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真夜中の渓谷へダイブ!! 〜双極性障害だって働きたい 14

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型+強迫性パーソナリティ障害のフツーの会社員、パピヨンです。

かなり調子が悪いです。
ちょっと低めで構わないのでこれ以上滑り落ちないように、睡眠と仕事量に気を付けてます。
止まってくれるといいな。

前回の記事の続き、復職してから益々悪化していった頃を回顧します。
※自傷に関する内容を書きますので体調が悪い方は読まないでください。
↓↓


上司の退職

復職してから、なんとか周囲に助けられつつ仕事を続けて3ヶ月くらい経った頃、突然上司が退職することになりました。

海外出張に行ったり、良く飲みに行ったり、仲の良い上司でした。
何より入社以来、10年以上その上司の下でしか働いたことが無かったので、とてもショックでした。

新しい上司の下でやっていけるのか?

「私のせいで辞めるのかもしれない」とまで妄想が広がり(実際は家族の介護のためだったようです)、不安で頭がぐるぐるし始めます。

しかし、とことん人には恵まれる星回りなのか、新しい上司も良い人でした。
病気について2人で話し合いの時間を設けてもらい、とても理解してくれました。
ウチの会社はその頃、休職者が社内広報されていたので、みんな知っていたというのもあります。(現在は広報されなくなりました)

しかしながら、前の上司とは違う。
“信頼する兄”を失ったような、心の穴を感じていました。


祖母の死

悪いことは続くもので。
上司の退職の半年後、祖母が亡くなりました。
私は内孫だったこともあり、週末の度に頻繁にお見舞いに行っていました。
100歳の大往生だったので仕方がないのですが、やはり心に大きなダメージを喰らいました。

復職してから頻繁に抑うつの波を繰り返していましたが、本格的に深い谷に入っていきました。


心の氾濫

祖母の四十九日法要のために、実家に帰った時のことです。
きっかけは父親の些細なひと言でした。
もはやなんの言葉だったのかも覚えていないくらい、なんてことのない言葉だったかと思います。
その言葉がトリガーになってしまったのか、心の底に閉じ込めていた“何か”が一気に膨れ上がり、まるで川が氾濫するように泣き叫び、声が枯れるほどの奇声を上げてしまいました。

突然の娘の変貌ぶりに父親は狼狽。
母まで泣き出してしまい、私を抱きしめながら

「何があなたをそんなに苦しめているの?」

と号泣させてしまいました。
その状況にいたたまれなくなり、

“もういっそ全部消えてしまえばいい”

と衝動的な思いがスッと押し寄せました。


真夜中の渓谷にダイブ!!

母の腕を強引に振りほどくと、雨の降る真夜中の山道に走り出しました。
私の実家は両親のアウトドア好きが高じて、なかなかの山奥にあります。

街灯も、自動販売機も無いので、本当に真っ暗です。
山道を駆け降りていくと渓谷があり、迷わず川にザバザバと入って行きました。
両親が車で追いかけて来たのが、ヘッドライトでわかったので、川の中の大きな岩の裏側に思わず隠れました。

水深は腰くらいでそれほど深く無いのですが、流れが早く大きな岩がゴロゴロとした渓谷なので、足を滑らせたら一気に流されていたと思います。
しかも雨が降っていたので、いつ鉄砲水が来るか分からず、今思い返しても本当に危険なことをしでかしたものです。

それなのに、なぜかフツフツと違う感情が湧き上がってきました。

“これが本当の私だ!!”

気分爽快だったのを覚えています。
子供の水遊びのように、川の水をバシャバシャと巻き上げ、その水を頭から被りまくりました。

気がつけば父親に羽交締めにされ、びしょ濡れのまま強引に車に押し込められました。
普段は使わない暴言を吐き、「離せこの野郎!」と車のドアを内側からバンバン蹴り飛ばしていました。


嵐のあと

家に戻されたあとは、ひとりにした方が良いと考えたのか、両親は2階に上がりました。

怒りが収まらない私は、とにかく何か大切なモノを破壊したい気持ちが抑えきれず、家族旅行の思い出の品などを片っ端からぶっ壊していました。
自分を傷付ける衝動を抑えられたのは、まぁ、良かったと思います。

だんだんと冷静になっていき、
壊したモノを両親に見られるのは申し訳ないと思い始め、静かに片付けました。

両親には気付かれないように片付けたつもりでしたが、翌日の朝には片付けたゴミが消えていたので、気付かれていたようです。
申し訳ない、ただそれだけでした。

この一件以来、ひとりで実家に帰ることは辞めました。
必ず妹と一緒に帰ることにしています。
両親はとても愛情深い人たちです。
それなのに傷付けてしまう自分が“モンスター”のようで恐ろしいので、調整役を妹に請け負ってもらっているのです。


続く

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