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『好きを仕事にすること』は幸せなのか 〜双極性障害の頭の中 13

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型のフツーの会社員、パピヨンです。

病気になっても、障害者手帳持ちになっても、仕事を続けられる原動力『好きを仕事にすること』について記します。

君はたとえそれがすごく小さな事でも

何かにこったり狂ったりした事があるかい

たとえばそれがミック・ジャガーでも

アンティックの時計でも

どこかの安い バーボンのウィスキーでも

そうさなにかにこらなくてはダメだ

狂ったようにこればこるほど

君は一人の人間として

しあわせな道を歩いているだろう

ムッシュかまやつ:『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』


幼稚園時代から変わらないもの

私は子供の頃から絵を描くことが大好きでした。
将来の夢は『絵描きになって自分のアトリエを持つこと』。

年齢を重ねるにつれ、少しずつ夢のカタチは変わって行きましたが、一貫して“美しいものを作りたい”という信念は変わりませんでした。
それは今も変わっていません。

当然のように美術大学への道を目指しました。


美大は“潰しが効かない”のか?

美大や音大は、“なんとなく”とか “とりあえず”で受験する人はいないと思います。
実技試験があるからです。
しかも、“ただ絵が上手い”ことと、“受験用の絵が描けること”は全く別です。

私は公立の芸術大学を目指したので、センター試験の勉強もしながら美大受験の予備校に通い、運良く現役合格できました。

しかし、ここで第一の試練が待ち受けていました。
周囲のオトナたちの“冷ややかな目”です。

「美大なんて、潰しの効かないところに行って将来どうするの?」

親戚一同、そして高校の担任にも言われました。
じゃあ、経済学部なら全員潰しが効くのかよ?
今の私なら絶対に反論していたでしょう。
しかしまだ子供だった私は、

“潰しとかいうヤツが効かないのかな?”

と動揺しました。
幸い両親だけが『ウチの娘が選んだ道だ!』と反論してくれたので救われました。

美大で色々な経験をし、社会に出ることになります。


『やりたいこと』は決まっている

時は就職超氷河期。
ロスジェネど真ん中世代なので、まっっったく就職はありませんでした。

はなから“正社員”は諦め、非正規雇用で仕事を転々としました。
色々な会社に勤めましたが、“美しいものを作りたい”という信念はまったく変わらなかったので、

『やりたいことが見つからない』
『どんな仕事がしたいのかわからない』

という悩みは過去に一度もありません。
やりたいことは一貫して幼稚園の時から決まってしまっているので、
『ココとココ、どっちの会社にしようか?』
そのチョイスだけです。
反感を買うかもしれません。
しかし、これが『好きを仕事にすること』の傲慢さです。
ただ見つけて、やるだけです。


お金より『やりたいこと』

非正規雇用をハシゴしていたので、中には経営がヤバい会社もいくつもありました。
給料が翌々月払いだったり、月に休みが2日しか無かったり…もはや労働基準法もへったくれも無い。

それでも“ワクワクすること”から足を洗えない。若かったこともあり、どんなに劣悪な雇用でも嬉々として働いていました。

正直、給料も社会の決まりごとも、どうでも良かったのです。
『好きなことがやれるか?』
私の価値観はそれがすべてです。
今は多少賢くなりましたが、それでも

「ワクワクしなくなったら終わり」

という指針だけは決めています。


根無草、正社員になる

フワフワと根無草のように“ものづくり”の仕事をしていましたが、今の会社を見つけ、企業デザイナーになりました。
最初の3年間は非正規雇用でしたが、人生初の正社員に昇格できました。今年で19年働いています。

こんな根無草が何度も転職できたのは、あんなにも“潰しが効かない”と揶揄された公立芸術大学卒の肩書きだったと思います。
美大に詳しい人なら当然評価してくれますし、美大を知らない人は国公立大学卒と解釈してくれる、“二度美味しいパスポート”でした。

「学歴じゃない」という意見はあります。
私もそれがすべてとは全く思いません。
しかし、パスポートを持っている方が自由に行き来ができる。
無いより有る方が、便利な気はします。
少なくとも持っていて不利だったことは無かったです。


身体を壊してもやめられない!

『好きを仕事にする』ということは、常に“背水の陣”です。
寝ても覚めても仕事のコトを考えています。
電車の中でも、お風呂の中でも「はっ!思いついた!!」が降臨することを願って考え続けます。
結果、私は身体と心を壊しました。
それでもまだ、同じ仕事を続けています。
クレイジーですよね。

どんなに病気が酷い時でも、私は「会社に行きたくない」と思ったことがありません。
どれだけ忠告されても休まないことで主治医とケンカになったこともあります。
↓↓

最近は主治医も、もう諦め(?)ていて、
「本当にもう、根っからのワーカホリックですね!」
と太鼓判を押されました。

そう、私は病気になってさえ働きたいのです。
薬を飲みながらでも、精神科に通いながらでも働きたいのです。
『好きを仕事にすること』は、
破滅への道かもしれない。

でも、どうしたってやめられないし、やめるつもりもない。
アルコールより、ベンゾジアゼピンより、よほどタチが悪い。

結論。
『好きを仕事にすること』は幸せなのか?

そんなの、幸せに決まってる。

人間の“瞳”を描くのが好き

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