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ハチミツ二郎著「マイ・ウェイ」を読んで、夫婦のことを考える(読書感想文。ネタバレあり)

ハチミツ二郎さんのnoteの記事を一気読みし、どハマり!最近のものも欠かさず拝読しているので、本著の内容は、その日記の前譚というか、そこに至るまでの「ハチミツ二郎」その人の生き様が刻まれた、まさに「遺書」のよう。(実際に最初はタイトルを「遺書」にしようとしたらしい。)書かれているエピソードやその登場人物の数々には、お笑い好きな人には堪らない内容だと思う。人として一本筋の通った、周りにも優しく気遣いが出来るナイスガイ・ハチミツ二郎が、誰でもない本人の言葉で、これまでの芸人人生やプライベートを、赤裸々に綴る。

私は、どこにでもいる中年男性なので、男気と情熱を燃やして何度も立ち上がり闘う二郎さんには憧れる。到底、自分はそうはなれない。「自分はどう生きるべきか?」私が読後に出した結論は、「夫婦」「両親」を続けるには「健康」って、大事!ということ。

離婚の原因となった奥さんの浮気(不貞行為)。その背景には、二郎さんの2度の瀕死の病と、ドナーの件があったのではないかなあと。

ハチミツ二郎さんは、お子さんが生まれる前は、もう「飲む打つ買う」を地でいくような「生き様としての芸人」さんだったが、お子さんが産まれて父親になってから変わった、という。しかしながら、それまで浴びるように毎日飲んだお酒や、電流爆破デスマッチなどの無茶で長年酷使した身体が悲鳴をあげた。。ある日の漫才終わりの大阪で心不全→生死の境を彷徨う。そしてその後に、コロナで瀕死を経験している。現在も人工透析に通う日々。そんな折に奥さんの浮気が発覚→シングルファザーに(現在)。きっと、あらゆる芸人さんにも愛される二郎さんの性格上、家族にも優しく、頼れるナイスガイだった。そんな二郎さんに奥さんも惚れたのだろう。
本書にもあったが、透析患者はひどい疲労と怠さのストレスで、怒りっぽくなり、イライラが爆発することがある。それは奥さんも病院で説明を受けたらしい。が、そうはいってもやはりその姿は、かつてのナイスガイではない。2度続いた「夫の命の危険」は、精神的にもかなり応えたのだろう。そして、夫からの腎臓移植の打診。最初、電話では快諾したものの、その決断は翻る。健康面で大変な状態の旦那さんとの行く末への不安、また、移植となると自分(奥さん)の生命や健康にまで危険が及ぶ可能性も。(当然、奥さんのご実家家族は反対する。)

二郎さんの家族への愛情はホンモノであったと思う。でも、愛情だけではダメだったんだ。信頼おけるパートナーがある日、瀕死で緊急入院→危篤状態になる。。様々な不安が頭をもたげる日々は、やがて人の選択を危ぶませる。色んなことから逃げたくなる。魔が刺す。子供のことも疎かになる。。そして結果、全てを失うこととなる。そうなったときに、何の罪もないお子さんが巻き添えを喰らうのが、可愛そう。。

何もなし得ない私にとって、この二郎さんの経験を以て自分に当てはめて留意できることといったら、家族のためには、何はなくとも健康が一番!それに尽きる。

(あと、人工透析となると、本当に大変!その苦労や生きる上での時間的生活的制限など、透析の現実を知らしめる啓蒙としても、本著や二郎さんのnoteの日記は、とても参考になります。)

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