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駄々くらいこねさせてよ



先日夫から本を勧められたので、私も最近読んで印象に残っている本を紹介しようと思う。(前回のブログも是非)


読んだのは、phaさんの【しないことリスト】だ。


表紙に惹かれて今年の頭あたりに購入し、やっとこさ読んだこの本。

情報が多いこの世の中では、何かをしないといけないと思わされる場面が多い。
しかし、実は世間でしなくてはいけないと思われていることは、自分の人生にとってそこまで必要ではないことが多い。
だから自分なりの価値観を身に着けて、しなきゃいけないことを捨てていこう。

そんな良い意味で緩い生き方を教えてくれるこの作品に触れ、心が軽くなった人は、私含めてたくさんいるのではないだろうか。


そして、その中で私が一番印象に残った内容が、“感情を殺さない”ことだ。

本の中では、
「もうなにもかもダメだ」と、生きてたら誰もが遭遇する落ち込む場面になった時、
床に仰向けに寝転んで手足をバタバタさせたり、髪の毛をかきむしりながら、「ウオーッ、もうダメだ、どうすればいいんだ!」と何回も口に出す行為をすると少しだけ気分を持ち直す
という内容が書かれていた。

私はこれを読んで深く何度も頷いてしまった。

人は年齢を重ねるにつれて、良い大人なんだからと理性が働いて様々な感情を殺すことが多い。
それ自身を自分で意識していない人も多いと思う。
しかし、感情は殺したからといって、なくなっているとは言えないだろう。
きっと心の奥底に隠してるだけで、吐き出す場面がないと隠す場所もなくなって、いつか溢れ出てきてしまう。
年齢を重ねてきて、そんな人を見る場面が増えたように感じる。


そして、この“感情を殺さないこと”を読んで思い出したのが、私の大好きなポッドキャスト番組『OVER THE SUN』だ。

ジェーン・スーさんと堀井美香さんのコンビで、心にくる名言がたくさん生まれるこの番組。
その中で、私も大好きなエピソード54 “大人だって、こねたい駄々はある。”を思い出したのだ。


この回では、アラフィフになり、物分かりの良い大人の顔でやり過ごす日々の中で、ジェーン・スーさんの「なんか駄々こねたくない?」という一言をきっかけに大人の本音が膨らんでいく。
時には赤子のように泣き出したい、床に大の字になって駄々をこねたい!と。
堀井美香さんも、「人に迷惑をかけずに思いっきり駄々をこねたいね。みんながみんな、自分ファーストでいる。誰かが“駄々穴”を開けさえすれば、みんな駄々をこねやすくなるかも。」と話しており、
若造である私のような立場でも、同意せざるを得ない本音を語る二人の声を運転中に聴き、改めてOVER THE SUNを大好きになったのを覚えている。


そして現在、結婚した自分がどうかと思い返してみると、案外駄々をこねているのではないかと感じる。

こんなことを書いて恥ずかしい気持ちがないわけではないが、正直に話すと結構私は家で叫んでいることがある。
「あー!」「うー!」と自分が赤ちゃんかのように。
それも一人ではなく夫の前でだ。

そうすると夫は「どうしたの」と声をかけてきてくれたりするわけだが、別にどうしてほしいというわけではないのだ。
ただ駄々をこねて甘えたい、それをすることで何かスッキリした気持ちになる、本当にこれだけなのだ。

自分でも何故そういうことをしてるのか、何故それをすることで気持ちが軽くなるのか分からない部分もあるが、とにかく定期的に駄々をこねることは私の精神安定に役立っていると感じる。

もしかしたら、赤ちゃんのような感情丸出しの状態になっても、自分のことを見捨てない、そんな相手がいるということが安心に繋がっているのかなと考えたりする。

まあ、理由なんて置いといて、自分が信頼できる人の前で(相手がいなくて一人の時でも)、時々駄々をこねるのは気持ちいいよということだけ伝えたい(笑)


こうやって、読んだ本を勧め合える関係も良いなあと、綴りながら思う今日この頃。
夫よ、また散歩がてら一緒に図書館に行こうではないか。
そして夫も、たまには駄々をこねていいんだよ。


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