既往歴やアレルギー、術中合併症についても把握しておく必要があります。

4.アレルギー対策


アレルギーは手術室での大きなリスク要因です。外回り看護師は患者さんからアレルギーに関する情報を収集し、手術室内でのアレルギー反応に備える必要があります。アレルギー対策には、特定の薬剤を使用しないようにする、特定の物質や器具を避ける、必要に応じてアレルギーに対する薬剤を用意するなどが含まれます。

5.ストレス耐性


手術室外回り看護師は、高度なストレスの状況で働くことがあります。手術室では不測の事態が発生する可能性があるため、冷静な判断力とストレス耐性が求められます。

6.チームプレイヤー精神


手術室は多職種のチームで成り立っています。外回り看護師は医師、麻酔科医、手術室のスタッフと協力し、患者のケアを円滑に進めるためにチームプレイヤーとしてのスキルを発揮する必要があります。


手術室外回り看護師の日常業務


手術室外回り看護師の日常業務は多岐にわたります。以下に、彼らが日常的に行う主な業務を紹介します。

1.患者とのコミュニケーション


手術室外回り看護師は、患者さんとのコミュニケーションを通じて患者さんの状態や不安を把握し、リラックスさせる役割を果たします。手術の前に患者さんに手術の詳細を説明し、質問に答えたり、不安を和らげたりすることが求められます。

2.アセスメントと看護計画


患者さんの健康状態を評価し、看護計画を立てます。これには術前のアセスメント、既往歴の確認、アレルギー情報の収集、疼痛の評価などが含まれます。看護計画は手術室内でのケアの基盤となります。

3.手術室との連携


手術室外回り看護師は手術室内のスタッフと連携し、患者のケアを調整します。手術室内での体位や医療機器の配置などの調整は、外回り看護師の役割です。情報共有と連携を通じて手術のスムーズな進行をサポートします。

4.アレルギー対策


アレルギー対策は手術室外回り看護師の重要な業務の一つです。患者さんからアレルギーに関する情報を収集し、手術室内でのアレルギー反応に備えます。アレルギーに対する適切な対策を講じ、患者の安全性を確保します。

5.手術中のモニタリングと対応


手術中は患者の状態をモニタリングし、アレルギー反応や術中の出血、その他の異常に対し速やかに対応します。麻酔導入から手術終了までの短い時間の中でも、患者さんに合わせた個別性のある看護を提供します。また、医療機器の正確な操作も求められます。

6.手術後のケア


手術後、患者の循環や呼吸状態を麻酔科と共にモニタリングし、退室しても問題がないか状態をアセスメントします。また疼痛や嘔気の有無を確認し、必要に応じて薬剤の投与を麻酔科が行い、患者さんの苦痛を少しでも取れるよう援助することが大切です。また、手術前に行った身体情報などのアセスメントと比較して身体損傷の有無を確認することも重要です。

まとめ


手術室の外回り看護師は、手術の舞台裏で患者さんの安全と快適さを確保する専門家です。手術室のスムーズな運営と患者のケアに欠かせない存在でありたいと思います。患者さんとのコミュニケーション、アセスメントと看護計画、手術室との連携、アレルギー対策、手術中のモニタリングと対応、手術後のケアといった多くの役割を担い、それが手術の成功につながります。

手術室外回り看護師としてのトレーニングとスキルは高度であり、医療知識やアレルギー対策、チームプレイヤー精神が求められます。私たちは患者さんとのコミュニケーションから始まり、手術室内での連携、手術中のモニタリング、手術後のケアまで幅広い業務を行う大事な仕事であると思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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