自慢と昔話と説教を避けて生きていく
会社員時代、他人に話さないと決めていたことが3つあります。それは、自慢と昔話と説教です。
人は歳をとると、先達者として親切心で後輩へあれこれ教授したくなるもののようです。
でも、自身の成功を語れば、それは自慢話だし、生存者バイアスがかかった話でもあるし、自分が過ごした頃とは時代も異なるので、どこまで現代に役立つか不明です。
だから、過去に関しては笑い話以外は喋らないことにしていました。
過去形なのは、昨年商業出版してから、作家になった経緯について訊かれることが多く、会社員時代の話やデビューした経緯について話したためです。
インタビュアー(と、その後ろにいる読者)の興味を引くために、どうしても派手な話をする必要があり、どうしても自慢話っぽくなってしまいます。自慢するつもりはないんですけど、まったく。
本の紹介なら、本来は小説の中身についてだけ説明すれば良いのでしょうが、新人の場合、作家の人となりに興味が行きがちです。出版を重ねていけば、作家が理解されて小説そのものに注目が集まりそうです。
次回作や、その次の作品で、「この作家はこういう作品を書くんだ」と知ってもらい、作品そのものに注目してもらうようにすべきなんでしょうね。
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