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『丁寧な暮らし』を目指さない 〜双極性障害の頭の中 44

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

世間は三連休ですが、私の休日は今日だけ。
会社のイベント出展準備のため、明日も明後日も出勤です。
相変わらず低空飛行な気分ではありますが、病気でも休日出勤できるくらないなら、まずまず自分を褒めてやりたいと思います。

こういう時、つくづくワーカホリックで良かったと思うのです。
もしも今の仕事に情熱が無かったら、絶対に休んでいたでしょう。

こんな感じで、私の生活はほぼ全てを仕事に捧げている訳ですが、それだけでは当然良くないということは分かっておりまして。

巷に溢れる『丁寧な暮らし』という言葉。
テレビでも、雑誌でも、『丁寧な暮らし』が推奨されています。

私は、“たとえ働きながらでも、病気があろうとも、『丁寧な暮らし』を目指さなければならない”と信じて生きてきました。




◾️お手本は母の姿

精神疾患持ちで、一人暮らしで、ワーカホリックで、さらに『丁寧な暮らし』を目指すことは、めちゃくちゃ大変です。

しかし、私のお手本は常に“母の姿”でした。
私が世界一尊敬する人は母です。
母は専業主婦ですが、料理が得意で、編み物、縫い物、なんでもこなします。
おせち料理もいまだに手作りでお重箱に詰めますし、私が子供の頃はおやつも毎日ほぼ手作りでした。
そして休日には野草を集めてリースを作ったり、朝からパンを捏ねて焼いたり。

女性とは、かくあるべし。

母の姿を見て育った私は、「こんな風に丁寧に暮らさなければならない」という刷り込みで出来上がっていったように思います。


◾️丁寧に暮らせない


一人暮らしを始めたばかりだった大学生の頃は、それなりに母の真似をして丁寧に暮らしていたと思います。
毎日料理を作り、学校に手作り弁当も持って行っていました。

しかし、働き始めてから段々と『丁寧な暮らし』が私を苦しめていきました。
残業して深夜に帰宅して、ご飯を作る気力なんてある訳が無い。
ものすごい罪悪感を感じながら、コンビニ飯に手を出しました。

「スゴイ悪いことしてるな。こんなの丁寧な暮らしじゃ無いな」

心の片隅で罪の意識に苛まれながら、固いご飯をもそもそと食べていました。

病気になってからはさらに出来ないことが多くなり、『もっと丁寧に暮らさなければならない』という呪いは、ますます強くなるばかり。

毎日、料理が作れない。
毎日、掃除ができない。
毎日、洗濯ができない。
毎日、お風呂さえ入れない。

私だけどんどん『丁寧な暮らし』から遠のいてしまうことに、果てしない罪悪感が押し寄せてきました。


◾️丁寧な暮らしを目指さない

先日YouTubeを観ていたら、精神科医YouTuberの益田裕介医師がこんな風に言っていらっしゃいました。

とにかく『丁寧な暮らし』を目指さない。
これが大切ですね。

益田裕介医師の動画より 


衝撃でした。
『丁寧な暮らし』を目指さなくていい。
なんということだろう。

まるで憑き物が落ちたような気がしました。
そうだったのか。それで良いんだ。

完璧じゃなくてもいい。
できるところまででいい。

母の姿には憧れるけれど、私には私の“暮らし”がある。
平日は働いてるし、帰りが遅い日だってある。
そして双極性障害を抱えている。
母のようにはできないけれど、それでいいんだ。

少し救われたような気がしました。


◾️“そこそこ”丁寧に暮らす

しかしながら、昔、母に言われた言葉が蘇りました。

仕事を始めたばかりの20代の頃。
同時勤めていた会社はなかなかのブラックだったので、連日日付が変わるほどの残業続きでした。
見かねた母が、私が仕事に行っている間、合鍵で一人暮らしの私の部屋に来て、荒れ放題の部屋を片付け、作り置きの料理を冷蔵庫に残してくれたことがありました。

クタクタで帰宅した私は、綺麗になった部屋に驚きつつ、テーブルのメモを見つけました。

「部屋が荒れると、心も荒みますよ。母より」

確かにそうだ。
『丁寧な暮らしを目指さない』ことは、『雑に暮らす』こととは違う。

整った部屋は、やはり心も落ち着く。
そして、手料理は美味しい。

現在は転職し、20代の頃のようなめちゃくちゃな働き方はしていないので、もっと時間に余裕はあります。
そこで折衷案を考えてみることにしました。

例)コンビニでご飯は買ってもいいが、食器には盛りつけ直す
わたしは元々北欧食器が好きで集めています。
コンビニ飯もイッタラに盛りつけ直して、お箸と箸置きを添えれば、立派な夕食です。
テーブルクロスを掛ければサイコー。(ただし洗濯は2週間おきでOK笑)

という風な感じで、少しずつ手を抜きつつもできる範囲でやっていこうと決めました。
以前はテーブルコーディネートも考えて、毎日セッティングしていました。
これには主治医にも「毎日テーブルを整えるのはやめなさい」と注意されていました。
しかし、“食事とはこうあるべき”と決めつけ、とらわれていたのだと思います。

これからは『丁寧な暮らし』を目指さずに。
時にはコンビニ容器のままで食べちゃう日があったっていいじゃない。
そうだ、食器を洗うパワーさえ無い日だってある。




さてさて明日は出勤です。
さっき洗濯とザッと掃除機をかけたので、もう今日は花丸です。
ご飯は簡単に冷凍おうどんとかでいいや〜。

丁寧な暮らしは目指さずに、そこそこでいきたいと思います。

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