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100%の人を楽しませる小説はない

できるだけ多くの人に楽しんでもらえるような小説を書いているつもりですが、全員を楽しませることはできません、残念ながら。
人によって好みも読書経験も違いますし、読んでいるときの気分によっても楽しめるかどうか変わってきます。

では、何%の人を楽しませるつもりで書くべきなのでしょうか。村上春樹さんが、全人口の5%ぐらいは本を読まないといられない人で、その人に向けて物語を書きたいというようなことを言っていました。
5%でも、日本人の500万人、もしも全員が本を読んでくれれば大ベストセラーです。
もちろん、500万人の本好きが自分の本を読んでくれるわけではありません。著者を知らないでしょうし、それこそ好みがあるでしょう。

読者を想像するとき、僕は学校のクラスをイメージすることがあります。いろんな性格の人が放り込まれる教室で、僕の本を読んでくれそうな人の顔を思い出すようにしています。本好きかどうかというより、趣味とか性格で、ああ、この人ならこの物語が好きだろうな、面白がってくれそうだと想像して、書いています。
クラスにひとりいれば、全体の5%ぐらいになります。それぐらいの割合の人が楽しんでもらえる作品なら、商業的にも成功するはずです。



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