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初めての芥川賞

芥川賞と直木賞の受賞者が発表されましたね。受賞された方おめでとうございます。
僕にとっては商業デビューしてから初の芥川賞直木賞の発表になりました。言うのも恥ずかしいですが、僕の作品は候補作にノミネートされていませんので、受賞するはずがありません。だけど、小説が刊行されれば候補作に入る可能性はゼロではありません(いや、ゼロか)。そういえば、芥川賞直木賞って、電子書籍は対象外なんでしたっけ。
調べたら、「日本文学振興会」のサイトに対象作品が記されていました。電子書籍については言及されていませんね。

Q. 芥川賞・直木賞の違いを教えて下さい。



A. 芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。

芥川賞は同人雑誌に掲載された作品も対象なんですね。初めて知りました。
直木賞は単行本が対象とあるので、同人雑誌や文庫本は対象外なんだ。これも知りませんでした。昨年刊行した拙作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」は文庫本なので、直木賞の対象外だったんですね(繰り返しますが、対象内だからってノミネートされるとは想像できませんが)。

大昔(中高生の頃)は、芥川賞に憧れていました。村上龍さんの小説を読んだのが、きっかけでした。学生の僕にとって衝撃的な内容でしたね。
当時書いた小説を思い返してみると(手書きだったので、現存していません)、エンタメではなく、良く言うと純文学っぽい、悪く言うと青臭い文章でした。他人に喜んでもらおうとはほとんど考えてなくて、自分の好きなもの好きなように書いていました。
応募した文学賞も純文学系が多かったですね。

当時の作品を読んでくれた方に「もっと面白い物語が読みたい」と言われてエンタメ系の小説を書くようになりました。遅かったですが、そのとき初めて読者を意識しました。
それからは読みやすい文体に変更して、物語に起伏をつけるようになりました。エンタメ系の映画や小説を参考にして、人に面白く感じてもらうことを意識しました。
でも、比喩とか表現とか、まだ純文学系の匂いが残っている気がします。物語全体からすると不要な表現が多いので、推敲するときに削ることが多いです。

エンタメ小説家ということは単行本を刊行できれば、僕の作品も直木賞の対象になるのですが、遠すぎてとても考えられません。まずは単行本を刊行しないと(さっきまで文庫本が対象外と知らなかったのですが)。

芥川賞直木賞が欲しいかと問われれば、そりゃあ欲しいです。賞を取れば、より多くの人が作品に興味を持ってもらえるし、読んでもらえます。小説を書く目的は、他人に読んでもらうことですから、そのために作品名が人の目に触れるのはとても大事なことです。
たくさんの本の中で選ばれるためには、受賞しているかどうかはとても大きいです。

あと、候補作に選ばれて、選考会の結果を待ちたいですね。
去年、ポプラ社小説新人賞の最終候補に選ばれてから選考結果を待つまでの間、まあドキドキしましたし、ヒリヒリしました。
人生のうちで、あれだけ痺れた時間はなかったんじゃないかなと思います。
最終選考に選ばれたのが初めてだったし、当面小説新人賞に応募することは考えていないので、あのヒリヒリ感を味わせるのは、デビューした小説家の賞を受賞するしかありません。
直木賞の最終選考に残ったら、そりゃあヒリヒリするでしょう。よく、編集者の方と喫茶店や会議室で待っている様子がテレビに流れたりしますが、あれって、独特の雰囲気ですよね。
小説家ってひとりで作業することが多いですが、あの場面って、チームで頑張っている感じがしていいですよね。
直木賞じゃなくても、いただけるものはなんでも欲しいですけどね。本を手に取ってもらうために。


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