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我が家には新聞とカレンダーしか文字がなかった

7月27日の毎日新聞全国版朝刊(一部モザイク加工)

子供の頃、僕は新聞をよく読みました。僕が生まれるまで我が家には本が一冊もなく、新聞とカレンダーしか文字が書かれたものがありませんでした(学校に入ると、本を買ってもらえるようになりましたが)。
だからか、僕は文字に飢えていて、新聞を隅から隅まで食い入るように読んでいました。特に中学のときに小説を書こうと思っていたからは、できるだけ広い知識を取り込もうと、新聞のすべての記事を理解しようとしました。
毎日読んでいると、最初はよくわからなかった国際面や経済面の記事もなんとなく意味がわかるようになってくるものです。あの頃に修得した知識は、世界の形を理解するのに今でも役立っている気がします。

新聞を読んでいて、不思議に思ったのが、書籍の広告でした。
一面の下段には書籍の広告がいつも並んでいました。「がんは寝て治す」とか「インカ帝国3万年の呪い」みたいな結構おどろおどろしいタイトルが多かった印象があります。
誰がこのような本を買っているのか(結構良いお値段していました)、謎でしたね。
最近の広告は、そんなに際物ではないようですが。

7月27日の毎日新聞朝刊(全国版)に「夏のピルグリム」の広告が掲載されました。自著では、初めての広告掲載です。
最近はネットでニュースを読む機会も増えたので、久々に新聞の広告をじっくり見ました。
「夏のピルグリム」の広告が掲載されていたのは三面で、別の紙面にも書籍の広告がありました。毎日新聞は土曜日に書評欄があるからなんですね、きっと。
新聞を紙で読む人は減ってきていますが、昔の僕みたいに文字に飢えている人が新聞を熱心に読み、広告から新しい本の存在を知る人は今でもいるんじゃないでしょうかね。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より発売中です。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら書店で手に取ってみてください。善い物語です!



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